第26話 魍魎(もうりょう)
成岩部長と富貴巡査は、M警察署に戻り、野間係長に報告する。
「事件は霊の仕業ではありません化け物の仕業でした。」「化け物ね。霊のように話をするわけにはいかないわね。」
「係長、近づいたら鎌で切られますよ。」「困ったわね。楽をしたいのだけど。」
「係長、今こそ実力を発揮してくださいよ。」「いやよ。」
富貴巡査は野間係長の実力を知らないが、屈指の霊能者であると聞いていた。そこへ半田部長が近づいて来る。
「富貴君、化け物はどのようなものだったのかね。」「化け物は、青い肉塊に四本の足と鋭い鎌がついた二本の腕で一つ目で目の下に大きな口がありました。」
「ほう。他には何かあるかな。」「窯で霊を捕まえてガリガリ食べていました。」
「四本足で歩いていたのかい。」「いいえ、宙に浮いていました。瞬間的に移動することもできます。」
「なるほど、それは魍魎だね。」「魍魎て何ですか。」
「簡単に言うと妖怪の一種だよ。これは陰陽師の私の出番かな。」「半田部長、式は二体まで使うことを許可します。」
「係長。私なら十体まで使えますよ。」「それでは、地下駐車場が壊れるでしょう。駐車場を壊さずに処理しなさい。」
「係長。化け物が相手ねなら、この奥田が役に立ちますぞ。」「そうね。半田部長、奥田部長と組みなさい。」
「私は富貴君と組みたいです。」「だめです。奥田部長とです。」
半田部長はがっくり肩を落とす。ショッピングモールは、魍魎退治のために休業することを断ったため、夜10時の閉店時間から朝10時の開店時間までに魍魎退治を行うことになる。
魍魎退治が決まった時、刑事課長が胃潰瘍で倒れる。刑事課員たちは不安に駆られながら「奥田を使ってはダメだ。」と思う。




