第41話 M警察署の狂乱
「きゃあああああーーーーーー」「うわ、うわあああーーーーー」
M警察署の受付の警察官が叫び声を上げる。彼らの前には入って生きた奥田部長がいる。彼らが叫んだのは奥田部長に対してではない。
奥田部長の横に若い女性がいる。奥田部長の彼女の可能性は0だ。人間であるはずがない。幽霊だ。いや、悪魔かもしれない。
受付は恐怖に陥る。叫び声を聞いて駆け付けた警察官も腰が抜けて動けなくなる。奥田部長は驚き恐怖に陥った同僚に笑顔で言う。
「おはよう。」「奥田、あんた憑かれているぞ。」
勇気ある同僚の一人が震える手で指さして言葉を絞り出す。
「もしかして彼女のことかね。」「そうだよ。気がついているのか。」
「彼女はひじり。一緒に住むことになったんだ。」「奥田に女が・・・・あああああ・・・・」
勇気ある同僚が泡を吹いて気絶する。そこにいた者は皆、錯乱する。
奥田部長は刑事課のある2階に上がる。廊下ですれ違う同僚が皆、腰を抜かしたり、逃げ出したりする。奥田部長の通った後は使い物にならなくなった警察官が錯乱している。
奥田部長が刑事課に入る。刑事課員が悲鳴を上げながら波を打つように椅子から転げ、腰を抜かして倒れていく。刑事課長は恐怖のあまり過呼吸になる。
野間係長が立ち上がり、この場を収めようとする。
「落ち着いてください。奥田部長の隣にいるのは人間の女性です。危険はありません。住吉ひじりと言います。彼女の意思で奥田部長と一緒にいます。」
刑事課員たちは収まるどころかパニックになる。ある者は神を呪う。また、床に頭を打ち続ける者までいる。
「こんな世界は間違っている。」「奥田が好きな女だぞ。変な女に違いない。」「それでもきれいだぞ。」「奥田の奴め。」
彼女のいない刑事課員は血の涙を流す。野間係長は、これは収拾がつかないと考え、刑事課長を見る。刑事課長は過呼吸からけいれんを起こしている。
オカルト係の席を見ると成岩部長と富貴巡査が半分死んでいた。野間係長は事態の収拾を諦める。




