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第18話:もとの濁りの沼恋しき

 結局次回作は「デモンズソウル」に決定しました。

 主人公視点の一人称で登場人物のセリフも原作に忠実にして懐かしむための作品を考えています。ストーリーはあって無いようなものなので、フロム脳爆発になりそうですし、かぼたんを幸せにする話を考えています。

 トマスも心配していますし、主人公がかぼたんを幸せにしても問題ないでしょう。そうなると古の獣は主人公が倒しちゃうことになりますが。

 ウル火山での激闘を終えたヒイロ達一行は次の6つ目の宝石を求めてロクポンガの沼という一般人の立ち入りを禁止されている危険な沼を訪れていた。




「ある~日♪ 森の~中♪ 熊さ~んを♪ 殴った~♪」


「ヒイロ様ノリノリですね」


「佃煮のことかや?」



 暗くじめじめとした薄気味悪い沼地にいれば普通は気が滅入るものだがそんな常識もヒイロ達にはなんのその。



「あと2つでこの旅も終わってしまうとは寂しいもんじゃのう。

 ……あれはまだわっちが魔王軍に入ったばかりの「ヒイロ様、総集編みたいな事をしようとしてますがそうはさせませんよ」ちっ、まあよい。

 レーダーはこの辺りを示しておるんじゃし、手分けして探すとするかのう」



 そう言って3人が別れて探そうとしたところで笛の音が聞こえてきた。


 笛の音に誘われてみれば沼の上でオカリナを吹く男がいた。



「やあやあやあ、遠からん者は音に聞け。

 近くば寄って目にも見よ。

 わっちは大魔王のヒイロ・ホロホロ。

 そこの青年よ、素晴らしい演奏をありがとう」



 いい演奏を聴いたからかヒイロはえらくテンションが高い。



「あ、僕はヒイロ様の部下のメレルで、こいつがシオリですわ」


「誰がやねん。

 俺はガルスじゃボケェ」



 漫才じみた挨拶も男にはウケたようだ。



「はじめまして。私はハイラノレ族の戦士、『闇の皇子』リン・クーフーです。

 竜操傭兵団の団長をしています」



 リンと名乗った男の服装は布製の緑の服と緑の帽子、くわえタバコにサングラスという出で立ちで槍と銃を二丁装備していた。そして傭兵団の団長というのも肯ける強さがその目にはあった。



「皆さんは旅の方ですか? ここは危険地域ですし魔物に襲われないうちに早く出た方がいいですよ」


「それでもカクカクシカジカで世界を救うためにはここにあるはずの宝石が必要なんじゃ」


「なるほど、たぶんその宝石なら私の住む村にありますよ。

 村はすぐ近くですし良ければ一緒に来ませんか?」



 断る理由もないのでヒイロ達はそのままリンに付いていくことにした。


 するとそこには小さな村があった。



「ようリン。今夜のサッカー大会はみんなお前にかかってるぜ」


「リンさん、そっちはお客さんかい?竜操傭兵団の村にようこそ」



 村に入ると村人達が次々とリンやヒイロ達に挨拶してくる。



「ぬしはかなりの人気者のようじゃのう」


「一応この村のリーダーですからね。で、ヒイロさん達が探しているのはあの宝石ですか?」


 

 リンが指差す先にはトロフィーにはめ込まれてはいたが紛れもなく7つの宝石の内の1つだった。



「しかしあの宝石はまだあげる事は出来ません。

 今夜行われる竜操傭兵団と隣の村を拠点とするグリフォン操傭兵団とのサッカー勝負で勝った方があのトロフィーを手にするのですが、今夜の試合が終わるまで待ってもらえますか?

