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ハーレム学園に勇者として召喚されたけど、Eランク判定で見事にボッチです~なんか色々絡まれるけど、揉め事は全てバイオレンスで解決~  作者: まんじ(榊与一)
ハーレム学園編

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第45話 合流

「は?何言ってんだお前?」


魔神帝ラヴォース。

確か200年前ぐらいに、この世界を滅亡寸前に追い込んだ奴だったっけか。

急に自分がそれだと言い出すとか、頭のねじが飛んだとしか思えない。


「こんな奴が国のトップとか、残念な国だな」


まあ黒いオーラの影響なんだろうが。


「くくく……信じられぬか。それも無理のない話だ。私の本体は、あの忌々しい封印によって縛られているのだからな」


さり気無く、相手の戦闘力をチェックしておく。

俺は案外慎重派なので。


……7億か。


その数値は、最初に確認した際の倍にまで上がっていた。

今まで相手して来た相手の中でも、ダントツ最強だ。


ま……それでも俺の敵じゃないけど。


「この宝玉」


女王が、開いた胸元に埋まっている黒い宝玉を撫でる。

それはまるで生きているかの様に、不気味に脈打っていた。


きんも。

寄生虫か何かか?


「これは封印に繋がっている。そして封印内の、私の力を吸い上げる効果をもっているのだ」


そこまで聞いて、ピンときた。


「成程。力を引き出し過ぎて、逆に乗っ取られたって訳か」


ゲームや漫画なんかだと、よくあるパターンだ。

過ぎたるはなお及ばざるがごとしじゃないが、欲張るとロクな事にならないという典型だな。


「しかし、魔神帝ラヴォースねぇ……」


魔神帝がやばい奴だってのは、学園の授業で習っている。

勝者側の教科書に載ってる事を鵜呑みにする気はないが、明から過ぎる邪悪な奴のオーラを見る限り、ほぼ事実と考えていいだろう。


そういや、魔神帝はリリスの父親だったっけか。

おピンクお馬鹿な彼女とは、全てにおいて次元が違う感じだ。

本当に親子かと疑いたくなる。


「全人類の敵みたいな奴が、態々名乗ったって事は……俺と戦うって事でいいんだよな?」


「くくく、理解が早いな。喜べ、この私の手にかかる栄誉を」


「そりゃめでたい」


軽く肩を竦める。

本体の強さがどの程度かは知らないが、現状の7億程度で俺に勝てると思ってるなら、本当におめでたい奴だ。


ボコボコにして教えて上げよう。

魔神帝に現実って奴を。

俺は優しいからな。


「安心しするがいい。貴様のお陰で自由の足掛かりが出来たのだ、楽に終わらせてやる。だから無駄な抵抗はするな」


「お優しすぎて涙が出てきそうだ。お言葉に甘えて、無駄な抵抗は止めておくさ」


魔神帝が全身に黒いオーラを纏わせ、突っ込んで来た。

奴はその勢いままに、手刀を俺の胸に突き立てようとするが――


「ほぅ……」


――俺はそれを片手で止める。


「宣言通り、無駄な抵抗はしないