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小指

 僕には右足の小指がない。お兄ちゃんにもお父さんにもない。いとこのお兄ちゃんたちにもない。けど、お母さんにはある。おばあちゃんにもおばさんたちにもある。

 僕の親せきの男の人たちはみんな右足の小指がないみたい。でもね、おじいちゃんにはあるんだ。ふしぎだよね。最初は、お母さん気味が悪かったんだって。お兄ちゃんも僕も生まれたときはあったのに、おじいちゃんの家に来たらいつのまにかなくなってたんだってさ。でも、お父さんもいとこたちもみんなないし、これ以上変なことが起きないから気にしないようにしたらしい。


 それでね今日は、おじいちゃんの家に来てるんだけど、半年前に生まれたおじさんの子が初めておじいちゃんの家に来たんだ。男の子だよ。さっきちらっと見たけど、小指あったからなくなるとこ見れるかな。


 夜になったけどまだ小指はあるよ。今日はなくならないのかな。もう眠くなったからねようかな。ねてる間になくなってたらどうしよう。まあいいや。


 朝になったよ。まだ小指あるみたい。よかった、まあいいやって思ったのちょっとこうかいしてたからさ。赤ちゃんはすやすやねててかわいい。赤ちゃんってとっても小さい。ちょっと小指さわってみようかな。


 わっ!とれちゃった。どうしよう、赤ちゃんの右足の小指とれちゃった。

 

 あ、あ、泣き出しそう。怒られちゃう、にげなきゃ。どうしようみんな見つかる前にかくさないと、、、。


 そうだおじいちゃんの部屋に行こう。おじいちゃんの部屋はおじいちゃんとおばあちゃんしか入っちゃダメなんだ。だからおじいちゃんの部屋にはだれも来ない。おじいちゃんとおばあちゃんは今みんなのところにいるし、ばれなきゃ大丈夫だ、今のうちにかくそう。


 どこがいいかな、はやくしないとおじいちゃんが来ちゃうかもしれない。おじいちゃんの部屋、押し入れとテーブルしかないから押し入れにかくすしかないよ。


 え、え、え、?押し入れ開けたら小指がいっぱいだよ。どういうこと?よく見るとそれぞれ名前が書いてある。


 あ、お父さんの名前だ!こっちにはお兄ちゃんの名前も。僕のはどこかな。...どうしよう、足音が聞こえてきたよ。僕のはどこ。足音が近づいてくる。


 見つけた。あった、あった、早くとりだそう。でも、僕の小指が入ってたところあいちゃった。うーん、早くどうにかしないと。そうだ!赤ちゃんの小指があった!代わりに入れとこう。


 よし、見つかる前に部屋を出れたよ。ひやひやしたよ。

 

 僕の小指はどうしようか。くっつくかな。

 

 くっついた!なんでかな、でもよかった!ちょっと小さいけどないよりはいいよね。でもなんでおじいちゃんの部屋にあったんだろう。おじいちゃんがみんなの小指とってたのかな?だからおじいちゃんには小指があったのかな。


 なんかあっちであわがしいや。僕のせいかな?でも、まあいいや。これでみんなにばかにされることはない!


 

 


 

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