第7話 サイコポリス
まず鑑識係員が家の周囲から作業を始める。そして、次に家の中に入り、足跡、指紋を採取し、写真撮影していく、続いて刑事が中に入る。そして、奥田部長も入る。
刑事たちはオカルト係を快く思っていない。ある刑事が奥田部長に言う。
「あんた役に立たないから帰れよ。」「M警察署の東丈と呼ばれる私が無能だと言うのか。」
「どちらかといえば幻魔だろ。」「私の力をしらないな見せてやろう。」
奥田部長はサイコキネシスで居間にあるものを浮かせる。家具が浮く。死体も浮く。
「やめろー、現場を壊すなー」
刑事、鑑識係員たちが叫ぶ。
「下せ、元通りに静かに下せ。」「それはできない。」
「なぜだ。」「私は物を浮かせることしかできないのだ。」
「この役立たず。」「なにー、ならばパトカーを浮かせてやろう。」「するな!」
でも遅いパトカーは10メートルくらい浮いている。刑事が激怒する。
「何やっている!あれをどうするんだ!」「いつもより高く浮かせています。」
「あの高さから落ちたら壊れるぞ。」「う~」
「どうした。」「疲れてきた。」
「対策するから浮かせたままにしておくんだ。」「だ、だ、だめだ。出る~」
「出る?」「屁が出る。」「いい加減にしろ。」
奥田部長は屁を出すと同時に力が抜ける。パトカーがフロントバンパーから地面に激突してスクラップになる。
居間では家具や死体がぼとぼとと落ちる。刑事たちが頭を抱える。無茶苦茶だ。奥田部長は意に介さずぼそっと言う。
「カギのかかった窓、カギのかかった玄関、これは密室殺人だね。」「謝れよ!」
そこにオカルト係の元凶、野間係長が入ってくる。刑事たちは怒りの矛先を向ける。
「あんたの部下は何なんだ。現場がめちゃくちゃだぞ。」「仕方ない。奥田は物を浮かせることしかでいないからな。」
「そんな奴がなんで刑事課にいるんだ。」「オカルト係だからな。」
「それでどう始末をつけるんだ。」「私が被害者に聞いてやろう。」
「被害者は死んでいるよ。」「大丈夫、まだ成仏していない。」
野間係長は死体の横に座ると語り掛ける。
「奥さん、事情聴取をします。ふん、ふん、ふん。」「野間係長、私たちを馬鹿にしているのか。」
「事情聴取しています。」「死体がしゃべるかー」
「犯人は夫だ。」「証拠は?」
「ない。」「死体が話したとでも報告書に書くのか。」
「まあ、奥さんは毎晩、夫の夢枕に化けて出ると言っている。何とかなるだろ。」「とりあえず。旦那を探すか。」
刑事たちは頭痛をこらえて仕事を続ける。
数日後、夫は刑事に事情聴取されるとあっさり白状する。夫はぶつぶつと話す。
「毎晩出るんですよ。あいつが呪ってやるって、刑事さん助けてください。」「自業自得だろ。」
「すべて話しますから・・・」「私が何とかしてもいいですけど、お金かかりますよ。」
突然、野間係長が割り込む。
「いくらでも払います。お願いします。」「わかりました。このお札を売って差し上げます。」
「こら、容疑者から金をとるな。」「悪霊から守っることは人権で決まっていますよ。」「悪霊は入っておらんわ!」
夫は全財産をはたいてお札を買い、全身にお札を貼って過ごすようになった。