 うちが勝ったら譲りますので」


「ふむ、そういう事か。

 なに、わっちの方がお願いするのだから構わんよ」


「しかしそれはリンさんのチームが勝ったらなんですし、負けた時はどうするんですか?」


「その時は相手チームに頼るしかないだろう」

 


 という訳でその夜サッカーの試合が始まろうとしていた。


 ヒイロ達も選手控え室で激励を兼ねてロクポンガ沼名物、沼芋を食べていた。



「しかし遅いなもうすぐ始まるっていうのに」


 試合開始の10分前だと言うのに選手が集まらないのだ。


 だがその時、



バァン



 勢いよく控え室の戸が開かれえらそうな髭男が入ってきた。



「どうしたんだリン。メンバーが揃ってないようだが」


「誰かと思えばグリフォン操傭兵団団長のワノレドか何か用事か?」


「いやなにこのままだとこちらの不戦勝だと思ってな」



 ワノレドという男はニヤニヤと癇に障る笑みを浮かべる。



「まだ来てないだけでうちのメンバーはちゃんと来るさ」


「ふん、どうだかな」



 その時控え室の戸がまた開かれた。



「リン団長! 試合に参加予定だったレシル、ロナ、グレインの3人が石になっているのが発見されました!」



 リンの仲間の一人が息を切らしながら言う。



「何ぃ!?」


「残念だったなリン。今夜の勝負はこちらの勝ちだ。ふはははは」


「ワノレド! 貴様がやったのかー!」


「なあに~? 聞こえんなあ~」



 にらみ合う二人は今にも殴り合いに発展しそうだった。



「やめい!」



 そこで今の今まで静観聞いていたヒイロが立ち上がって言った。



「ワノレドと言ったな。

 こんな卑怯な方法を考えるくらいじゃから証拠なんぞ残しておるまい。

 しかしそちらの不戦勝にはならぬ。

 何故ならわっちらが代わりに出るからじゃ」




 いつもながらヒイロらしい展開だった。



「ヒイロ様、俺もムカついてっから本気で潰しにいきますよ」


「僕も賛成の反対の反対です。

 あんた、ワノレドって言ったな。てめぇに明日を生きる資格はねえ!」



 ヒイロの影響を最も強く受けているガルスとメレルもこの卑怯なことをする敵に腹を立てていた。



「面白い。素人が傭兵サッカーに出たところで怪我してもしらんからな!」



 そう言ってワノレドは控え室をあとにした。


「ヒイロさん、この傭兵サッカーは反則が一切ないサッカーなんですよ。

 死人だって出るのになんで会って間もないヒイロさん達がそんなにしてくれるんですか!?」



 その質問にヒイロは笑って



「別に死ぬ気はない。

 ただのぅ、わっちはここで何もせんかったら死ぬんじゃよ。ここで動かにゃ魂が折れちまうんじゃ」


「「同じく!」」


「全くあなた達は。じゃあよろしくお願いします。

 死なないでくださいよ」

 


