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(仮)異世界ライフは突然に  作者: ai-emu
【第4章】パリダカでのひと時
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【第23話】冒険者に登録しました

シャルルさんとシャルリードさんの奴隷解放の手続きが終わった後、僕たちは、マイカちゃんを拾って冒険者ギルドへと向かいます。


冒険者ギルドは、堅牢な石造りの5階建ての建物です。通り側には小さな窓しかありません。裏側にある訓練場側は、結構大きな窓になっているらしいです。これは有事の際、司令部になるため堅牢に造られているらしいです。

さて、出入り口の両開きの扉を開けて中に入ると、右側に食堂、左側にカウンターが並んでいます。奥の扉が、先ほど話してくれた訓練場へと行く扉ですね。この時間、冒険者たちはお仕事に出向いているらしく、食堂で飲んだくれている人はあまりいません。この時間で管巻いていたら、いつ働いているんでしょうかね?


「いらっしゃいませ、ようこそ冒険者ギルドパリダカ支部へ。私は、アマネと言います。本日は、新人登録でよろしいですか?」

一番手前のカウンターの前に着くと同時に、受付のキツネ耳をはやしたお姉さんが挨拶をしてきた。

「ああ、こいつら4人の登録を頼む。俺のパーティで世話をする予定だ。」

ナルシスさんは、僕とマイカちゃん、シャルルさんとシャルリードさんを指さして受付嬢に答えます。

「では、こちらの用紙に必要事項をお書きになり、身分証もしくは、城門でもらった仮入城証を添えて提出してください。1人は奴隷なので、所有者の登録用紙の奴隷欄に名前をお書きください。」

僕は、受付のお姉さん(アマネさんというらしい)がカウンターの上に出した紙に必要事項を書き込んでいく。


「では、この測定水晶に手を翳してください。」

アマネさんが、机の下から取り出したのは、直径20㎝ほどの透明な水晶です。半分ほどが、何かの装置?みたいなものに埋まっており、その装置に、アマネさんは何やら打ち込んでいる。

「これは何だい?俺が登録した100年ほど前はなかったんだが?」

ナルシスさんが、不思議な機械について、アマネさんに尋ねています。

「これですか?これは、『個人能力ステータス鑑定機』と言う魔道具です。

今までは、特定の場所でしか確認できなかったステータスなんですが、これからは、各ギルドで確認できるようになりました。

そして先日、辺境であるこのギルドにも納品されたモノです。

現在、冒険者の皆さんには、ギルドカードの更新時にこの魔道具を使って、カードの書き換えを無料でしております。強制ではありませんので、自身のステータスを知りたくなければ、別に書き換えの手続きをしなくてもいい事になっています。

しかし、新人冒険者は、本日入会分からは強制となっております。

なお、このカードの記載内容は、自動で更新しますので、各自の取得スキルなどの確認にご利用ください。

では、まずはトモエちゃんからどうぞ。」

僕はそうアマネさんに言われて、水晶に手を翳した。

水晶は、一瞬光り輝くとすぐさま元に戻り、その後機械の取り出し口から1枚のカードが吐き出される。出てきたカードは、金属製で表裏とも、何も書かれていないカードだ。そして、出てきたカードを、もう入り度差し込んで、マイカちゃんに水晶を触れさせた。

「トモエちゃんの奴隷のデータも記録しました。このカードに、トモエちゃんの魔力を流してください。」

言われたとおりに魔力を流すと、表面にはこう表示が出てきた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

【登録カード】

【名前】トモエ=アスカ

【所属パーティ】天空の牙

【冒険者ギルドランク】E

【商業ギルドランク】未登録

【生産者ギルドランク】未登録

【受理依頼】△▽

【討伐魔物数】△▽

【発行ギルド】冒険者ギルド キシュウ王国アパランチア辺境伯領パリダカ支部

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


そして、裏面を見ると、僕が鑑定で見ているステータス表示があった。少し表示されているモノが少ない気もするが、まあこれくらいあれば十分なんだろう。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

【名前】トモエ=アスカ

【年齢】1,500歳【性別】女

【種族】神人族【身分】神民

【職業】巫女

【所有奴隷】マイカ△▽

基礎能力値パーソナルデータ】△▽

【称号】△▽

【加護・呪縛】△▽

【属性魔力】△▽

天恵技能ギフト】△▽

種族技能センス】△▽

固有技能スキル】△▽

耐性技能レジストスキル】△▽

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「現在は、隠れていますが、『△▽』がある場所は、カードの所有者が見せたくなければこの状態になります。見せたい場合は、『△▽』をタップしてください。表示は多ければ、スクロールして表示されます。」

アマネさんは、僕のカードを指さしながらカードの解説をする。確かにアマネさんが、『△▽』をタップしても、表示が変わらないが、僕がタップすると、隠れて今部分が開いて表示がスクロールしていく。試しに僕が表示させたのは、『【基礎能力値パーソナルデータ】△▽』という項目だ。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

基礎能力値パーソナルデータ】△▽

《生命力》1,400HP

《魔力》4,230,000MP

《防御力》5,200DEF

《筋力》400STR

《俊敏力》1,000AGI

《器用力》12,000DEX

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「これは、表面にある【受理依頼】と【討伐魔物数】も同じです。最もこちらについては、誰でも表示させることは可能ですがね。」

そう言いながら、アマネさんは、『【討伐魔物数】△▽』という欄を表示させる。過去1ヵ月間で、僕とマイカちゃんが討伐した魔物の一覧、つまり、マイカちゃんの修業でかき集めた魔物や、魔法の実験で殺した魔物の一覧が表示された。その表示された魔物の数を種類に、たまたまカードを覗き見していた全員が声もなく固まってしまった。

ちなみにマイカちゃんのはこうなっている。まったく、僕と逆の現象が起こっているのには、お互い少し笑ってしまった。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

基礎能力値パーソナルデータ】△▽

《生命力》44,900HP

《魔力》1,200MP

《防御力》560,000DEF

《筋力》2,349,000STR

《俊敏力》312,100AGI

《器用力》413,900DEX

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「トモエちゃん。・・・・あなた。どうやったら、こんなバケモノじみた魔力量になるの?」

「は・は・は・は・・・・」

「そして、この討伐量はいったい何ですか?なんか、見てはいけないモノまで書かれているんですが?」

僕は、笑うしかなかった。さて、どうやって説明をしようかな?

