プロローグ
この物語は明るいギャグをテーマに書かれています。
過度な期待をせずに気楽に読んでみてください。
四方を山に囲まれた辺境の村。その村に一人の青年がいた。
「よっしゃー!
これでモンスター千匹斬り達成だぜ」
青年はモンスターの死骸と血溜まりの中で雄叫びを上げる。
「あんたってば本当に強いわね。
一度負けるところが見てみたいわ」
そういって近寄る小柄な少女。
「おうヒナ、俺達は今日で成人するんだ。
そして魔王を倒す為に勇者として旅に出るんだ。
強くて当然だろ」
そう言いながら青年、ジン・コーシュは剣に付いた血を拭い、少女ヒナの元に歩み寄る。
ここらでこの世界について話をしよう。
この物語の主人公ジンとヒロインのヒナが住むのはダーイチ王国の辺境イーナ地方に位置するナーカ村という小さな村だ。
この村は小さいながらも有名な村である。
かつて王国で宮廷魔術指導官として多くの優秀な魔術師を育て上げた大魔術師のジンの祖母、ソボロン・コーシュが隠居しておりその孫であるジンも剣の才能に優れ度々侵攻してくる魔王軍をほとんど一人で撃退することでダーイチ王国の英雄とまで呼ばれているからだ。……とまぁ、それはさておき。
「でもジンばっかり戦うから私が目立たなくなるじゃない!」
この少女ヒナ・ローインはソボロンがこの村に隠居してすぐに弟子入りした魔法使いである。
だがその才能はソボロン以上で、生まれつき『魔力無限』と『全属性魔法の才能』といえ能力を持っているため王国からはソボロンと同じ大魔術師の称号を貰っている。
ちなみにジンとは両想い。
この物語はそんな二人が笑いあり、涙ありのスラップスティックな冒険の果てに仲間を増やして魔王を倒すまでの物語である。
はじめましてヨイヤサ・リングマスターと申します。初めて書くので至らぬ点もありますがよろしくお願いします。