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第17話:憎しみは爆発だー!

とりあえずデモンズソウル一周達成記念で更新。ようやくずっと愛用していた祝福クレイモアが完成♪やはり機動戦士アンバサはバランスがいい。

次の更新は来月です。でも更新したくなる病はまだ少しあるんですよね。


 トッポケト山脈でムスカバルスを討伐したヒイロ達はヒラの村で歓迎され、そのあと一週間も滞在してようやく次の宝石を目指して泣く泣く村を出たのだった。



「ヒラちゃんと別れるのは寂しいのう」


「そうですね~。たしかにヒイロ様は美しいし、大好きですが、ヒラちゃんみたいな可愛い系には是非とも仲間に入って欲しかったな~」

 ヒイロとメレルはヒラや村の人達との別れがよほど辛かったのだろう。先ほどから同じことを繰り返している。


「ヒイロ様もメレルも元気出してください。次の目的地にも可愛い子がいるかもしれないじゃないですか」


「絶対か?絶対じゃな!?嘘だったら承知せんぞ!」

 ガルスは軽く言ったが次の宝石が誰かに拾われて、その拾った人が可愛い確率など低いだろう。


「……」 今更ながらに余計な事を言ったと後悔するガルスであった……


そんなこんなで次の宝石のあるウル火山に到着した。


「うむ、ここが次の宝石があるというウル火山か。なかなかに暑いのう」

 この暑さでは氷使いのヒイロには闘いにくい環境だろう。ガルスとメレルは心の中でヒイロを守ることを改めて誓った。


「あ、ヒイロ様!あそこにポップコーンが沢山ありますよ」

 しばらく適当に歩いていたら目の前にポップコーンが一面に広がる光景が映ったのだ。


「ここの火山はポップコーンでも噴火するのか。まぁわっちも腹が減っておるし、いただくとしよう」 そしてポップコーンを食べ始めたのだが


「う、うまい。一気に食べてしまった……」


「確かにこれはすごいですね。フルコースの前菜にピッタリな食欲増進効果がありますね」


「僕としたことが全部食べ終えてからこの美味さに気づくなんて……」

 3人は辺り一面に広がっていたポップコーンを全て平らげてしまったのだ。


「さて、一応腹も膨れたし宝石探しでも「てめぇらの血は何色だぁぁぁー!」……なんじゃ?」


声のした方を見れば岩の上にデカい男がいた。


「オレが苦労して作ったポップコーンを勝手に食ってんじゃねーよ!」 男は烈火のごとく怒り狂い、ヒイロ達を睨む。


「すまぬ、腹が減っていたのでな。まあよく言うじゃろ。『パンが無ければお菓子を献上すればいい』と」


「ちょっとヒイロ様。それは逆効果ですよ」

 ガルスがそっと耳打ちしてくるが。


「I’m angry!(ようするにてめぇら死にてえんだな)」

 やはりバトルになりそうだった。



「……そういえばガルスよ。次の目的地でも可愛い子がいると言ったのに出てきたのはデカくて暑苦しい男ではないか」


「そういやガルスそんな事言ってたよね~」

 今度はヒイロ達が怒りの炎を燃え上がらせる。


「あいつが宝石を持っているとは限りません!きっと今に可愛い子が出てくるはずです!」 ガルスは必死で言い訳を考えるが


「宝石ってこれか?」

 男が出したのは間違いなく本物の宝石だった。


「空中回転アターック!」

 ヒイロの命中重視技Bが発動。ガルスはマグマの中に落ちた。


「やれやれだぜ。まさかこのオレを相手にして自ら戦力を減らすような真似をするとは」


「どうせ何を言ってもバトルじゃろ。さっさとかかって来んかい!」


「いいぜ、オレは美食家のコトリ。オレを相手に闘って生き残った奴はこれまで誰もいねえ。最強の男だ!食らえ必殺、フライング手刀」 コトリの手刀がカマイタチのように離れた位置にいるヒイロ達に襲いかかる。


「フライング貫手ぇー!」

 ヒイロは氷の盾を作り、防御するがコトリは攻撃の手を緩めない。


「もらったー!10連くぎゅパンチ」 遠距離攻撃に集中している間に近づいていたコトリの必殺技が炸裂する。これにはさすがにヒイロの氷の盾も砕け散るが……

「ぐはぁ!」

 突如火山が噴火し、飛んできた火山岩にコトリは吹き飛ばされ、マグマの中に落ちた。

コトリ死亡。



そしてその様子を炎の翼を持つ可愛らしい少女が見つめていた。


「トオル、あれが今回のターゲットでしょ?」


「うむ、依頼人から見せてもらった写真と同じ人物のようだ」

 二つ目の低い男の声は少女の首にさげているペンダントから聞こえてきた。


「ヒイロ様、あいつらは人間以外の種族を殺しまわってる最強の殺し屋、炎髪灼眼の業火ですよ!……でも可愛いにゃ~♪」

「確かに可愛いな。『かわいい娘に会える』というガルスの勘も満更ハズレではなかったようじゃの」 先ほどはついマグマに突き落としてしまったがガルスなら問題なく生還するだろうと思い、ヒイロは目の前の少女に集中する。


