第6話:ムッチムチにしてやんよー♪
描写の未熟さを直そうと決意。
まあ、3日で変わった決意なんて3日で戻るかもしれませんがw
ケケット村にて山賊マザー・イジールとその親衛隊を倒したジン達は村のメロンをすべて食べ尽くしたため、現在サライ神聖国に向かって再び歩きはじめたところだった。
はてさて今回はどんな展開が待っているのでしょう。
ジン・コーシュの冒険第6話 はじまり♪はじまり♪
「あ~歩くのだりいよ。
なぁヒナやっぱり転移魔法で各国巡ってさっさと仲間を集めて魔王倒しに行こうぜ」
ケケット村を出てからまだ3時間しか経ってないというのに我らが主人公ジン・コーシュはダレているようです。
「初志貫徹よ。
ジンが最初に歩いて旅がしたいって言ったんじゃない」
ヒナは回復魔法かけ続けているため暑い日差しも傾斜30度の山の斜面も一切堪えていないようだ。
「いや俺も体力的にキツい訳じゃねえんだ。
この何も出てこない退屈な時間がだりいんだよ」
「ふむ、ジン殿の気持ちも分かるがこうして自然に囲まれた景色を眺めていると心が癒されるぞ」
隣のタイツァーを見れば涼しい顔で飛んできた小鳥や山の動物たちとモフモフしていた。
「いいなぁ、タイツァーって動物に好かれやすいのね。
私なんか生まれつき『魔力無限』で常に微弱な魔力を周囲に展開してるから動物に嫌われてるのよね」
ヒナは自分もモフモフしたいと思ってはいるがその夢は遠い過去に捨てていた。
「アパパパ♪
それなら世界強者ランキング第2位のバスラ殿に頼めば一時的に『魔力無限』を無効化してくれるのでは?」
タイツァーは軽く笑いながら冗談のように言うが
「なるほど!
それはいい考えね。
次バスラに会ったら会ったら捕獲しましょ」
ヒナは顔を紅潮させ、傍目から見ると若干危ない人のようだ。
「お、早速現れたみたいだぜ」
ジンの視線の先にヒナとタイツァーが目を向けると。
「はーはっはっは」
切り立った崖の縦に出来た裂け目の間に手足を突っ張って高笑いをするバスラ・カベルの姿があった。
「とうっ。……グキッ」
そしてまたもや前回同様着地に失敗してもんどり打っていた。
「く……ひ、久しぶりだなジン&ヒナ。
そして初めて会うなニカンド帝国の英雄」
やはり立ち直りが早いバスラだが前回よりも高さがあったため足首の腫れは尋常ではなく、顔も髪の色と同じく真っ青だった。
「ふむ、某はタイツァー・ジュセシと申す。
ちょうどバスラ殿の話をしていたので都合がいいぞ」
タイツァーがそう言うとヒナがバスラに飛びかかる。
「カクカクシカジカだから私の能力を消しなさい」
ヒナは血走った目をバスラに向け、それに反射的に頷いてしまうバスラ。
そして……
結局動物には好かれなかった。
「ふむ、魔力が原因ではなかったのか」
ヒナは目の前が真っ暗になり、こちらの声は届いていないようだ。
「さて、それよりバスラ。
なんで来たんだ?」
ヒナの異常な雰囲気に圧され、半ば空気となっていたジンがようやく聞く。
「フッフッフ、近々魔王軍のアイドルとして各地で人気が出てきている魔王忍軍十二頭領の一人、スノゥ・ツンデ・レーラがお前達を狙うという噂を聞いたからな。
超時空白雪姫と言われるスノゥに会うためにしばらくお前らと一緒にいよいと思ったんだよ」
「なるほど、どうやら早速お出ましのようだぜ」
「なにぃ!」
ジン達が歩く街道の先には雑魚っぽい奴らが30人ほどおり、その先頭にはバニーガールの衣装に身を包んだ美女がいた。
「さっすが勇者。アタイ達をよく見つけれたもんだね」
「いや、道の真ん中に大軍が堂々と立ってりゃ誰だって気付くって」
改めて見てもやはりスノゥは美人だった。
「ちぇりおー!」
そしてジンはヒナに殴られ、街道脇に生えていた木に背中をしこたまぶつけてしまった。。
「うぅ、すまねえヒナ。
やはり俺はお前一筋だぜ」
「私以外を見ちゃダメ!
