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(仮)異世界ライフは突然に  作者: ai-emu
【第3章】そうだ!!〇〇に行こう!!
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【第17話】旅は道連れ世は情け!?(その1)

「それじゃあ、約束通り、マイカちゃんの今日の寝床はここね。」

そう言いながら、檻の扉を閉める僕。

『ガシャン!!カチャリ』

扉の鍵がかかる音が部屋に響いた。その後、天井版の上(中に入っているマイカちゃんは見る事も触れる事もできない)にある操作盤をセットする。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

《開錠時刻》明日の日の出から1時間後

《施錠種類》A錠(再設定は、開錠時刻後まで不能)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

これで、僕がこの扉を開けるまでは、というか、開錠時刻に設定した時間まで、マイカちゃんはこの檻から出られなくなった。

「ぐすん・・・・。」

なんてかわいいことをするんだ?この娘は!!

効果音付きで何真似とは卑怯なり。

チラチラと、僕のほうを見てくるその態度も、・・・・なんというかとってもカワユイ。僕のモノにしたい、・・・・。

いや。

すでにマイカちゃんは、僕の奴隷(所有物)だったな。

ここから出して苛めたい気持ちを抑えて、僕は部屋の扉を閉めた。


試合の結果はこの通り、僕の勝ちで終わった。

100体のゴーレムと100匹の魔物の群れを蹴散らしながら僕に迫ってきたマイカちゃん。

ここまでは、マイカちゃんペースで進んでいたんだよ

「無差別召喚:転移数50:指定範囲50」

新たに50匹ほどの魔物を呼び出してみたりした。


無差別召喚

僕が指定した範囲にいる間ののを無作為で指定数だけこの場に呼び出す魔法だ。上空や地面の下とか関係なく、指定した範囲(今回は半径50㎞の球体)にいる魔物をランダムで指定数転移させるため、転移してくるまで僕にも何がどれだけ来るのかもわからない。


前回使用した時は、2足歩行の魔物が多かった。今回の前半で呼び出した100匹の中では、昆虫系の魔物が多かったような気がする。そして今呼び出した魔物は獣系が多い。体長も、1mくらいのモノから10mサイズまでいる。

「ずるい!!トモエ君!!」

「誰が、魔物の数はこれだけだといった?そんな子にはさらなるお仕置きが必要だね。」

そう言いながら、新たに50体のゴーレムを創った。


マイカちゃんは、なんとか全てを殲滅し終えたが、そこで力尽き対象である僕に一撃すら入れることなく地面に倒れてしまった。

この戦闘で、僕とマイカちゃんおレベルが大きく上がったので良しとしようか。経験値もたっぷりと入ったしね。


緩和休題・・・・


「マイカちゃん。食事の時間だよ。」

檻につている小さな小窓を開けて、中に食事を入れこむ。

「いいの?」

「まあ、マイカちゃんもがんばったからね。僕も最後は、ちょっと大人げなかったと反省しているし。そのお詫び。明日の朝までは、その中にいるのは決定だから。これは、僕にでもどうする事ができないから諦めてね。

あと、トイレだけど。隅にある穴の中にしてもらえばいいから。」

マイカちゃんに届けた食事は、マイカちゃんが大好物だった僕のお手製ハンバーグだ。今日倒した魔物の中に、牛によく似た魔物がいたため、ちょっと本気を出して作った一品である。完成したハンバーグは、向こうで作っていたモノよりもおいしくできていた。

僕は、檻の前に机を出して、マイカちゃんと向かい合う形で食事を摂る。

「このハンバーグ。とってもおいしい。これが料理なのね。あの村で110年間食べていたモノは、なんていう食べ物何だろう?」

マイカちゃんの呟きで、少しおかしくなって笑ってしまった。

「あの村での食べ物のせいで、マイカちゃんが作る食べ物は、劇薬認定されているからね。現在確認できる範囲だと、人型の魔物は全て殺す事ができる一品だよ?一層の事、ここまでマイカちゃんの味覚を狂わせたあの村に、劇薬をばら撒いてやろうか。ひとかけらずつ混ぜれば、あそこの村人のレベルならイチコロだろうからな。」

「ん~~~。それはやめてあげようよ。そんなことしなくても、あの村の未来はないと思うよ?」


その言葉に不思議に思った僕は、マイカちゃんのステータスを確認してみる。


すると、種族技能センス欄に『未来視(LV1)』というスキルが生えていた。種族技能センスの中でも、後天的に発現するスキルもあるんだな。

僕にも何か発現するんだろうか?


