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(仮)異世界ライフは突然に  作者: ai-emu
【第4章】パリダカでのひと時
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【第28話】オークション

運搬猫キャリアキャットのタマちゃんに乗って、一路パリダカまで戻った僕たち天空の牙御一行様。ちなみに、『タマ』ではなく『タマちゃん』が名前だ。ステータスにも、『タマちゃん』と記されている。

「やっぱりタマちゃんは速いな。盗賊のアジトあそこからだと、パリダカまで馬車で2日はかかるぞ。それが、たったの1時間とはな。」

そんな事を話しているのは、ナルシスさん。

「それはいいですが、俺の仕事が無くなるんですが。」

「そんな事はないぞ。護衛の仕事だったら、タマちゃんは使えないからな。」

フォルテスの愚痴に、オーパスさんがシャルリードさんを抱きかかえながら返した。

お熱い仲ですね。

そういう僕とマイカちゃんも、隣同士で座っているのだが。人の事は言えないね。


オークションの会場は、町はずれに建っている闘技場だ。通常ならば、商業ギルドの中にあるホールで行われるのだが、今回の目玉商品がアレなので、急遽闘技場を貸し切って行われている。

円形上の闘技場の客席には、オークションの参加者たちで満員御礼な状態だ。いったい何人いるんだろうか?サクラや冷やかしも、中にはいるとは思うが・・・。

まあいいか。

さらに、貴賓席には、この町の領主様もいるみたいだ。出品される品を考えれば、領主様だって来るだろうとは思うが。


オークションは、昼の鐘が鳴り響いたと同時に始まった。

ちなみに、僕たち天空の牙御一行様は、出品者席(競り市の会場である武舞台の真下に造られた席)に座っている。ここからは、出品される品物をしっかりと見る事ができる特等席でもある。

僕たちも、セリに参加する事もできるが、参加するかどうかはまだ決めていない。


最初にセリにかけられるのは、各地から集められた奴隷たちだ。

この中には、盗賊たちに村を襲われ、奴隷にされた者もいるのだろう。だが、僕にはどうしようもない事なので、あまり出自を見ない事にしている。司会者も、出自については触れてなく、ただ、名前と念れ、性別と種族の4項目だけを言い、すぐさまセリにかけられていく。

全員・・・ではなく、ある程度の年齢(種族によって違うが)以下の者は男女ともに全裸にされて、後ろ手に縛られているのはなんでだろうか?

その年齢を超えているだろう者は、後ろ手に縛られ、男性は腰布1枚、女性は、腰布と胸にサラシを巻いているだけだ。

これが、出品される奴隷の正装?何だろうか?


まあ、いいか。


今はまだ、奴隷がほしいわけではないので、目の前で行われているセリを眺めているだけだ。

おっ!!今の女の子。王金貨500枚で競り落とされたぞ。顔が絶望色に彩られている。そもそも、一生かかって払いきれるんだろうか?ナルシスさんみたいな人に買われれば払いきる事も可能だろうが、そうでない限りは、墓の中まで借金を持ち越す事になるんだろうな。

たとえ奴隷といえど、しっかりと埋葬しないといけないと各国の法律で決められている。そこらへんに放置すると、魔物となって人を襲う可能性があるからだ。

ちなみに、埋葬方法は、世界共通で火葬となっている。火葬した後残った骨は粉々に砕いて埋葬するのだ。そうしないと、魔物の材料をなるからだ。森の中などで、遺体を見つけたら、身元が解るモノを剥ぎ取り、見つけた者が責任を持ってその場で火葬し骨粉にする。骨粉にしてしまえば、後は自然に変えるまで放置しておいても構わないみたいだ。その後は、はぎとったモノを各ギルドまたは、衛兵に渡せばいい。

その後の処理はギルドや領主がやってくれる。

土葬や放置葬が発覚した場合は、身分に問わずに一族郎党死罪となる。もちろん、処刑後の遺体は、しっかりと火葬した後に骨粉にされて川や海へと流される決まりになっている。

この決まりができる500年ほど前までは、世界各地にゾンビやスケルトンといった、ゴースト系の魔物やモンスターが徘徊していたそうだ。

法律ができてからは、ゴースト系統の魔物が跋扈する事はあまりなくなったみたいだ。


緩和休題。


奴隷オークションも終わり、次は、飛び込みで出品されたモノと、魔物の素材のセリが始まる。

どちらも、ギリギリまで狩りをしてくる冒険者のために設けられている部門である。そして、そのほとんどが、魔物やモンスターから出てくる素材やドロップ品なので、纏められて1つの部門にいるのだ。

今回は、少し毛色が違ってはいるが・・・・。


まずは、昨日までにに提出されている素材から始まった。

僕が提供したのは・・・・。

火炎竜レッドドラゴンの解体部位が約半分。

飛竜ワイバーンの解体部位が12匹分。

巨大魔鶏コカトリス(雄)の解体部位が5匹分。

巨大魔鶏コカトリス(雌)の解体部位が10匹分。

巨大魔鶏コカトリスの卵が50個。

などなど。

他にもたくさんあるが、大きなものではこのくらいだ。これらが、前半のハイライトとして登場していた。


次に出てきたのは、先ほど討伐した大盗賊団『毒蜘蛛の山嵐』のアジトから押収した数々の品物を提供した。出品代表者はナルシスさんになっている。他は、近くのダンジョンで回収された各種ドロップ品や宝箱の中身などが出品されている。ちなみに、この部門には、出品登録に間に合わなかった奴隷も出品対象になっている。

「さあ、お次の品物は、つい先ほどAランク冒険者パーティ『天空の牙』が討伐に成功した大盗賊団『毒蜘蛛の山嵐』のアジト原回収してきたお宝たちだ!!

