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第7話:魔王ダパディ登場

やはり「うしおととら」を混ぜよう。

どんな風に絡めようかな。

 魔王忍軍十二頭領の一人、スノゥ・ツンデ・レーラを撃退した勇者一行は無事にサライ神聖国に着きました。


そして今回は……



「おー、さすがヤセムーミン教の聖地だぜ。

 道行く人が全員ヤセムーミンのキーホルダーやストラップつけてるな♪」



 まるで観光客のように辺りをキョロキョロ見るジン。



「ちょっとジン。

 そんなにキョロキョロしちゃ恥ずかしいじゃない」



「けどよ、この国は4国で一番美しい国とも言われてるんだぜ。

 普通見渡しちまうさ」



 そう言って尚も楽しそうに見渡すジン。



「うむ、ジン殿の気持ちもよく分かるぞ」


 とタイツァーも適当に相槌を打つがその手にはヤセムーミンの姿を模した飴細工が握られていた。



「そういやヒナ。

 この国の英雄ってどんな奴なんだ?」



「アンタってば何も知らないのね。

 この国の英雄の名前はリース・リウスト。

 私も詳しくは知らないけど、世界強者ランキングの第7位だったはずよ」



「某が聞いた話では『再生』能力者らしい。

 某と闘えるだけ強いのなら一度手合わせ願いたいものだ」



「まっ、会ってみりゃわかるし探してみようぜ」



 とりあえず観光も兼ねて探してみることになった。



「私を探しているのですか?」



 突然背後から声がしたのでジン達は振り向くとそこには一人の修道女がいた。



「私はサライ神聖国の英雄、リース・リウストと申します。

 それであなた方は?」



「おう、俺はダーイチ王国の英雄ジン・コーシュ」



「私はジンの恋人のヒナ・ローイン」



「某の名はかっこいい太郎……ではなくタイツァー・ジュセシだ」



「ふむふむ、ジンにヒナにかっこいい太郎ね」

 


「いや、それは冗談なのだが」



「私は冗談が嫌いよ。呼び名を変えて欲しいなら死んで生まれ変われば?」



 そう断言するリースの目には固い信念があった。


 が、それと同時に相手をからかう事に楽しさを見出した厄介な者に共通した特有の光を帯びていた。



「ところで私に用でもあるのかしら?」


「ああ、俺達は魔王退治の旅をしているんだがアンタの力が借りたいんだ。

 一緒にどうだ?」



 ジンとしては最高の笑顔でカッコ良く言ったつもりだったが。


「魔王退治とはバカですか?

 話し合いをしようとは思わないんですか?

 私を入れてもたった4人でですか?

 いいでしょう、仲間になってあげます」



「悪意しか感じねーセリフだなぁおい。

 まぁこれからよろしくな」



「銅40g、亜鉛25g、ニッケル15g照れ隠し5g、に悪意97kgで私の暴言は錬成されているわ。

 ちなみに照れ隠しは嘘よ。

 とまぁ、それは置いといて、アレはあなた達が呼んだのかしら?」



「アレ?」



ジンは長くなりそうなのでツッコミをせずに空を見上げると巨大な飛行船がこちらに向かって来る。



「ジン殿!

 あれは魔王ダパディの乗る飛行船だ!」



 珍しく慌てた様子のタイツァーが叫ぶ。


すると飛行船から声が聞こえてきた。


「スノゥちゃんをいーじめた勇者は貴様等だな!?

 我は魔王ダパディだ!問答無用で蹴散らしてやる」



 魔王の宣言のあとに続いて何百何千という怒号が響いた。



「おいマズいぜ、さすがに街中で戦ったら勝ったあとにタダで飲み食いする宴を開けなくなる。

 ヒナ、アイツ等と俺達をどっかに転移させろ!」



「その心配には及びませんわ」


 リースはポケットから取り出したモーニングスターを巨大化させて空に浮かぶ飛行船を街の外に叩き落とした。



「すげーなリース。

 けど聖職者はメイスしか使わないと思ってたぜ」



「メイスは頼りないのですよ。

 それにモーニングスターの方が私にはあっていますし」  



 飛行船が落ちていく様子を見ていると4つの人影がジン達の目の前に落ちてきた。



「我があの程度で死ぬと思ったか?」



 魔王ダパディと魔王軍四天王だった。



「いや、全員を仕留められたとは思ってなかったけどそっちの奴らは魔王軍四天王だろ?

 さっきので一人死んだのか?」



 いるのは魔王ダパディと四天王であろう3人の計4人だけ。



「……休暇中だ。

 だが四天王3人と我を相手に勝てると思うなよ」



 魔王ダパディはすでに勝ち誇ったように高笑いする。


 その様子を見てもジンは初めて会うからか実の父に対して特に何も感じなかった。


 だが世界征服をしようとする魔王を目の前にしてジンの中にある正義の心に火がついた。



「一番槍は某が行こう」 タイツァーが指を鳴らしながら一番に名乗りを上げた。



「ニカンド帝国の英雄、タイツァー・ジュセシか。

 ならばラムよ、こちらからはまずお前が行け」



「はじめましてニカンド帝国の英雄さん。

 自己紹介しなきゃね。

 私の名前はラム・マトン。

 魔王軍四天王で一番の力持ちなんだよ」



 ラムと名乗った少女はかなり小さく、幼女と呼べるほどだった。



「ふむ、某には分かるぞ。

 貴殿のとてつもない力が。

 ここは一つ平和的に腕相撲で勝負しないか?」



 タイツァーも敵とは言え幼女相手に殴る蹴るの闘いは避けたかったのだろう。


 というより、実際には幼女の柔らかく小さい手をニギニギしたいという思いもあってのことだった。



「うんいいよ。

 あなたがそう言うと思って腕相撲のための樽を持ってきてたの♪

 ちなみにこの樽はナマズ髭の船大工から譲り受けた由緒正しき樽なのだ」



 ラムが取り出した樽の神々しさにタイツァーは興奮した。


 まさかこんな勝負に応じてくれるとは思っていなかったからだ。



「なるほど、では勝負開始といこうか」



 ……結果?タイツァーの勝ち♪



「ふん、魔王軍四天王の面汚しが。

 次は僕がいかせてもらおう。魔王軍四天王で一番の天才のショーン・ボリー様に挑むのは誰だい?」 



 そう言って魔王軍側から出てきたのはタイツァーと同じくらい筋骨隆々のモヒカン男だった。



「では私が相手をさせてもらいますわ」



 そうして天才ショーン・ボリーとサライ神聖国の英雄リース・リウストとの闘いが……「先手必勝!」 「そげぶ」 始まる前に終わった。



「このモーニングスターは先端が高速回転してるから触れたらほんのちょーっと痛いですよ……って聞いてないみたいですね」



 すでにショーンはミンチになっていた。



「じゃあ後は任せましたわ」


 とリースは笑顔のまま下がっていった。


 とても人一人ミンチにしたあととは思えない清らかな笑顔だった。

 


 後日この闘いについて取材を受けたラム・マトンは


「ショーンはいつかああなると思ってました♪」と語ったそうな。



 はてさて残りはヒナVS四天王の一人


 ジンVS魔王ダパディ


 次回最終回!?お楽しみに♪

ただ魔王を倒しておしまいとはならないです。

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