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モノクロームに愛された者たちへ  作者: ヤナギ ショーキ
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魂の象徴

 長い時間を費やし、緻密な努力を重ねた旅は、ついに終わりを告げようとしていました。


 この作品に情熱を惜しみなく注ぎ込んだ結果、魂が宿る一つの存在へと昇華されつつありました。


 これはあくまで私の感覚に過ぎないなのですが、肌の質感、唇の柔らかさ、頬のかすかな黒みまで、細部にわたってリアルに描き出すことができたと思います。


 しかし、ナツの一言によって、まだ決めかねていた一つの重要な要素が浮かび上がるのでした。


「サラ、右目はどうするの?」


 その問いかけにより、私の中にずっと残り続けている問題が再び表面に引き出されるのでした。


 ですが、正直なところ、目をどのように描くべきなのか、その答えはまだ見つかっていなかったのです。


 なので私は、素直に「実は、まだ決まってないんだよね」と答えました。


「……だから、もうちょっとだけ時間をくれないかな?」


「あいよ」


 あえて目に色を塗らないという選択肢も考えたのですが、それではこの女性への敬意を欠くことになると思ったのです。


 レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉ですが、『目は人間の魂を映し出す窓』とも言われています。


 この重要な部分をどう表現するのかで、作品全体の印象が大きく左右されるのです。


 なので、最終的に私が選ぶものは、彼女自身の物語だけでなく、私たちの物語。


 そして、この作品を目にするすべての人々の物語とつながる独特の魂を象徴するものでなければなりません


 私たちがこの作品を通じて伝えたいメッセージ、そして、この女性が私たちに伝えるべき真実とは、何なのか。


 その答えを求める旅は、まだ少しだけ続くのでした。

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