「じゃあおやすみ。」

「おやすみ。」

食後、僕はクローゼットの扉を閉めた。

布団に入った後、マイカちゃんと繋がっている鎖を介して、念話で今日の反省会を行う。半分以上は、マイカちゃんの愚痴で占められていたが。



「そうだ!!人里に行こう!!」


僕は、朝食の席で、何処かで聴いたことのある言葉をなじった宣言をした。

「なに?いきなり?何処か頭でも打ったの?トモエ君?それとも、昨日一緒に寝れなかったから、おかしくなったの?」

そんな僕の言葉に、冷めた感じでツッコミを言うマイカちゃん。僕の額に、右手を当てる事も忘れていない。

「いや、そうじゃなくて。

昨日の戦闘訓練で、レベルも申し分なく上がったし、経験と積む事ができたでしょ?」

「それはそうだけど、トモエ君の奇行が今は問題なんだよ?なんでそんなことを言ったのかな?」

「・・・・そろそろ引き籠りもやめようかなっと思って。せっかくの異世界なんだから、引き籠っていないでいろいろと回りたいじゃんか。」

「それで?今のトモエ君なら、千里眼の範囲ならば、何処にでも転移できるんでしょ?町の近くにでも一気に飛ぶの?」

「それもいいんだけどさ。転移魔法については、なるべく隠しておかないとね。解放した村人たちには、記憶の改ざんを悪いと思ったんだけどしておいたからね。僕の事はばれていないんだよ。」

「それ、初耳なんだけど。」

「教えてなかったからね。誰かに助けられたという記憶はあるんだけど、何処の誰に助けられたという記憶だけがない状態だからね。ついでにあの村のは、マイカちゃんがいたという記憶もなくしてある。」

「ふ~~ん。まあいいや。それで?さっきに話の続きは?転移魔法は隠したいんだよね?」

「そう。だから、遭難したふりをしてどこかの商隊にでも潜り込もうと思ってさ。僕がやらかした豪雨の影響で、あちこち水没しているみたいだから、何とでも言い訳はたつと思うんだよね。」


とりあえず崖下に転移をして、湖から伸びる川筋ぞいに進んでいく僕とマイカちゃん。

半日ほど川筋を歩くと、大きな街道に出る事が出来た。

崖から流れだした川は、初めの頃よりも5倍以上に川幅を広げ、さらに15mほど眼下を流れている。川筋は、街道沿いを流れる大きな川に合流している。その合流地点の少し下流側で、ちょっとした問題が起きていた。

問題とは、大きな川に渡してあった橋が、この前5日ほど降り続いた土砂降りの雨でどうも流されてしまったらしい。その影響で、川の両岸には数組の商隊が立ち往生していた。


さて、現地人を発見したところで、どうやったら不自然に見えない範囲で合流できるのかを考えた。


「どうしたんですか?」

僕とマイコちゃんは、何食わぬ顔で街道を堂々と歩き、片方の商隊に近づいた。


商隊と問題なく合流する方法。


僕が選んだのは、何かの魔法の失敗で、ここに転移してしまったという”言い訳”。

その際、ちょっと演出もしてみたりする。

片方の商隊・・・近くの町(近くといっても、この場所からまだ100㎞くらいは離れているが)へと向かっている商隊の10mほど後方。


その場所に、少し大規模に雷魔法を使って光の柱と轟音を造りだしている。僕たちはその光と轟音がなくなった後で、あたかも中から現れたように装ってみた。

その際、水蒸気をこれでもかと発生させてみたり。


少し恥ずかしいが、わざわざ全裸になって少し呆然と佇んでみたり。

ちなみに、全裸になっているとき僕は、魔眼のレベル上げも兼ねて『男の娘』ではなく『女の子』になっています。胸を少し膨らませて、男の子の象徴を女の子の形に変えてみたり。いろいろと変更しています。

商隊の皆さんが、全裸の僕たちのほうを凝視しているのをしっかりと確認した後、その場にマイカちゃんとともに座り込んでちょっと悲鳴を上げてみたり。

いろいろと演出をしてみました。


その甲斐?あってかどうか知らないが、問題なく商隊の中に入り込む事ができました。


男どもが全員後ろを向いた後(なぜか対岸にいる人たちも後ろを向いていた)、女性の1人が僕たちにロープとサンダルと手渡してくれた。

「とりあえずこれでも羽織っておきなさい。服については、あとで考えましょう。」

そう言ってた渡してくれたので、ありがたく羽織らせてもらった。


「君たちはどうしてあんな場所にいたの?

