第12話 孤島密室殺人事件1
俺は日間田島駐在所の内海だ。普段はのどかな所だが、今、俺は島内の巡回で忙しい。台風の接近で海が荒れ、連絡船は欠航。漁師たちは船を港の奥に係留している。
観光客は連絡船が欠航し、海上タクシーも出ないため足止めとなっている。俺は島内に取り残された観光客を調べて、10人いることがわかり、頭が痛くなる。
誤解しないでくれ、10人もいたことは問題ではないのだ。観光客の中に見つけてしまったのだ。そう、全ての元凶、歩く迷惑、オカルト係だ。
それも3人もいる。観光客の3割が腐っている。イーや、俺は警察官だ。どんな状況でも冷静に行動しなければならない。
こうしているうちに俺は漁師たちに呼び出される。
「内海さん、漁師小屋に誰か立てこもっている。」「確か、カギがついていなかったよな。」
「カギはないけど、内側からつっかえ棒をしているようで引き戸が開かないのです。」「中に人がいるのか。」
「内海さん、いるに決まっているよ。引き戸からしか出入りできないのだから逃げられねえよ。」「わかった。一緒に行こう。」
俺は漁師たちと漁師小屋へ行く。漁師が小屋を見張っていた仲間に言う。
「どうだ、中の様子は。」「いや、物音ひとつしない。本当にいるのかな。」
「なら、どうして開かないのだ。」「わからん。」「そりゃそうだ。」「わははははー」
「笑っている場合ではないでしょ。小屋に用があるのですよね。」「台風が来る前に網を入れないといけなくてな。」
俺は小屋の中に向かって声をかける。
「ここから出てきてはくれないか。怒らないから。」
返事はない。
「内海さん、何度も呼びかけているけど返事はないよ。」
「だったら戸を壊して入りましょう。犯人は逮捕しますから。」「わかった。やるぞー」
漁師2人が引き戸を蹴ると戸が吹き飛ぶ。俺は中に突入する。一緒に入った漁師が悲鳴を上げる。俺も目を丸くする。中にあったのは男の死体だった。
しかも腹にナイフが刺さっているというおまけつきだ。俺の元刑事の血が騒ぐ。
「皆さんは小屋から出て。」「はい。」「仏様だぞ。」「どうやって戸を開かなくしたんだ。」「密室殺人というやつでは・・・」
「皆さんは落ち着いて、犯人は私が見つけます。」
今、応援を呼ぶことはできない。日間田島は孤島と化している。頼れるのは自分だけだ。