「ったく、魔族ってのは辺境にいればいいのに人間様の生活に関わるなんて許せないわよね。トオル」


「我はナシャと全世界の太めの男子のためにしか動かんからいつもの様にすればいいだろう」 どうやらお約束の問答無用バトル展開になりそうだ。


「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、始末屋ナシャ・イビルパちゃんなのだ」


「同じく始末屋トオルくん見参」

 その自己紹介と同時に彼女の背後でカラフルな爆発が起きる。


「亜人は全て殺す!殺して殺して殺して殺し尽くすしかないのよ!」

 このナシャという少女は随分と亜人を憎んでいるようだ。だがヒイロにも殺されてあげるという選択肢が無い以上、ここで死んでやる訳にはいかないのだ。


「メレル……ここはわっちの愛であの少女を救おうと思う。手を出さんでくれ」


「アイアイヨー! 」

ヒイロは確かに殺される訳にはいかないがこの可愛らしい少女に殺し屋なんかをやらせたくはなかったのだ。


「ふんっ、今更命乞いしても遅いんだからね。食らえ、ファイアーボール」

 ナシャの作戦ではまずファイアーボールを放ち、相手が避けたところに大技を仕掛けるというものだった。だがヒイロは避けなかった。


「何やってんのよアンタ……。バッカじゃないの、死ぬ気!?」


「わっちは死ぬ気はない。だがぬしを愛そう。亜人が嫌いならその憎しみも消してやろう。だからわっちに愛されろ」

 ヒイロは魔王軍にいた頃、ダパディと違って特に何かをしていた訳ではないが、城にいた全ての者から愛されていたのだ。そう愛するが故に愛されていたのだ。

ナシャにも辛い過去があるのだろう。だからこそヒイロはナシャの攻撃を避けずに受け止めることにした。

もちろんメレルはヒイロがヒイロであるためにする行いを止める気はない。


「なら死んじまえ!私の最大出力の炎魔法、ツェデック!」 ナシャの炎魔法は周囲の光を全て吸収してしまうほどの、深く、黒い炎に包まれた龍を作り出し、ヒイロは黒炎に飲み込まれた。


「はあっ、はあっ。どう、この炎はどんな聖者でも英雄でも、魔王であっても焼き尽くす魔法よ」

 だが炎が消えたあとには平然と立っているヒイロの姿があった。


「ぬし、いま魔王でさえと言ったがわっちは大魔王じゃ。ヌルすぎるのう」

 そうしてゆっくりとナシャに近づき


「大丈夫じゃ。わっちが愛すると言ったら絶対に愛してやる。だからわっちの妹になるのじゃ」

 

「嘘……私なんかが愛される訳ない。でもいいのかなあ……私なんかが幸せになっても」


 そうしてナシャはヒイロの優しさに触れて一人の少女としての幸せの扉を開けたのだった。






「ぶるぁぁぁぁ!」 ちょうどそこでガルスが溶岩の中から出てきた。


「やあガルス、元気いいねえ。何かいいことでもあったのかい?」

 ニヤニヤしながらメレルがガルスをからかう。


「ちなみにヒイロ様なら新しく可愛い少女を落としたところだよ」

 メレルの視線の先には、ヒイロの膝に座って甘える少女の姿が

「……まあ、いつものことか」 ガルスもすっかり慣れてしまっていた。


「おお、ガルスか。わっちの愛でまた可愛らしい少女を落としたぞ。新しい妹じゃ」


「はじめまして。ナシャ・イビルパと申します」

 

「俺はガルスだ。よろしくな。そしてヒイロ様、溶岩に落とされたあとにあのコトリって大男が落ちてきて骨も残さず燃え尽きたから宝石は回収しておきましたよ」

 ちなみにガルスはメレルが不凍液を体から出せるように、不燃液を出せるので溶岩の中でも平気だったのだ。

 残る宝石はあと2つ。そして今回は亜人嫌いの少女の心も救い、旅は順調に進むのだった。







おまけ


血!血!血!その者の声を聞くところ全て血の色で染まる。残忍、凶暴、悪辣、卑怯、あらゆる悪の形容が全て当てはまる女ヒイロ・ホロホロ。

血の滴る音の中を生き、血の叫びの中で微笑む。今までの死者はゼロ。しかし行方不明者は多数……


ナシャ「……という話を聞いたから私はヒイロさんを退治しに来たんですよ」


ヒイロ「なんじゃそりゃ~!全部嘘っぱちではないか!」


ナシャ「ですよね。じゃあ私はこれからヒイロさんを殺すように依頼した人達をパチンとしてくるから」


ヒイロ「うむ、気をつけるのじゃぞ」


ナシャ「私わかったんだ。亜人にだっていい人がいることに。だからヒイロさんと知り合えて本当に良かったよ。またね♪」


そうしてナシャはヒイロ達と別れた。帰る場所が出来た喜びを胸に抱いて。

火山でのバトルも出したかったのでこうなりました。

次はちょいと変化をつけます。


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