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番外編2:君を見てるといつもハートバクバク!元気ガンガン!

一人称を書いてみたくなったので今回は一人称で書いてみした。

 やはり三人称の方が好みかな。

 魔王ダパディの死後、魔王軍は自然消滅した。


 一応形として大魔王と超魔王が存在するが、勇者ジンですらダパディ本人から聞いた初めて知ったくらいなので世間一般は勿論、魔王軍の中でさえ大魔王と超魔王の存在を知るのはごく少数のため、結果的に組織として成り立たなくなったのだ。


 そして職業無職となった魔王忍軍十二頭領のスノゥ・ツンデ・レーラと魔王軍四天王のラムはコンビでアイドルデビューしたところ、一躍トップアイドルとなった。


 今回はその二人の休暇中に起きた出来事について語ろう。





「ちょっとそこの雄豚。

 早く鞄を持ってきなさい。

 ってラムは怒鳴ってみたり」



「てめぇ、に命令される覚えはねえぞ雌豚」



 本当にこの二人は素直じゃないわね。


 ヤッホー、アタイは今回の語り部役の元魔王忍軍十二頭領のスノゥ・ツンデ・レーラ。いまはアイドルとしてコンビを組んでる元魔王軍四天王のラムと、同じく元魔王軍四天王でマネージャーのショーンの三人でファンからプレゼントされたメラナットト島っていう無人島に休暇でやってきたの。


 ……そしてアタイは二人を覗き見中♪



「勇者の仲間にミンチにされたのを外科手術に見せかけて生き返らせてあげたのに感謝が足りないんじゃないの」



「だれも生き返らせてくれ、なんて頼んでないだろ」 あらあらショーンったら照れちゃって、カワイイ♪



「ラムだって好きで助けたんじゃないからね!」



 こっちも赤くなっちゃってる♪



「それよりスノゥの奴は何処行ったんだよ。

 まだテント張り終えてねえってのによ」



「スノゥちゃんは島の探索に行ったわ。

 なんでもこの島には伝説の剣があるって言ってたし」



 ごめんラム、いまアタイは二人の後ろで覗き見してるの。


 具体的にはダンボールに隠れて。



「じゃあ僕がテントを張るから夕食の準備しといてくれ」



「晩御飯作るのは一人じゃ大変だからショーンも一緒に手伝ってよね」



 これはラムの照れ隠しね。まったくもう、食べちゃいたいくらい可愛いわね。


 ……食べちゃおうかしら。


 

 すると砂浜の方から歩いてくる人影が見えた。



「あ、ここ無人島なのにあそこに人がいるよ。

 きっとラムのファンに違いないわ。休暇中にまで追ってくる人がいるなんて」



 確かに人影がこっちに近づいてくるけどせっかくのラムとショーンのラブシーンが見れると思ったのに残念。


 今回は普通のバカンスだけで終わりそうね。



「へい彼女、僕ちんとお茶しない」 たしかあの男はコンサート会場なんかでよく見かけたわね。


「なに調子に乗ってんだよ三下がぁ」 さすがはショーン、さり気なくラムを庇うように立ちはだかるなんてカッコイいわね。


「なんだね君は、僕ちんとラムちゃんは前世からの付き合いなんだ。

 さあラムちゃん、僕ちんと一緒に来るんだ」



「イヤ、離して!」 ムキー、あの男一体何なのよ!二人の邪魔しちゃってー。



「てめぇ、僕のラムから手を離せ!」 


「ぴれちんぽんちょれぴん」



 おー見事に吹っ飛ばされたわね。ちなみに男はショーンにただ殴られただけ。


 やっぱショーンもマネージャーとしてファンを殺さない程度の加減は出来るみたいね。



「ショーン、いま僕のラムって……」



「……ちっ、あーそうだよ。

 僕は以前からラムが好きだったんだ」



 ついに告白したのねショーン。


 まぁ、二人とも奥手だし、ショーンに殴られた男も告白のキッカケをつくってくれた事には感謝してもいいかもね。



「嬉しい。

 ラムは凄く嬉しいよショーン」 



 そうして二人は抱きしめあってハッピーエンドで今回のバカンスは終わりか。


 と、アタイは思ってたけど……



ショーンside



「くっくっくっくっ、僕ちんを振るような女なんて死んでしまえばいいんだ」



 なっ!?マジィあの野郎銃なんて持ってたのか。


 ラムは気付いてねぇし、僕が行くしか……


パァン 乾いた銃声が響いた。


僕は抱き締めていたラムを突き飛ばし自らの身体を盾にした。

 結果的にラムを狙った銃弾は僕の額を撃ち抜いた。



「えっ?」 ラムはまだ状況が飲み込めてないみたいだな。



「まったく甘すぎだよな。

 自分でも虫酸が走るよ」



 そう、僕はらしくないことをしている。けど!



「けどよぉ、ラムは関係ねぇだろうが!」



 だが僕の身体もすでに限界のようだ。もう立ってることも出来ねぇ。



「ショーン、この男はアタイに任せなさい」



 ちっ、スノゥか。


 今まで何処にいたんだ。


 だがまぁ、いまはありがてぇ。あの男は任せるとするか。



「ショーン!

 どうしてこんな無茶をしたの!」



 ははっ、ラムの泣き顔なんて初めて見るな。



「僕にもわからないよ。

 身体が勝手に動いたんだよ」



 そう僕が勝手に動いただけさ。誰も気にする必要はない。



「僕は昔、信じていたもの全てに裏切られて絶望していたんだ。

 だから魔王軍に入っても常に周囲に壁を作って一人で過ごしてたんだ。」



 あの頃は地獄のような毎日だった。



「けどラム。

 お前は何度追い払っても僕に近づいてきた。

 あれって結構嬉しかったんだぜ。

 その後はスノゥとも仲良くなって、ちょっとずつ他の連中も信頼出来るようになったし」



 代わりにラムやスノゥのファンにちょっかい出されたけど。



「争いが起きなくなるほどの力を求めて、あらゆるものを犠牲にしてきたがラムに出会って考えが変わった……」 



 人は生まれてからずっと一人で、死ぬときも一人だと思ってた。



「どこまで行っても人は一人だ。

 だけど!一人だからこそ誰かを愛せるんだ!」



 やっと気付いた僕の大切なラム。



「ラム。これからもずっとそのまま笑って生きていってくれ」



 もう目も見えない。死ぬときってのは案外落ち着くもんだな。



「ショーン、起きてよ。

 ねえショーン……ショーン!」 ラムはすでに事切れたショーンを揺する。

 


 そしてラムはショーンの死を理解した。






一年後


「ってな事があったよなぁw」



「あの時はさすがにもう駄目かと思ったわよw」



 ここはメラナットト島。


 あの事件のあとショーンは死んだ。


 が、ラムの外科手術に見せかけた方法で再びサイボーグとして蘇ったのだ。



「まぁ、あの事件の前にもサライ神聖国の英雄にミンチにされても蘇ったんだし、銃弾一発くらい大したことないよな」



「こらこら、もうすぐショーンはパパになるんだからしっかりしないといけませんよ」



 そう、僕はもうすぐパパになるのだ。


 あの後すぐにアイドルを引退したラムとメラナットト島でのんびり暮らしている。


 いずれは子供を学校に行かせなければいけないが、それまではこの島でアバンチュールを楽しむぞ。

 ちなみにスノゥもアイドルを引退して、メラナットト島で手に入れた伝説の剣、ムーンダークセレクターという光と闇の属性を持つ成長する剣と共に旅に出ました。

 バスラとの関係は継続中。

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