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第21話:砂漠の街の魔物使い

 そういえばジンは主人公で勇者なのに中二っぽい二つ名とか異名をつけてなかった……。

 ライバルのバスラにつけたのにジンにつけ忘れるなんて。

 とりあえず更新したい病が出ちゃいましたので更新しちゃいますw

 さてさてずいぶんと久しぶりですが、漸くこの物語の主人公、ジン・コーシュの出番となります。

説明いたしますとジン達一行は魔王ダパディをサライ神聖国で倒したあと観光をしながらジンとヒナの故郷のナーカ村に帰る途中からの始まりとなります。

ではシーズン3のスタートです。お楽しみください♪









「遅いわよジン」


「わりーわりー。さっきの海岸にあった海の家での店番はかなり早く終わったんだが、代わりに来た人が高級食材のラギアクトゥルフを捕まえてきてたから、料理に熱中してたんだよ」

 現在魔王ダパディを倒してから3日後。一行はニカンド帝国領の外れまできていた。ただしジンがまた気まぐれを起こして来た時とは別のルートを通っての凱旋旅行中だ。


「そういえばジン殿は料理好きでしたね。リース殿は料理をするのですか?」



「私が料理?はっ、んな訳ないでしょ。私のもう一つの能力『暗黒物質ダークマター』は別名ポイズンクッキングと言われるほど毒性が強いこの世に存在しない毒を生み出すのに人が食べることなんて無理に決まっていますわ」


 その様子から察するに、リースは昔誰かに食べさせたことがあるのだろう。その人も生きていればいいのだが……



「おっ、次の村が見えて……というかデケェな。ありゃ街か?」 その街は巨大な石壁で囲まれた街で側にはこれまた巨大な搭が建っていた。その様は辺境の、それも砂漠の真ん中とは思えないほど発展した立派な造りだった。



「ようこそ。砂漠の街モンスパイアへ。おっと、これは『流浪の勇者』ジン・コーシュさんとそのお仲間さんでしたか、これはちょうどいい」 

 

 街の入り口にいた門番が元気よく話しかけてきた。



「『流浪の勇者』ってのは初めて聞く呼び名だな。まあそれはともかく、ちょうどいいってどういうことだ?」

 


 魔王を倒してから現在に至るまでの間に通り過ぎた村や森などで魔物や山賊を退治し、その様子をたまに地上に降りてくる天使が水晶玉を使って世界各地にその活躍を配信していたため、ジン達の知名度はさらに上昇していたのだった。



「いやなに、この街で魔物使いをしているコウって奴が今日で15歳になってな。すぐ側にそびえ立つ『魔物の搭』に登るらしいから手伝ってほしいんだ。

あいつは無茶ばかりするから心配なんだよ。家はその道を真っ直ぐ行けば左手側にボロ屋があるから行ってみてくれ」


 有無を言わさず門番に言われ、特に断る理由もないのでジンは言われた家を探しながら歩き出す。



「ちぇりおー!」 久しぶりのヒナの跳び蹴りがジンに炸裂した。



「ふんぬらばー!」 だがジンも伊達に蹴られ慣れてないらしくヒナの蹴りを受けきり、その体を抱き寄せて耳元で囁く。



「……どうしたんだよヒナ。人助けなんて勇者らしくてかっこいいし話を聞くくらいいいじゃねえか」



「ジンが勇者なのも人助けが趣味なのも分かるけど「私に構ってくれないから寂しいじゃない!と言いたいのでしょう?」……リース……あんたねえ、人のセリフを取るんじゃないわよ!」


 シーズン2では大魔王が活躍していたために久しぶりの出番だというのにジンとイチャイチャできないから会話するきっかけとして蹴ったが、それは恥ずかしいので誤魔化そうという作戦だったのだ。

が、リースにめちゃくちゃにされてしまったので恥ずかしいやら悔しいやらでヒナの顔は茹で蛸のように真っ赤になっていた。



「フフ、私はただジン様とヒナ様が仲良くイチャイチャしているのを笑いを堪えながら見ていたかっただけなのに、そんなに怒るなんて心外ですわ」


 なんともリースらしい。というか、リースは登場回数がべらぼうに少ないメインキャラなので性格は特に決まっていなかったりするのだ。なので突然ではあるがキャラ設定を今ならいじり放題とも言える。



