モテモテじゃなくていい!
バサッ…
「そのコピーだ」
うわぁ…
すげぇ量だぞ
よ、要するにお市の方が後世に生まれ変わるんだろ?
でも、なんでオレなんだ?
あーーーーーーーー
わけわかんねぇ〜。混乱する〜。
「色々と条件があってな。一つ目の条件は俺だ。俺は信長公の来世らしい」
ええぇぇぇぇぇぇえ!?
兄ちゃん、めっちゃすげぇ人じゃねぇか!
「あとは、妹のわんこはお犬の方の来世。
母は信秀公と土田御前の来世。親父はただの人間だが、呪文の条件に一致している」
え。血筋じゃない親父も⁉︎
「信男の姿は卵の殻のようなもんだ。お市の方を守るための仮の姿で、元服の年頃になると元の姿に戻るらしい。
あ、姫の場合は“髪結いの儀”だったな」
あー。
確かにあの中の下顔じゃ誰も近寄らねぇよな
アイツ以外は…
「お父さんの顔は仮の姿にピッタリだもんね!」
わんこがオブラートに包まず酷いことを言う
父さんは膝から崩れ落ちて、
「昔はこんな娘じゃなかったのに…」
と嘆いている。ドンマイ、父さん。
「それにしてもお市の方は現在に伝わる通りに美しい姿だ。
もしかしたら、頭脳もレベルアップしてるかもしれないな」
おー!マジか!
それなら、高校生活遊び放題だ!
「あ、でも書物にそんなことは書いてなかったな。残念だったな」
おい!喜んじゃったじゃねぇか!
嗚呼、オレの青春よ…
「とりあえず、その外見ならモテモテだな」
母さんが、私に似て。と呟きながら言う。
おー。彼女いない歴=年齢のオレの人生に
ついに終止符が打たれるのか。
むふふ…学校が楽しみだ。
「イケメン選び放題だな」
・・・。
そうだった、今のオレは女だから
当然モテるとしたら相手は男…
うっ!想像しただけで吐き気が…
「大丈夫!女の子にもモテモテよ!
だって、こんなに綺麗なおっぱいだもん…」
そう言って、わんこが抱きついて…
もみもみ…
「お〜。可愛いおっぱいじゃの〜」
エロ親父か!
くそっ!離せぇ〜!
ゴン!
「いった〜〜!」
母さんにゲンコツを喰らい、走り去るわんこ
デジャヴな展開に、ふふっと笑ってしまう。
「「……」」
あれ?
なんか、みんなこっちを見てシーンとしてる
父さんに限っては、少し顔が赤いような…
あ。笑っちゃいけなかったか。
マジメな話してたもんな。
わんこのせいで脱線したから後でわんこのプリンはオレが食べちゃおう!
……
「あれ?みんなどうしたの?」
あまりにも冷たい空気になってしまったので
口を開く。
「いや、可愛い笑い方するなーって」
「へ?」
母さんが可愛いと言って、ポカーンとしてしまう。
サッ
母さんがオレに鏡を向けた。
そこに写っていたのは
右手で上品に口を押さえ、女の子らしく座っていたオレ、お市の方がいた。
…なんだこれぇぇぇぇえ!!
こんな仕草、オカマじゃねぇか!
いや、今は女になっちまったけど!
「どうやら、信男の存在が薄れてきたようだな」
「お、オレを消すな!」
兄のくせになんてヒドイことを!
「まあ、いずれわかる」
さいでっか…
「とりあえず、今日はゆっくり休みなさい。
あと、寝る前に書類に目を通しておいてね」
うげ〜
この100枚ほどある書類を…
まあ、マーカーとか太字になってるとこだけ読めばいいか。
とりあえず、今日は部屋に篭ることにした。
ちょくちょく更新していきまーす!




