第24話:愛しの彼女が振り向いた
最近日本一ソフトウェアの「ラ・ピュセル ラグナロック」を再びプレイしましたがやはり面白い!ちょっと影響受けたかもしれません。というか受けると思います。
どうにかこうにかジンは故郷のナーカ村に到着した。展開がいきなりですが疑問に思うなかれ。悪の組織『風呂チャイム』を壊滅させたあとは特に問題なく進んだからなのだ。
というわけで『ジン・コーシュの冒険』ラストバトル。スタートにょろ♪
「なんだかんだで長かったな。それでもひと月で魔王を倒して、おまけに子どもまで作って凱旋って割とハイペースなのかもな」
「連絡せずに帰るから村の人達も驚くんじゃないかしら。私もついにジンとの間に子どもを授かったし♪何も知らせてないものね」
そう。まだタイツァーとリースしか知らないがヒナのお腹には新しい命が宿っていたのだ。
「あれが二人の故郷だな。某はダーイチ王国には初めて訪れるから楽しみだ。食べ物が美味しいと聞く」
「私は孤児ですから故郷があるのは羨ましいですね。ところでジン様とヒナ様は結婚式を挙げたのですか?」
「いや、俺らは旅から帰ってから式を挙げる予定だったんだ。準備とかもばあちゃんに任せっきりだし」
そして村に到着。
驚かせようと内緒で帰ってきたのに村人総出で迎えられた。
「おお、やっと帰ったかジン。そしてヒナちゃんに新たな仲間のタイツァー君とリースちゃんじゃったのう」
まず最初に出て来たのはソボロンだった。両親を知らずに育ったジンにとっては親も同然の大切な存在。
「おう、魔王を倒してヒナとの間に子どもも出来たぜ!ていうか、順風満帆?」
「ソボロン師匠ただいま帰りました」
「ふぇっふぇっふぇっ。子どもが出来たのは知らなかったのう。まあ家にお入り。タイツァー君とリースちゃんもいらっしゃい」
そうしてソボロンの家に案内される。ジンにとっては慣れ親しんだ家だが勇者としての使命を果たしたあとに見る家は感慨深いものがあった。
その後はナーカ村の伝統となりつつあるドンチャン騒ぎが続き、今度は本当に種も仕掛けもない箱に入って剣を突き刺す手品を披露する村人が辺り一面を血の海にしていたりと、いつも通りの光景が繰り広げられる。
「さてジン。子どもの名前は考えてあるのか?」
「俺の子どもなんだし名前はジーンとかでいいんじゃねえの?」
「さすがはジンね。全宇宙が震撼する偉大な名前だわ」
ジンとヒナはいつも通りでこのラブラブ空間をいつも間近で見ていたタイツァーとリースにも影響が出るのは自然な流れだろう。
「ねえタイツァー様。私もそろそろ結婚適齢期なんですよ」
「某もジン殿の旅に同行するために仕事を休んでるしこの後にでも国に戻るかな」
「……私がいま何を考えているかお分かりですか?」
「だから某と一緒にニカンド帝国に来ないか?某はこないだから君に惚れたんだ」
タイツァーもリースもお互いに惹かれあっていた。そしてそれに気づいていた。となればこうなれば展開は加速していき。
「某は死にません。あなたが好きだから!だからリース殿。いやリース!某と結婚してくれ!」
「勿論ですわ♪ただ、私より一日でもいいから長生きしてくださいね」
タイツァーもリースも前回の話ぐらいから想っていた気持ちをさらけ出し、めでたく夫婦となった。新たな夫婦の門出はジンやヒナは勿論。ナーカ村の村人全員に祝福されて向かえられた。
……と、これで終わればまさにハッピーエンドだったのだが敵というのはいつでもどこでも襲ってくるのだった。
シャキキキキン
そんな鋭い音が鳴り。壁を切り裂いて破壊し、現れたのはフードで顔を隠した謎の人物。ジンは武器を構え警戒する。
「みんな、戦闘だぜ!」
やはりこんな場面でも戦闘狂のジンは楽しげに仲間に敵の存在を知らせる。
だが、隣にいたはずのヒナとタイツァーの横にいたリースが消えていた。
「ヒナ!リース!どこにいったんだ!」
「ジン殿落ち着くのだ!敵を前にして焦るな!」
だがそう言うタイツァーにも焦りが感じられる。
「慌てなくても大丈夫ですよ。ジンさんとタイツァーさん。
ただの転移魔法で飛ばしただけです。僕は超魔王様の部下。魔族六将軍の一人ハバイン・スリー。ヒナさんとリースさんを返して欲しければ私の主の城に来るのですね。フフフフフ……」
ハバインと名乗る男ば空中に浮かび上がりそのまま消えていく。
「くそっ!待ちやがれ……ヒナ!ヒナァァァァァー!」
ジンは空に向かって叫ぶがもうハバインは消えていた。
「畜生!俺のせいだ。俺がもっと危機感を持って超魔王をさっさと倒しておけば……」
「ジン殿。そんなに自分を責めるな。連れ去ったという事は殺すつもりはないはずだ。いまから超魔王を倒しても遅くはないはずだ」
ジンとタイツァーは着の身着のままで飛び出そうとしたがソボロンに止められた。
「ジン。本当に超魔王に挑むのか?」
「ああ、ヒナは俺の全てだ」
「某もリースがいない生活など考えれないな」
「そうか……ならば話そうジン。超魔王イヴ・クイックはお前の母じゃ」
「俺の母さんは超魔王なのか?てことは俺は魔王と超魔王の息子なのかよ」
「ああ、そうじゃ。奴は結婚と出産を体験したいというだけの理由でダパディと結婚し、生まれたばかりのジンをわしに預けて出ていった女じゃ。お前の母は北の大地ユイツの森の奥の城に住んどるそうじゃ」
「場所さえ分かればあとはいらんな。ジン殿。さっさと超魔王を倒しに行くぞ」
「そうだな。たとえ俺の母さんでも会ったこともねえんだ。ヒナやリースよりも大切なものなんてねーしな」
そのまま家を飛び出すジンとタイツァー。二人の背後からソボロンが最後の言葉を掛ける。
「超魔王イヴには六人の最強の将軍と個人的に雇った兵士が10億人いるそうじゃ。気をつけるんじゃぞー」
さっきまでの晴天が嘘のように天気は嵐となっていた。これから起こる出来事を暗示しているかのように……
ここからは一気に突っ走りたいので出来れば最終回まで毎日更新が出来れば、と思っています。納得いいく文章に仕上がらなければ間を空けますが。
一応明るいギャグでいきたいと思ってはいますので少しだけ安心して読んでください。最後は絶対にハッピーエンドにします。最後は!