「まあまあ、ヒナ殿も冷静になって。リース殿は元からこんな性格だったじゃないですか……多分」


「そうだぜヒナ。結局のところ俺とヒナは両想いなんだからいいじゃねえか」



「……まあいいわ。じゃあそのコウってやつに会いに行きましょ」 それから普通に探したら見つかったのでドアを叩いた。


ガチャ

 出てきたのは小さな女の子だった。


「まものずかん、見ゆー?」 この舌っ足らずな感じに一番に反応したのはタイツァーだった。



「見ゆぞ!」



「……おいタイツァー。お前もしかしてロリ?」


「い、いやジン殿!某は決してロリではない。この子がかわいいのは認めるがこの子の将来性に期待しているだけであって、えっとその……」


「そういえば真のロリコンは決して自身をロリコンとは認めないみたいよ。何故なら彼らはあどけない少女を既に立派な大人の女性として認めてるからだそうよ」


「ひどいですタイツァー様。全ての元凶です!」


ヒナとリースも要するに遠まわしに死ねと言ってるのだろう。だがタイツァーにとって幸運にもこの話は中断された。




隣の部屋から声が聞こえてきた。



「いつまで寝てんだー!」


ポカッ


「太陽はもうすぐ真上だぜ。それに今日はあんたの十五才の誕生日。この村での成人の日だろ!」


 ずいぶんとぶっきらぼうな言い方の女性の声が聞こえる。



「ん?お客さんか。あたしはニコ・コバコ、コウに用があるなら隣の部屋にいるよ」

 ニコと名乗った少女はそのまま家から出ていった。


「ずいぶんと過激な家みたいだな」



「あの子からは甘酸っぱいラブ臭がしたわ。きっとコウってのが大好きなのね」 そうしている内にこの家の家主の少年が出てきた。



「あーはじめまして、オレはコウ・タカギっていいます。もしかして街の門番さんに言われて来てくれたんですか?」

 少年コウはジンと同じ赤毛だがタラコクチビルでチビという冴えない容姿だった。



「ああ、なんか危険な搭に登るんだろ?俺達は観光も兼ねた旅の途中だし、一緒にどうだ」


「もちろん大歓迎ですよ。オレの親父はあの搭で死んだからその詳細が知りたいんだ。母さんもそのすぐあとに死んじまったし」


 こうしてコウと一緒に搭に入ることになったのだが……





「俺的必殺・問答無用拳」 「ばたんきゅ~」


「サンダーストーム」 「ほえほえ~」


「冥王無明返し」 「ぬらべっちゃ」


「超時空銀河波動砲」 「そんな馬鹿な~」



 上からジン、ヒナ、タイツァー、リースの必殺技。

 この搭ではレベル9999の4人に勝てる魔物はいないようだ。1億ダメージの攻撃が連続で決まっていく。



「あの~、オレがメインで戦うんじゃないんですか?一応この街での重要キャラなんですけど」

 だがレベル1で魔物使いなのに魔物を持っていないコウはぶっちゃけ役立たずなので先ほどから一切戦ってないのだ。



「そんなことは知らねえぜ。要するに親父さんの死の真相が知りたいならこのまま任せておけよ」


「うむ、某はコウ殿の男気に感服した。戦闘は任せるのだ」

 というのは勿論嘘で、単に戦闘がしたいからという理由で暴れていた。



「ジンは戦闘狂だから諦めなさい。すぐに最上階まで連れて行ってあげるから」


「私も血を見ると興奮するの♪」 ヒナとリースも戦闘狂になってきているが、今まで戦ったことのないコウには直視する事も出来ないほど凄惨な光景が繰り広げられる。 搭に入る時に小さいドラゴン?のような魔物が話しかけてきたがジンの必殺技、飛翔爆炎脚でこんがり焼かれたあと美味しくいただいたりとなかなかに面白い搭にジンは高揚感を感じていた。


 そして二階でキザな男が喧嘩を売ってきたが、あっさり撃破し、その後は特に問題なく搭の最上階に着いた。


続く。







 お気づきの人もいるかと思いますが、今回の話のテーマは「アザーライフアザードリームス」です。

 コウの母親が死んでいるのは名前がリースだったので、ジンの仲間のリースと被っちゃうから出しませんでしたw

 そして長くなったので続きは明後日にでも♪

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