俺は、アラガルト商会の護衛のリーダーを務めているナルシスだ。こいつらは、俺のパーティ『天弓の牙』のメンバーだ。

そして、こちらのお方が、アラガルト商会の会頭であるパリス殿だ。」

リーダーであるナルシスさんが、剣を突き付けながら尋ねてくる。

僕は、先ほどの状況証拠にあう様に、即席で『自分たちの境遇』をでっち上げた。

「僕は、トモエ=アスカといいます。隣にいる女の子は、僕の奴隷でマイカといいます。


パリスさん、ナルシスさん。


実は、『とある魔法の発動実験』を行っていた時に、どういうわけかここの近くに転移してしまいまして。実はその時に、たまたま身に着けているモノすべてと記憶の一部が、術が発動する際の生贄にされてしまったみたいで。

そのおかげで、こちらに来た時は見ていたと思いますが全裸だったんですよ。そして、奪われた記憶も、1つの記憶カテゴリー単位ではなく、すべての記憶の中からランダムに奪っていったみたいで。その影響で、いろいろな情報が欠落してしまっている状態なんです。

僕たちが何処から来たのか?

どんな魔法を使って、このような事になったのか?

とかいう大事な記憶から、昨日の晩御飯は何だっけ?

みたいな、くだらない記憶までありとあらゆる記憶の一部がないんです。

そんな感じで、たぶん一般常識もかなり怪しいところがあります。」


嘘は言っていない。

が、本当の事も言っていない。所々織り交ぜてあるが。

ただ、都合のいい解釈の元、事実をねじ曲げているだけだ。


「それは大変でしたね。その失敗?した魔法とやらには興味がありますが。・・・魔法関連に関しては、あまり詳しく聞かないほうが身のためですからな。聞かなかったことにしておきます。」

商人らしき男の人が、僕の大嘘に同情してくれた。ちょっと罪悪感が・・・・あるようなないような。

「そうしていただけると助かります。

・・・・ところで、何があったんですか?」

目の前の惨状を視線で示しながら、僕は商人さんに尋ねる。

「どうも、数日前の大雨で、ここに架かっていた橋が流されてしまったみたいで。対岸にいる商隊ともども途方に暮れている次第です。

・・・・そういえばトモエちゃん?」

「なんでしょうか?」

「何かの魔術に失敗して、ここに飛ばされてきたと仰っていましたが。」

「それがなにか?」

「トモエちゃんの職業は、『魔術師』ではありませんか?もし魔術師ならば、ここに橋を架ける事はできませんか?」

「えっ!!はい、そうです。僕の職業は魔術師ですよ。

それと、このくらいの川幅ならば、橋の1本や2本、すぐに架ける事は可能です。しかし・・・・」


僕の答えに、商人は満足げに頷いた。


失敗しているとはいえ、何処からか知らない土地からここまで転移し、魔力切れも起こさずに平然と佇んでいるのだ。予想はしていたのだろう。

「解っていますよ。物事を頼むときは対価が必要です。本来ならば領主の仕事になるんでしょうが、こんな場所で3日も4日も、いろいろな意味で足止めされているわけはいきません。

橋を架けていただく前に、先に報酬を決めてしまいましょう。」

「いいんですか?それは僕たちから切り出すお話では?」

実際、僕から切り出そうとしていた話題だ。

「別にいいですよ。

『商人たるもの、対価をいただいてからでないと動くな』

が、私のモットーですので。

それに、金銭にしろ物品にしろ、等価交換が商売の基本ですよ?」

「確かにそうですね。

『商品に見合った対価』

これが商売の基本ですね。

・・・・。

では、僕からの対価は、これを要求しましょう。」

僕は、パリスさんに求めている報酬を話した。

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