 リンの口調は諦めも混じっていたが、それと同時にヒイロ達に対する感謝の気持ちも感じられた。


 そして時間は訪れ、試合は開始された。



「ふはははは! 僕が率いるグリフォン操傭兵団の勝ちは揺るがないぞ」



 フィールドに出ると相手チームのベンチでワノレドが高笑いしていた。



「いいですかヒイロさん。

 この傭兵サッカーは観客の妨害行為の禁止とゴールにシュートを入れた数で勝敗が決まる。

 この2つしかルールはありませんから気をつけてくださいよ」


「わっちが本気を出せばワノレドなんぞちょちょいのちょいじゃ♪」


「僕も今夜はリミッター解除ですから」


「俺は必殺、『半キャラずらし』を使えばノーダメでシュートを決めまくれるさ」



 いつになく熱い3人。


 そして試合開始。


 審判はルールがルールなだけに存在しておらず、合図の笛を鳴らしたのは機械である。



「必殺、少林シュート!」



 一気にボールに近づいたヒイロの駿足シュートは敵チームのメンバーを吹き飛ばして相手ゴールに入っていった。


「あんた代理参加なのに強すぎだろ!」



 ワノレドは最初はヒイロ達をただの観光客だと思っていたようだが、ここまで反則的な身体能力を持っているなどとは少しも考えつかなかったのだ。


「なあに~? 聞こえんなあ~♪」



 してやったりとニヤニヤと笑うヒイロ。


「ガルス、メレル。敵さんには挑戦しようとするのも馬鹿馬鹿しいと思わせてやれ。

 わっちとリンがシュートを決めるから二人は敵を蹴散らせ!」


「「サーイエッサー」」


「ひい~」



 この事態に慌てたのはワノレドだった。持つ者に勇気と知恵と力を授けるトロフィーを手に入れてライバルの竜操傭兵団と差をつけようとした結果がこんな風になるとは。


「いまじゃリン。敵はワノレド以外は気絶させた。最後のシュートを決めるのじゃ!」


「はい」



 リンはたった一人でゴールキーパーをするワノレドに向かって走った。



「ボールは友達アミーゴ。石にされた仲間の恨みを思い知れ!」



 リンが最後に放ったシュートは光の速さで飛んでいき、ワノレドを弾き飛ばしながらゴールネットを突き破り空の彼方へと消えていった。



悪夢ユメは見れたかよ」



 そして試合終了のホイッスルがなった。


「ヒイロさん。ガルスさん。メレルさん。ありがとうございました」


「気にするでない。わっちらが望んで参加しただけじゃ」


「ところでワノレドはどこまで飛んでいったんでしょう?」


「俺の視力では宇宙空間に出たところまでしか目で追えなかったな。」

 ガルスは目がいいのだ。


「では約束の宝石です。それとこれから宴ですから良かったら参加していってください」



 リンから宝石を受け取り残る宝石はこれであと1つ。はてさてどうなることやら♪








おまけ



「「変形合体」」


ガシャーン、ガッキーン


「完了。不備無し」



 宴の席で隠し芸としてガルスとメレルは変形合体を披露して最強戦士オルラーディンとなった。



「こりゃ、オルラーディン。前に変形した時は失敗したくせに宴会芸で成功するでない」



 先ほどからリンと飲み比べをしているヒイロはだいぶ酔っていた。



「蝶のように舞い、蝶のように刺す」


「蝶はさしませんよ。それを言うなら蝶のように舞い、ゴキブリのように逃げるでしょう」



 リンもだいぶ酔っているようだ。



「失礼。噛みました。ですが、オルラーディンの固有スキルで石化した人をもとに戻す『オルラーディンの針』という技があるのですよ」


 そう言ってオルラーディンは、壁際に置いてあった石化したグレイン、レシル、ロナの石像に指を針に見立てて突き刺した。


ガラガラガラ


グレインはバラバラになった。



「ん!?間違ったかな……w」


「何をやっちょるかー♪」


「ちょっ、おまっ、失敗してるしw」


みんな酔っているため笑って済ませている。


「ええい、わっちに任せるのじゃ。ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪」



 石になっていた3人は元に戻った。


「……ヒイロ様、グレインさんはバラバラの状態で戻ってますよw」


 そしてその場にいた全員で体を治した結果とんでもない化け物になってしまったのは別の話♪

 ヒイロ編もあと少しで終わりです。シーズン3はほとんど超魔王とのバトルになっちゃうので間に入る小話を考え中です。

 それとデモンズソウルですが、次回作のためにキャラのセリフをメモ取りながらプレイしているのでトロフィーコンプは今週中には無理そうです。

 他にも「うたわれるもの」や「魔界戦記ディスガイア」や「アザーライフアザードリームス」といった候補はありましたが、やはり神ゲーのデモンズソウルを書きたいのです!

 私はドSですのでああいった難しいゲームをクリアすると「これほど強い敵が(難しいステージが)私に勝てずにやられておるわ♪」という愉悦に浸る楽しみ方をしていますので決してマゾではありません。

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