【閑話その3】かわいそうな盗賊さん
千里眼で辺り一面を精査して、(連携訓練をするための)ちょうどいい練習相手を探していた僕は、パリダカから東に300㎞ほど離れた山の中で、盗賊団のアジトを発見した。
「ナルシスさん。」
「何だい?トモエちゃん。」
「東に300㎞ほど行った山の中に、盗賊団のアジトがあるんですが。これで連携訓練をしませんか?」
「盗賊団か。何人くらいいるんだい?」
「そうですね~~。盗賊さんがだいたい30人くらいいて、奴隷にされた周辺住民?たちが50人くらい?後は、どうやって躾けているかは知りませんが、魔物や野生動物たが100匹くらいですね。」
「そうだな。それくらいならば、ちょうどいい訓練相手にはなるか。でも、どうやってそこまで行くかだな・・・・。」
「それは、タマちゃんに乗っていけばいいのでは?タマちゃんなら、300㎞くらいは30分くらいで行くと思うんですが。」
「・・・・あの速さなら、それくらいで行けるか。
よし。
これより、連携訓練のため、盗賊団の討伐に向かう。全員タマちゃんに乗車?しろ!!」
こうして僕たちは、タマちゃんに乗って、一路盗賊団のアジトに向かうのだった。
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”ドッカ~~~~~ン!!!!!!”
「何事だ!!」
「お頭!!突然砦の正門が吹き飛びました!!その後、一瞬で最下層が何者かによって制圧され、現在第2層目で戦闘が起きております!!」
「お頭!!報告します!!第2層が突破されました!!」
「襲撃を受けてから5分も経っていないぞ!!いったい誰が・・・・」
”ドッカ~~~~~ン!!!!!!”
いきなり目の前の壁が吹っ飛んだ。
「お前が頭か?」
「ここが『毒蜘蛛の山嵐』のアジトと知ってのことか?」
「なんだ。ここが『毒蜘蛛の山嵐』だったんか。悪名孝樹盗賊団にしては、やけに弱いな?」
「そうですね。」
襲撃をかけてきた男の背後から、ひょっこりとかをを出したのは、修道服に身を包んだ女の子だった。
「まあ、いいです。全然訓練になりませんでしたね。」
「タマちゃんと、マイカちゃんがすごすぎるんだ。」
「魔物は急には止まれません。あの程度で破壊されるようではいけませんね。」
何やら物騒な会話としている男と女。
「無視するな!!おれが・・・」
「あっけなかったですね。こんなやつに、今までてこずっていたんですか?この領地の軍隊は?」
「トモエちゃんのような人材がいれば、もっと違っていたんだろうがな。」
こうして、大盗賊団『毒蜘蛛の山嵐』は、あっけなく壊滅した。
奴隷にされていた人を全員回収し、ため込んでいたお宝を回収して、僕たちは、タマちゃんでパリダカに帰還した。
さて、盗賊さんたちは、いったいいくらになるかな~~~。
楽しみである。




