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第29話 エリアマネージャーの不運

 エリアマネージャーは、半田部長と奥田部長を見つけるとヒステリックに叫ぶ。

 「お前たち何したんだ。1階の惨状をどうするんだ。責任をとってもらうぞ。」「1階が火事になっているとは知りませんでした。魍魎が意外と強くてね。手こずっていました。」

半田部長が他人事のように言う。

 「あんただろ、炎を使ったのは防犯カメラがあるんだぞ。」「それでは私のサイコキネシスのすごさも映っていますね。」

 「そこ、他人事のように言うな。」

半田部長と奥田部長は肩をすくめる。

 「エリアマネージャーは火災の原因が我々にあるように主張しているようですね。」「我々は最小限の被害に留めました。」「「何が不満なのか。分かりませんな。」」

 「お前らのせいだろうが、床が膨らんでひびの間から炎が噴き出たんだぞ。」

半田部長と奥田部長はそっぽを向く。エリアマネージャーの怒りが増す。

 「今から署長に電話するぞ。お前たちは首だ。」「どうぞ、ご自由に。」

半田部長が答える。エリアマネージャーは携帯電話をかけ始める。火災現場に刑事課員がやって来る、そして、半田部長と奥田部長がいることに気づく。

 「げっ、オカルト係だ。まさか、この火事、あいつらが関係しているのか。」

刑事課員は頭を抱える。電話を終えたエリアマネージャーは言う。

 「今から、お前たちの上司が来ることになった。言い訳を考えるんだな。」「大丈夫です。私たちは地下駐車場で魍魎と戦っていただけですから。」

 「そんな言い訳がいつまでも続くか。」「本当のことですから仕方ありません。」

エリアマネージャーの怒りが静まらないまま、1時間が経つ。事務所に野間係長が入って来る。

 「私の部下が何かしでかしたそうですが。」「そうだよ。1階で火災を引き起こしたんだ。営業どころじゃないどうするんだ。」

 「私の部下は地下で魍魎を退治していたはずですが。」「地下駐車場の魍魎は片づけました。」

半田部長が答える。すると野間係長は断言する。

 「地下にいる者が、1階の火災を起こせるわけがありません。」「あんたもしらばっくれるのか。」

そこへ初老の男性が入って来る。

 「君、言葉遣いがなっていないぞ。それでもエリアマネージャーなのか。」「あっ、社長。」

エリアマネージャーの怒りはどこかへ飛んでなくなる。

 「彼らに謝りなさい。火事は館内の警戒を疎かにしていたためではないのかね。」「しかし・・・」

 「過ちを認められないのかね。」「いいえ。」

エリアマネージャーは理不尽を感じながら半田部長と奥田部長に謝罪する。社長は野間係長に言う。

 「野間君、済まなかったね。お詫びに食事でもどうかね。」「楽しみにしています。」

火災は、消防と警察が調べるが原因不明だった。しかし、刑事課員はオカルト係のせいだと確信している。

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