第40話 野間係長、動く
野間係長は本部から出て、ラリーのコースへ向かう。ゴールに近い直線コースの脇に立って、火車を待ち構える。野間係長には気配で火車が近づいてくることが分かる。
そして、直線コースに出た火車を野間係長は睨みつける。すると車を引く鬼は金縛りにあったように動かなくなる。鬼が何とか首を動かして野間係長を見る。
鬼は炎を吐こうとするが、野間係長は右手を強く握りしめると鬼と車は何か巨大なものに握りつぶされるようにぐしゃりとつぶれて灰になり消え去る。
野間係長は無線で係員に連絡する。
「火車は片づけた。各員は警戒に戻ってください。」「「「はい。」」」
半田部長は獲物をとられてと悔しがる。野間係長は開催者の本部に戻る。その後は無事にラリーは終了する。
野間係長はスマホで署長に連絡を入れる。
「ラリーは無事に終了しました。」「野間君、四台目の車は何が起こったのかね。」
「火車が車を追いかけてぶつけてきたのです。」「火車?」
「妖怪です。旧磯浦トンネルとは関係ありません。」「事前に退治できなかったのかね。」
「すみません。気づいたのは車の後ろを走っている時でしたので・・・」「何のためのオカルト係かね。」
「もちろん、最善の手をつくしました。事故を未然に防ぎ、火車は退治しましたがなにか・・・」「ああ、よくやってくれた。」
署長は野間係長の圧力に屈する。
「それで、事故を防いだのは誰かね。」「奥田部長です。」
「奥田だと。どうしてアレがそんな重要な仕事を任されているのだ。一歩間違えれば惨事になるぞ。」「分かっていますが、奥田部長のサイコキネシスが必要だったのです。」
「そうか、電話を切るぞ。」
署長は胃薬を引き出しから出す。M警察署の署長になってから胃薬は必需品になっている。半田部長は野間係長に質問する。
「どうやって、火車を退治したのですか。」「うごきをとめて、ぐしゃッとつぶしたのよ。」
半場部長は「化け物じみている」と思う。火車を簡単に退治するなど、野間係長の霊能力はけた外れに強かった。




