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(仮)異世界ライフは突然に  作者: ai-emu
【第4章】パリダカでのひと時
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【第25話】ギルマスと会談(その2)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

【登録カード】

【名前】

【所属パーティ】

【冒険者ギルドランク】S

【商業ギルドランク】A

【生産者ギルドランク】A

【受理依頼】△▽

【討伐魔物数】△▽

【発行ギルド】冒険者ギルド キシュウ王国アパランチア辺境伯領パリダカ支部

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「これは?」

名前の欄が空欄で、それぞれのギルドランクがやけに高いカードだ。不思議に思い、そう聞いてみることにした僕。その回答がこうだった。

「流れの魔導具職人を偽るには、本名ではまずいだろう?これは、そのためのカードだ。

それでだな。偽名を考えてくれ。その名前で登録をする。」

カイバルさんがこう答えてくれた。

「それはいいのですが、やけにランクが高いですね?」

火炎竜レッドドラゴンをソロで狩れる奴がEランクじゃおかしいだろう?今後、上位のランクにいる魔物を狩った場合は、このカードを使うといい。『トモエ=アスカ』で作ったカードは、普通の依頼で使うといいだろう。」

確かにEランク冒険者が、高位ランクの魔物の素材を持ち込めば、ランク詐欺と言われそうな予感がする。


「俺もそうだ。流れの魔導具職人さんが、何か素材を売り払いたい時には、このカードを使ってくれて構わない。」

これは、テノールさんからだ。

テノールさんは、素材の取引に使ってくれと言ってきている。

素材か~~~~。

そういえば、山ほどあるんだよね。オリハルコンとか、ミスリルとか、アダマンタイトとか。


「私からは、高額の魔道具を売る時にでも使ってください。そういえばトモエちゃんは、古代神話級魔道具アーティファクトも造る事は可能でしょうか?」

古代神話級魔道具アーティファクトですか?どうでしょうか。造った事はないので何とも。

そもそも、魔道具と古代神話級魔道具アーティファクトの違いがよく解りません。」

エーテルさんが、こんなことを言ってきたので素直に答える。

魔道具と古代神話級魔道具アーティファクト

本当に、何が違うのかが解らない。

「そうですね。一番大きな違いはこれですね。

『魔道具』は、使用する際に使用者の魔力を利用する。

古代神話級魔道具アーティファクト』は、使用者の魔力は起動時だけで、あとは自然界にある魔素マナを利用して動き続けている。

でしょうか。ちなみに、今さっき造った『異空間旅倉庫トレジャーボックス』鑑定結果では『異空間倉庫指輪ストレージリング』と出ていましたが。この指輪の動力は何ですか?」

「それの動力ですか?『羽根ペンタイプの異空間旅倉庫トレジャーボックス』も、『異空間倉庫指輪ストレージリング』も、動力自体は魔素マナで動いてますね。という事は、これは『古代神話級魔道具アーティファクト』という事になるんでしょうか?」

「そうですね。この指輪は、まさしく古代神話級魔道具アーティファクトです。つまりトモエちゃんは、古代神話級魔道具アーティファクトを造る事が可能となるわけです。

よって、こちらのカードを使うときは、古代神話級魔道具アーティファクトを売りき来られた時にしてください。普通の魔道具を売る際は、『トモエ=アスカ』のほうでお願いします。」

「そうしたほうがよさそうですね。」


どうも僕は、日本むこうにいた時同様に、2つの名前を使い分けないといけないみたいだ。

確かにそうだな。

僕の力は、一部を除いてこの世界にいる人類をはるかに超えていると思う。全力でやった時と、手加減してやった時を使い分けていたほうがいいだろう。

「では、早速だが、偽名を考えてくれんか?」

「そうですね。では、僕の名前をひっくり返して、『アスカ=トモエ』でいいですか?ついでに、Eランク冒険者の『トモエ=アスカ』は女の子ですので、『アスカ=トモエ』は男の子です。」

「性別すらも偽るのか!!それならば『名前が似ているだけのただの別人』になり済ませれるな!!

よし、それでいこう!!」

僕の偽名のほうはこれで決まったみたいだ。あとは、マイカちゃんのほうだな。

「あとはマイカちゃんんですね。常に僕と一緒にいるので、マイカちゃんつながりで、同一人物だとばれてしまいそうです。

なので、『アスカ=トモエ』の時は、マイカちゃんは奴隷ではなくただの平民にしたいと思っています。名前はそうですね。『イズミ=キリサキ』とでもしておきましょうか。」

僕が言った言葉に、少し顔をかしめる面々。


「それはいいが、奴隷隷属の首輪はどうするんだい?」

もっともな質問を投げかけてくるエーテルさん。僕は、それにこう答える。

「大丈夫です。マイカちゃんの首に嵌っているのは、魔道具の『奴隷隷属の首輪』ではなく、僕がかけた隷属魔法のエフェクトである『隷属の首輪』ですので。見えなくする事も可能なんですよ。こうやって。」