そして私もジンのことが好きよ」
「くっくっくっ。
青春してるなあ」
ジンとヒナは互いに抱き締めあって互いの愛を確認し、タイツァーはそんな二人の様子を微笑ましく見ていた。
「戦闘力上から99、55、88。
ぐはっ、ハンパねえぜ」
バスラはバスラでスノゥに釘付けだった。
「アタイの話を聞けぇー!
アタイは魔王忍軍十二頭領の一人、スノゥ・ツンデ・レーラ。
ここでアンタらには死んでもらうわよ。
さぁ、やっちまいな野郎ども」
スノゥの合図と共に戦闘員が襲いかかってきた。「キー」「キキー」
「おっしみんな、戦闘開始だ」
ジン達もそれぞれ武器を構えて戦闘員を吹き飛ばしていく。
「飛天夢想斬」
「雷の暴風雨」
「燕麦発芽玄米酵母法国面包」
「エターナルバスラフィーバー」
上からジン、ヒナ、タイツァー、バスラで、それぞれに大技を出し魔王軍戦闘員は次々と空に舞い上がり見えなくなっていく。
「あとはテメェだけだぜスノゥ・ツンデ・レーラ」
ジンは悪役のように笑いながらスノゥを見る。これではどちらが悪役かわからないものだ。
「くっ、こうなったら……
必殺!ムッチムチにしてやんよー」
スノゥは鞭を取り出しプロペラのように振り回して……空に舞い上がっていった。
「今回はこの程度にしといてやる。
決して逃げる訳じゃないんだからね!
戦闘員と戦って疲れたあんた達を攻撃するのが可哀想だから情けをかけただけなんだからね!」
そうしてスノゥは見えなくなっていった。
「それなら戦闘員なんか連れてくるなよ。
まあとりあえず俺達の勝利だぜ」
「今日もジンは最高にかっこよかったわ」
ジンとヒナはいつものラブラブ空間を作りタイツァーは黙って頷いていた。
「あー!
スノゥちゃんにメルアド聞くの忘れてた」
そしてバスラは連絡先を聞き忘れていたため慌ててスノゥを追って走っていってしまった。
~場所は変わって魔王城の一室~
「次に勇者に向ける刺客はメレルールとガルフィースの二人ではなかったのか」
「いやね、なんかね、あの二人は有給休暇で温泉旅行に行っててさ。
シフトが空いてたのがスノゥちゃんだけだったからお願いしたんだよ。
ほら、スノゥちゃん可愛いし勇者も負けてくれるかと思ってさ」
「確かにスノゥちゃんは可愛い」
と、魔王城の幹部達が話し合っていると突然ドアが開かれた。
「報告します。
たったいまスノゥ様が勇者一行に負けて逃げ帰ってきました!」
報告にきた戦闘員は自分でも信じられないといった顔をしていた。
「またこの事で城に今日出勤している全員が怒りのあまり勇者退治に向かってしまい今この城には皆さんと私しかいません。
そして報告を終えたので私も勇者退治に向かいます。
うおー、スノゥ様によくもー!」
伝達に来た戦闘員もすぐに部屋を出ていった。
「スノゥちゃんって凄い人気だったんだね」
「そうだ!城の全員が出たということは魔王様も!?」
「!?」 そうしてその場の全員が魔王の部屋に向かったが、部屋には誰もいなかった……
物語の序盤でいきなり魔王の方から勇者に会いに行くというのは斬新かも♪
勇者一行は全員レベル9999ですがどうなることやら。