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巣食う悪魔
彼の心の奥底には、恐怖という怪物が住み着いていた。
過去の傷が彼を縛り、他の女性とのつながりを避けさせているのだ。
青年期のトラウマが彼を暗闇へ引きずり込むと同時に、膨れ上がる不安と苦悩に苛まれるのだった。
影響は深く、それを完全に消し去ることはできない。
彼の目に映る女性たちは、皆、複雑であり、脅威的である。
いつしか彼は、個々の女性の多様性を見逃し、天使たちさえも「女性」という単一的な、悪魔のような存在として扱ってしまっているのだった。
過去の経験が彼の心を鎖で縛り、不信と恐れを根付かせているのだ。
運命が彼を不運な出会いへと誘う中、しかし出会いには、偶然の要素以上の意味がある。
彼は現在の罪を癒やすために、冷たい監獄の中でひとり深く考える。
過去の出来事が彼の心に残した傷跡が、いつもよりもっと痛み出しているようだった。
心の奥底では、深く深く渦巻く疑問が潜んでいた。
「なぜ僕は、すべての女性を『悪い存在』と見なしているのだろうか……」と。