僕は、魔法を操作して首輪を半透明化する。それを確認してから、テノールさんが僕にこう質問をしてくる。

「これは隷属魔法だったんかい。それじゃあ、なぜ首輪だけ常時見えるようにしているんだい?消せるんならば、消しておいたほうが彼女は自由だろうに?」

「それは、マイカちゃんの意志だからです。マイカちゃんは、10歳の頃から今日まで110年間、奴隷として生きてきました。」


僕は、あの村でのマイカちゃんの暮らしぶりを、マイカちゃんから聞いていた通りに詳細に話した。


「こんな感じで、マイカちゃんは、奴隷以外の生き方を知りません。また、あの村では、最低限の仕事しか与えられていなかったため、手に職は何も持っていません。

なので、奴隷から解放されると、自分の手足で生きていく事が困難になります。

何か、生きていけるだけの能力がつくまでは、僕は奴隷から解放しないほうがいいと判断しています。」

僕の言葉に、しばし考えるギルマスたち。

「トモエ君は、手に職さえつけば、いつでも開放する気でいるんだね?」

「はい。隷属化した事についてはともかく、法律上の奴隷からは解放するつもりです。

隷属魔法の解除は、あの条件が邪魔をしているので、解除の見込みがたっていません。今、別の方法を模索中ですが・・・・。」

「確かにあの条件では、今のトモエ君の魔法を撃ち蹴る事は、理論上不可能だね。

奴隷のマイカの事は解った。

こちらとしては、それで構わないよ。

では、ついでにパーティ名を決めてくれ。マイカ・・・いや、イズミ君とアスカ君の2人組のパーティ名だ。もちろん『イズミ=キリサキ』名義のギルド証も発行しよう。」

「そうですね・・・・・。では、『アマテラス』にしてください。」

「わかった。そのようにしよう。」


しばらくして、マイカちゃんのギルド証が届いた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

【登録カード】

【名前】イズミ=キリサキ

【所属パーティ】アマテラス

【冒険者ギルドランク】A-1

【商業ギルドランク】未登録

【生産者ギルドランク】未登録

【受理依頼】△▽

【討伐魔物数】△▽

【発行ギルド】冒険者ギルド キシュウ王国アパランチア辺境伯領パリダカ支部

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


偽名とはいえ、マイカちゃんにとっては、この世界で初めてとなる身分証である。使用する事はほとんどないとは思うが、とてもうれしそうな顔で受け取っていた。

「あっ!!そうだった。これの換金をお願いします。」

僕は、万能異空庫アイテムボックスから、冒険者ギルドで貰った小切手を机の上に出した。

「どっちの口座に入れておく?」

エーテルさんがこう聞いてきました。

「どっちでも同じですよね?」

「同じだね。名義人の名前は違うけど、どっちもトモエちゃんだからね。」

「小切手の受取人が『トモエ=アスカ』なので、そっちの口座に入れておいてください。そのほうは事務処理が楽でしょう?」

「わかった。全額、口座に入れていていいんだね?」

「そうですね。金貨10枚分と、金貨1枚以下の細かいお金は、現金でお願いします。」

エーテルさんは、後ろに控えている女性に小切手と、僕のギルドカードを渡して、手続きを支持している。しばらくすると、トレイの上にギルドカードと、金貨10枚、銀貨9枚、銅貨6枚、青銅貨89枚が載せられて僕の前に置かれた。僕はそのお金をすべて万能異空庫アイテムボックスの中に放り込んでおく。


その後は、雑談をしながら魔道具と古代神話級魔道具アーティファクトを片手間で造りながら30分ほど話して部屋を出た。帰り際に、思い出したようにカイバルさんから先ほどの話が出た。

「そういえば、トモエちゃんは、アマネから指名依頼を受けないかという話を受けていたな?」

「何だい?その話は?」

そこに、エーテルさんが食いついてくる。

「実はな、この嬢ちゃん。一瞬で橋を架けれるほど魔法に精通しているんだ。そこで、騎士団が手を出せれていない山越えの街道を復旧しつつ、沿道の町や村に支援物資を運んでもらおうという話が出てるんだ。まだ領主様には、話を通していないから、正式に決定されているわけではないんだがな。」

「そんな話が出てたんかい。その話、私にも1枚かませな。支援物資は、商業ギルドが用意しておいてやるから。」

「そのつもりで、今話したんだ。テノールはどうする?」

「そうだな。・・・・どうせ、色々と壊れているんだろうからな。農具やポーションなんかの生産品は、俺たちに任せておきな。配給量は好きないだろうが、それなりに揃える事ができるはずだ。

最悪は、アマテラスに依頼を出せばいいだけだからな。

雑談の片手間で製作していたポーション、ギルドの等級で照らし合わせれば中級は確実にあるからな。下手をすれば特級は言いすぎだが、上級の上位にはいくはずだ。

トモエちゃんに聞けば、今回が初めてだそうだぞ。ポーション製作。」

「初めてでそれかい?そういえば、ポーションも含めて、素材はなに1つ用意していなかったはずだが、どうしてるんだい?トモエちゃん?」

「素材は、『素材錬成』とか、『素材錬金』とかいうスキルで”創って”います。素材があれば、使う魔力は少なくても済むんですが、なければ内で”創れば”いいんです。」

もう、カミングアウトしまくりである。自重を投げ捨てたともいう。

「というと、ミスリルも”創った”んかい?」

「はい。創りました。ぶっちゃけけますと、ミスリルの産地なんて知りません。」

「ちなみに、他のもあるんかい?」

「はい。創ろうと思えば。今は、必要ないので手元にはありませんが。」

「道具のほうはいいが、素材関係はお願いだから、大量に卸すのはやめてくれな。市場が混乱してしまう。」

「わかっています。他の人の食い扶持を奪う事はしません。」

「その話はそのくらいにしておいて。

指名依頼の件は、数日待ってくれ。領主様と話を詰めないといけないからな。決まったら、アマネに話しておくから。」


こうして、ギルマスとの会談はお開きとなりました。


ギルドを出るときは、すでに大分と日が傾きかけていた。

マイカちゃんは、数時間の正座でしばらく立つ事すらできなかったので、魔法で浮かして部屋を出た。

受けた薬草採取の依頼は明日に行う事にして、今日のところはいろいろな道具を買う事にした。まだ、武器すら購入していないからね。

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