【閑話その2】天空の聖地と神々の御神託
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ネオアースの大地に、『唯一の聖女』降臨す。
聖女は、オリンネス山の麓にある崖地において『聖女の初禊』を執り行った。
その地は新たな聖地となり我ら神々より、『天空の聖地』と名付けられ、107番目の聖地として認められた。
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~何処かの神殿に勤める大神官の手記より抜粋~
この神託において、最も震撼させた事実。
それは、この『聖女の初禊』を行った者が、『唯一の聖女』だという事だ。
聖書や口伝などには、その存在が仄めかされているこの唯一の聖女だが、その存在自体が歴史に登場する事は稀で、少なくとも世界大戦後の新世紀になってから約2,000年の歴史には、その名前は数回しか登場していない。
確か、200年前に誕生した唯一の聖女も、聖女の初禊を成功させ新たな聖地を創った。その聖地は現在、『海底の聖地』と名付けられており、大潮のある前後10日ほどしかその姿を海上に現さない神秘の聖地として、神職どころか世界中の人々に人気の聖地でもある。
何故ならば、この聖地を訪れた者には、その時就いている職業に関連するスキルの成長が速くなるからだ。
かくゆう私も、若かりし頃に一度だけ訪れた事がある。
で、今回誕生した聖地の名前は、『天空の聖地』と『旭日の聖地』だ。
今回は、海底の聖地のような場所ではなく、天空の聖地の方は、オリンネス山中腹にある崖地にあるため、場所さえ判明すれば、いつでも行くことが可能である。
しかし、『オリンネス山』という場所が問題なのだ。
オリンネス山が何処にあるのかはすでに知られているが、其処に至るまでの道がないらしい。さらに言えば、山の麓まで辿り着けれたとしても、聖地がある場所は崖の上である。どんな状態の崖とかまでは描かれていないが、きっと辿り着くまでの道のりが困難な事は容易に想像できる。
さて、長々とくだらない話をしているが、今回の聖地は果たしてどのような場所なのだろうか?
すでに聖地には、誰の手なのかは知らないが、5つの建物があるみたいだ。そして、この聖地に祀られている神は、世界神である『不動明王』と『観自在菩薩』だという。この世界で、世界神を祀っている神殿は全部で3つ。
1つ目は、前回の唯一の聖女様が、『聖女の初禊』を行った場所に建てられた『海底の聖地』。
2つ目は、世界神様2柱が、この大地に初めて御降臨されたという伝承が残る地に建てられた『降臨聖地』。
そして3つめが、今回の聖地だ。
私も、修行の一環としてこの『天空の聖地』を目指してみたいと思っている。たぶん年齢的に見ても、これが最後の聖地巡礼の旅となるだろう。
神光暦1280年8月10日
大日如来大神殿 大神官 パピヨン=エセル=ヨハネス15世




