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第28話 魍魎退治

 警備員は半田部長と奥田部長と歩いて地下駐車場のF区画に向けて案内する。閉店後の地下駐車場は照明が消され、非常口案内の灯りだけになって、かなり暗い。

 何で自分が案内をしないといけないのだ。俺では説明ができないだろう。警備員は心の中で愚痴を言う。だんだんF区画に近づいてくる。

 突然、半田部長が言う。

 「断末魔の悲鳴が聞こえます。」「私には聞こえないぞ。」

奥田部長が答える。警備員は心の中でつぶやく。気持ち悪いことを言うなよ。ただでさえ不気味なのに、もう帰りたい。

 前方にF区画が見えてくる。

 「あそこがF区画です。車が駐車しないようにロープを張って、ラバコンを置いています。」「この先は危険だ。警備員さんは帰ってください。」

半田部長が言うと警備員は回れ右をして走って帰って行く。

 「彼は何を焦っているんだ。」「奥田部長は怖くないのですか。」

 「私はサイコキネシスを想い存分使えるから怖いものはないぞ。」「そうですか。駐車場を壊さないでくださいね。」

半田部長は奥田部長がすでに暴走状態であることを知る。本当に早く決着をつけないとサイコキネシスバカがなにかしでかすぞ。半田部長はすでに青い肉塊の化け物、魍魎を見つけている。

 まだ距離があるが式をコントロールできる距離である。奥田部長がサイコキネシスを使う前に仕留めるには今しかない。

 半田部長は人型の紙を2枚飛ばす。奥田部長には紙がひらひらと飛んでいくように見えるが、人型の紙は鬼の姿になって、魍魎に向かって走って行く。

 鬼は左右に分かれて魍魎を両側から挟み撃ちするように鋭い爪で魍魎を切り裂く。魍魎の傷口から髪の毛のようなものが出て来て、鬼に絡みつく。半田部長は魍魎の反応に焦る。

 何だあれは、早く引きちぎれ動けなくなるぞ。髪の毛はキリキリと鬼を締め付けていく。奥田部長が半田部長に言う。

 「苦戦しているようですな。今こそサイコキネシスをお見せするところです。」「まて、やめ・・・」

魍魎と式の鬼が駐車場の天井にぶち当たる。衝撃で鬼は消える。魍魎は天井にめり込んで行く。

 「わははは、私のサイコキネシスはどうですか。魍魎はつぶれましたか。」「いや、天井に張り付いている。」

 「しぶといですね。どんどん行きますよ。」「やめんか。」

奥田部長は止まらない。天井にひびが入りだす。魍魎は動けないが、サイコキネシスに耐えている。半田部長は切れる。人型の紙を10枚出し、投げる。

 「地獄の業火で滅せよ。」

天井がベコンと凹み、ひび割れがひどくなる。1階では床が盛り上がってひび割れが出来ている。そこに10匹の鬼が魍魎に向かって炎を吐く。

 炎は魍魎を焼き尽くす。さらに1階フロアのひび割れから炎が噴き出し火災を起こす。半田部長と奥田部長は1階フロアの惨事を知らない。

 「少し、天井が凹みましたね。魍魎を始末したのですから、大丈夫でしょ。」「魍魎を倒したのは私だからな。」

 「私のサイキックが魍魎を天井にくぎ付けにしたのですよ。」「もういい、さっさと帰ってデートに行くことにする。」

 「私は報告書を書きましょう。サイコキネシスのすばらしさを書き記さなくては。」「好きにしろ。」

半田部長と奥田部長はエリアマネージャーのいる事務室へ行く。そこで二人は1階フロアの惨状を知る。

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