「それは・・・・」

「それは?」

「それは、ひ・み・つです。」

少しお茶目に誤魔化してみた。

「まあ、いいです。ところで、この討伐報酬を今清算いますか?そして、魔物の素材はお持ちですか?」

「できるのならお願いします。魔物の素材は全て持っていますが、ここで出しでもいいのですか?特に火炎竜あれとか、巨大魔鶏これとか?」

僕は、カードに表示されているモノを指さしながら聞いてみる。

「どのみち、記録に残っているので構いません。ここで吐き出してください。

ところで、何処にあるんですか?

持ち運びができない量ですよね?」

「あ~~~。それでしたら、僕は、スキルの万能異空庫アイテムボックスを持っているので、その中に入っています。

今出しますか?」

「今はやめてください。受付(こんな場所)で出されても、こっちが困ります。あとで案内するので、そこで出してください。とりあえず今は、生産だけしますね。カードをお出しください。」

先ほど貰い、まだカウンターの上に置かれているカードを、アマネさんに差し出す。

「所で、討伐報酬ですが、現金で貰いますか?それとも、ここで口座を作ってそこに入金しますか?ここで口座を作ると、解説手数料銀貨1枚がかかりますが?」

「この後商業ギルドでの登録もあるので、その時に口座を作ろうと思っているんですが・・・・。」

「それでしたら、冒険者ギルド名義の小切手をお渡ししますので、小切手を商業ギルドに提出してください。その場で入金手続きをしてくれるはずです。」

「わかりました。」

僕は、アマネさんから小切手を受け取り、ちらっと金額を確認した。なんか、とんでもない金額が書かれていたが、見なかったことにして万能異空庫アイテムボックスの中に放り込んでおく。


その後、残り4人のカードを作成している最中、僕はカードの内容を確認していた。自動で記載内容が変更さS¥れるのはいいが、僕が視るステータス表記のように、それぞれのレベルの表記がなく、ただ単にこのスキルを持っていますよとだけ表示されていた。これが、魔道具に限界なのか、この魔道具を作成した人が、そこまでしか”視る”事ができなかったのかは分からない。

まあ、どっちでもいいが。


シャルルさんとシャルリードさんのカードと、ナルシスさんとオーパルさんのカードの書き換えを行った後、ナルシスさんが、アマネさんにとある事を聞いた。

「そういえば、王都まで行こうとしているんだが、山越えルートは通れるのか?」

「山越えルートですか?少しお待ちください。」

アマネさんは、大きな地図を取り出して確認している。ところどころ赤いペンでバツ印が付けられている。

「現在、確認できている範囲ですが・・・・。

パリダカから出てすぐの峠道が、十数か所で崖崩れにより通行止めになっていますね。その先は、各宿場町との連絡が途絶えており確認できておりません。

現在、騎士団による復旧工事は、山越えルートではなく、シェングウまでの街道を最優先に復旧しており、山越えルートは、当分の間使用不能となっております。

所で、ナルシスさんたちは、どのようにして、ここまで来られたのですか?北へ向かう街道も、所々で橋の崩落や崖崩れで通行不幸なはずですが?」

「俺たちは、パリダカから北に100㎞ほど行った場所で立ち往生していてな。そこでトモエちゃんに出逢ったんだ。トモエちゃんをこの町まで連れてくる報酬として、橋を復旧してもらってここまでこれたんだ。」

「どうやって、橋を架けたんですか?トモエちゃん?」

「魔法で架けました。」

僕は、アマネさんの質問に、正直に答えた。

「・・・・トモエちゃんの属性の数や魔力量ならば、橋の一つや二つ、簡単に架けれるでしょうね。

・・・・。

そうだ!!

トモエちゃんに指名依頼をしていいですか?」

「指名依頼?」

「はい。これから、領主様やギルマスに、話を通すので決定ではありませんが、街道の復旧をしながら各宿場町への支援物資の配達をお願いしたいんです。万能異空庫アイテムボックスがあるトモエちゃんなら、たくさんの物資を一括で運べますので。」

「いいんですか?僕はまだEランクですよ?」

「時空間属性持ちに対する依頼は、ランクは関係ないですので、別に構いません。もちろん、拒否してくださっても結構です。」

「それでしたら、ナルシスさんたちと相談したうえで決めさせていただきます。」

「それで構いません。天空の牙の受注依頼が優先されますので、こちらの依頼は受けても受けなくてもかまいません。」


その後、僕たちは、指名依頼の事は置いておいて、早速依頼を受けてみようという話になった。依頼を受けがてら、僕とマイカちゃんの戦闘能力を視るのが目的らしいが。

「どの依頼にする?。Eランクは基本、街中の依頼だけしか受ける事はできないが、指導者が同伴ならば、町の外に出てDランクの依頼までなら受ける事が可能だ。」

そうしてざっと依頼を探す。

「とりあえずは、これでいいんじゃないか?」

そうしてオーパルさんが依頼版から剥がしたのは、10種類ほどの薬草採取の依頼だ。

「そうだな。これなら町の外にも出れるしな。」

こうして、冒険者になって初めてとなる依頼が決定した。


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