嘘だと思うなら、この後に処刑広場に行ってみろ!!『毒蜘蛛の山嵐』の奴らの生首が、曝し台に並んでいるぞ!!

それじゃあまずは、盗賊団に捕まり、奴隷にされていた者たちから行こうか。」

こうして始まった大盗賊団『毒蜘蛛の山嵐』のお宝の処分市。

奴隷にされた人たちは、ゴブリン並みに汚いものもいたが、一応出品物として綺麗に洗浄してある。犯されていた女性たちは、全員が性病にかかっていたので治療し、骨折などの怪我や部位欠損もすべて治療してある。


奴隷からの解放?


別に解放してあげてもいいけれど、そうすると盗賊さん討伐(いろいろな実験)で、出逢った奴隷すべてを開放しないといけない。

そんな面倒なことは嫌だ。

この奴隷も含めて、すべての奴隷の半数は、領主がお買い上げしていった。たぶん、復興作業に従事させるんだろう。作業終了後は、そのまま奴隷のままか、解放されるのかはその時次第だと思う。

この部門で、僕たち天空の牙には、結構な金額が転がり込んできた。討伐報奨金や賞金と合わせて、たっぷりと臨時収入を貰う事ができた。


魔物の素材部門が終了すると、次は魔道具部門に移る。

この部門には、僕の造った魔道具や古代神話級魔道具アーティファクトが出品されている。

セリ値が低額(低いといっても金貨10枚くらいが最低値となるが)と予想される品物から順にセリにかけられていく。中には、予想に反して高額なセリ値を付けたモノのあったが、おおむね、主催者の予想通りのセリ値に落ち着いているようだ。


さて、いよいよあれが出てくる。


「では皆さん、お待ちかね。『流れの魔導具職人』が、昨日商業ギルドに売りに来た一品の登場だ。ここから先は、『古代神話級魔道具アーティファクト』で造られている。

まずは1つ目。

『羽根ペンタイプの異空間旅倉庫トレジャーボックス』だ!!!仕様は、手元のパンフレットを参考に。でははじめ!!」

「金100!!」

「金110!!」

「金150!!」

どうもアマネさんは、アレをオークションに出品したみたいだ。あんなモノでも、どんどんセリ値が上昇していっている。

「王金10!!」

「王金10!!誰かいませんか?王金貨10枚で落札です!!」

王金貨10枚の値がついた。

アマネさんは、一気に小金持ちになってしまったみたいだ。

落札したのは、何処かの執事さんみたいだ。入る量も少ないが、モノがモノだけに、冒険者とかには使い勝手が悪い品物だろう。セリあっていた人たちも、街中で暮らしている者たちばかりだったような気がするし。


「次の品物は、『異空間倉庫指輪ストレージリング』!!先ほどは羽根ペンタイプだったが、これからは指輪タイプの異空間旅倉庫トレジャーボックスになっている。

数は全部で90個!!

1つ買うのも、買い占めるのもお前たち次第だ!!

た・だ・し!!

この後の事を考えてセリに参加すべし!!

それでは、王金貨1枚から始め!!」

「王金10!!」

いきなり10倍に跳ね上がったぞ。

「王金30!!」

「王金50!!」


セリ値はどんどん上がっていき、結局は1個当たり王金貨200枚~300枚で競り落とされていった。

みなさん、たくさん持ってますね~~~。


「本日最後のセリは、なんと、空飛ぶ魔物やSランク級の魔物がテイムされた状態で持ち込まれました。それらが一斉にこのオークションに出されました!!」

「オ~~~~~~!!!!!!」

会場全体が揺れるほどの大盛況が木霊する。

司会者の人が僕に視線を向けて合図をする。僕はその合図を受けて、打ち合わせていた順番に魔物を万能異空庫アイテムボックスから取り出していく。

「まず初めに、テイムされている魔物を紹介する。

今回テイムされた数は、飛竜ワイバーンが20匹に、グリフォンガ10匹。飛空亀フライタートルが1匹となっている。

そのうち、飛竜ワイバーン10匹は、この町の領主様であるワトソン=ヴェルドス=アパランチア様に、友好の証として進呈される事になっている。

そのため、ここでセリにかけられるのは残り10匹だ。競り勝った2人が、飛竜ワイバーンを手にできるぞ!!

では、早速始めようか!!

王金貨50枚からスタートだ!!」

「王金100!!」

「王金150!!」

「王金200!!」

あんな空飛ぶトカゲに、いったい行くがぶち込む気なんだろうか。僕は、達観しながらせりあがっていくトカゲちゃん2匹を見つめていた。自分出ていくすれば、魔力を食われるだけで済むのにね。


ちなみに、飛空亀フライタートルとは、その名の通り空飛ぶ亀であるは、甲羅の大きさが100m四方ほどあり、高さが30mくらいある巨大な亀だ。初めて見た時は、浮遊島かと勘違いした。普段は空を飛んでいるが、海などに着水して餌を摂っている。

空飛ぶ家はいつかはほしいと思っている。

しかし僕には、亀の甲羅の上に家を建てるほど酔狂な思考はしていない。

やるとしたら、何処かの無人島を、1つ丸ごと浮遊させる感じかな?

今は、陸上を旅していたいので、タマちゃんだけで十分だ。


今回のオークションで、僕は、一財産を築いてしまったのだった。

どうやって使おうか、このお金・・・・・。

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