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第3話:ついに到着ニカンド帝国

やはり勇者のパーティには前衛として重装備の巨漢が必要不可欠だと思います。

「ついに着いたぜニカンド帝国。

 軍事国家と聞いていたがずいぶんと文化的な町だな」



「そうね、町の門番も愛想良かったし。

 それとここニカンド帝国の首都ゼタの町はパン作りでも有名みたいだし楽しみだわ」



 バスラ・カベルとの決闘から3日後の今日、2人はニカンド帝国の首都ゼタに到着していた。


 そしてこの国に来た目的はニカンド帝国の英雄を仲間にするためだった。



ワーワー、ガシャーン……


「なんか向こうが騒がしいな。

 行ってみようぜ」



「あ、ジン待ちなさいよ」



 2人が騒ぎのある場所に向かうと1人の大男が暴れていた。


 鎧を着ているところからしてこの国の騎士のようだ。



「このパンを作ったのは誰だ!?

 店主を呼べー!」



「おいアンタ、なに騒いででんだよ。

 こっちはせっかく町に来たばかりで気分良かったのに台無しじゃねぇか」



「む、すまんな。

 某はタイツァー・ジュセシ。

 このニカンド帝国の英雄をやっているものだが、今回暴れていたのはこのパン屋が悪いのだ」 



 と自己紹介しながら上半身裸になりポーズを取りながら説明する。



「見ろ、このパンを!

 某はヤキソバパンが好きで休日にも食べ歩いているのだが、この店はヤキソバの麺を切らしてしまったからと言ってあろうことかスパゲティを挟みおったのだ。

 これが許せるものか。

 だから店に火をつけようとしていたのだ」 



 たしかにタイツァーの持っているパンはスパゲティパンだがその程度で火をつけようとするとは。


 周囲の野次馬も呆れているようだ。



「ちぇりお!」


 すると突然ヒナがタイツァーに飛び蹴りをした。



「大の男がそんな事でいちいちキレるな。

 ヤキソバパンが好きなら敵情視察のつもりでスパゲティパンを受け入れる度量がなくてどうするのよ」



「……ヒナ、お前も以前メロンパンにメロン果汁が入っていたと言ってパン屋に火をつけようとしてたじゃねぇか」


 ジンが同類を見るようにツッコミを入れる。


 その表情はどこか諦めたように見えるのもヒナがこのあとどう返答するか分かっているからだろう。



「あれは許せないわよ!

 メロンパンはメロンの網目がついてるからメロンパンなの。

 メロン味なんてナンセンスである以前に邪道だわ」


 ヒナにも譲れないこだわりがあるようだ。


 ジンの予想通りの答えが返ってきた。



「あー、なんか騒いでしまって申し訳ない。

 某もヤキソバパンについてはこだわりがあったのでな。

 しかし種類は違えどパンにこだわりを持つ同士に会えるとは今日はなんていい日だ。

 良ければ食事でも一緒にどうだ」


 頭を掻きながら照れくさそうにタイツァーは言うが素直に謝れるだけマシなようだ。



「おう、アンタとは話がしたかったんだ。

 俺はジン・コーシュ。よろしくな」



「私はジンの恋人ヒナ・ローイン。

 メロンパンに対するこだわりは誰にも負けないわよ」



 そうして意気投合した三人は近くの食堂に入っていった。




次回予告(嘘)


ヒナ「ずば抜けた才能で特級厨師となったジンが神の料理を作る!」


ジン「いきなりツッコミどころ満載だな」


ヒナ「しかし、ジンの才能を悪用し、世界征服を企む味魔王の魔の手が忍び寄る」


ジン「ヒナさん。あなたは一体何を言ってるんですか?」


ヒナ「だけど新レシピ、『消える炎の魔球』を修行の末に会得して撃退に成功」


ジン「燃える球なんか投げたらキャッチャーが火傷しちまうじゃねーか!」


ヒナ「次回『ダーイチ王国一番』第4話:料理は愛情、ジンの愛は鉄をも溶かす! お楽しみに♪」


ジン「ふっ、いくら俺でもヒナの手料理にはかなわねーよ(天国に行けるぜ)」

この先はもっとネタだらけの展開になります。

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