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「彼女できたって本当?」


僕の名前は本田拓哉ほんだたくや


帰宅部のごくごく普通の高校2年生。

普通じゃない所といえば少し身長が低い事くらいか。


いや低いといっても、牛乳は毎日飲んでるし、

週に何回か縄跳びもしているので成人になる頃には170cmには到達している予定だけど。


両親は早くに亡くなっていて、祖父の家に姉と二人でお世話になっているが、

祖父は工事現場の監督?をやっていて、住み込みで働いているので実質姉と二人暮らしだ。


「そ、そんなわけないじゃん、姉さん嫌だなぁ」


「そうよね?ただの噂よね。なら、よかった」


僕の尊敬する姉、本田聖歌ほんだせいかに探りを入れられ、慌てて否定する。


「私もね、変だとは思ったの」


姉さんが口元に人差し指を当てる女性らしい動きをしながら言う。

少し動くだけで、長い髪とか、胸元が小さく揺れる。


・・・姉さんはなんというか、古い言い方をするなら、とてもグラマラスだ。


身長がすでに僕の目標身長に達していて、胸が大きい。

ただ太っている訳ではなく、むしろ引き締まっていて、

お腹はチアリーダーのように、腹筋の縦筋が入っている。


容姿もとても整っていて、黒い大きな瞳とスラっと通った鼻筋、

ひいき目に見ても大人っぽい美人という感じ。

小さい頃からよく姉を紹介してくれと、色んな人から言われるし、

姉さん目的で僕に近づいてくる人も多いけど、姉さんはそういうのをとても嫌がるけど。


僕と同じ高校に通っていて、3年生。


生徒会長もやっていて、とても自慢の姉だ。

でも、素晴らしすぎる姉のせいで・・・・というと語弊があるが、

僕の学校での肩書は「本田聖歌の弟」という感じ。


特別名門という訳ではないが、一応通っている高校は県内では1番の公立高校なので、

生徒会長もやってて、成績も学年で常に5番以内に入る姉さんは指定校推薦で名門私立への推薦もほぼ決まってると言われてる。


「本田聖歌の弟」、という事で、最初はいったいどんなスーパーマンかと期待されたりもするが、

いたって普通で期待はずれという感情を抱かれる。


まぁもうそういうのは慣れっこだけどね。


そんな姉さんにも欠点はある。


「わかってるわ。拓哉が彼女なんて作るはずないわよね。でも心配してしまうのが姉心というか、私から拓哉をとる子がいたらね」


「そんな子いないよ」


「ふふ。うん。安心した。ごめんね?変なこと聞いてしまって」


「大丈夫だよ・・・」


「さぁ、こっちにおいで。膝枕してあげる」


少し、姉さんはブラコン気味だ。

いや姉さんは優しいし、僕も姉さんは大好きだ。


でも、高校生になっても、友達と遊ぶというと誰と遊ぶのか、

いつ帰ってくるかを言わないと不機嫌になるし、

未だに膝枕とか、ベッドに入ってきたりとか、ハグしてきたりとか、なんというかボディタッチも多い。


今だって彼女ができた云々と問い詰められているが、

これ関係は本当に地雷な話題で、僕が女の子と仲良くしたり、

電話やラインをしているのがばれると、何時間もお説教された事もある。


にしても、僕なんて本当にごく普通の男子生徒な訳で、

どうやって噂になったんだろ。


ほとんど誰にも話してないのに。









「ど、どうしよう。姉さんに感ずかれてるよ」


『え、えー。あれだけみんなにばれないようにしてたのに。嘘でしょ?』


自室でこっそり通話する。

姉さんがお風呂に入っているのを勿論確認済だ。


姉さんのお風呂は長いので、家で連絡を取るチャンスはこの時間しかない。


「本当だよ・・・姉さん俺のことになると、どこから聞いたのか本当にどこから聞いたのか勘が良くて」


『とにかく、今は絶対ばれないようにしようね!』


電話の相手は一週間前から付き合い始めた幼馴染。

姉さんとは勿論、顔見知りだった。

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