第19話 憑依と脂肪
成岩部長と富貴巡査は、N交番に到着する。すると富貴巡査が叫び出す。
「あれはなんなのですかー」「N交番だ。」
「いやですよ。近づきませんよ。」「何を言っている。N交番に入らないでどうする。」
「は、はいる。自殺行為ですよ。私は行きません。」「ほら、行くぞ。」
成岩部長は捜査車から降りると助手席の富貴巡査を引きずり下ろす。
「いやー、人殺しー、助けてー」「人聞きの悪い。行くぞ。」
富貴巡査の叫び声を聞いてN交番から警察官が飛び出してくる。
「何をしている。女性の手を離せ。」「オカルト係です。要請で来ました。」
「その女性は何ですか。」「オカルト係員です。」
警察官はその言葉で全て納得する。さすがは噂のオカルト係、係員は変人とデブか。成岩部長は警察官に言う。
「今から霊を憑依させますから、交番の外で待っていてください。」「はっ。」
成岩部長は、泣き叫ぶ富貴巡査を引きずってN交番交番に近づく。突然、富貴巡査が泣き叫ぶことをやめる。富貴巡査の顔つきが変わっている。
「けけけけ、ころせ、ころ・・・けけ」
警察官が後ずさる。成岩部長の体がぶくんと膨れる。成岩部長は、人が変わった富貴巡査を引きずってN交番の中に入って行く。
しばらく待っていると成岩部長と富貴巡査が出てくる。警察官は目を見張る。成岩部長の体が服がはちきれんばかりに膨れている。明らかにデブが増しているのだ。
警察官は思わず声をかける。
「あの体が膨れ上がっていませんか。」「霊を憑依させたからね。私は憑依体質なのだよ。」
説明になっていない。霊が憑依して、なぜふとるのだ。
「私に霊が憑依すると脂肪になって体に付くんだよ。」「霊が脂肪になったんですか。」
警察官が驚いていると富貴巡査がすり寄って来る。
「お兄さん、いい男ね。私といいことしない。」
色っぽい、勤務中だがしたい。成岩部長が富貴巡査を引っ張る。
「帰るぞ。」「デブは嫌いよ。」
二人は捜査車に乗り去っていく。警察官は「やばい、もう少しで勤務中にエッチするとこをだったー」と自制心を取り戻し、オカルト係は噂通り関わってはいけないと思う。




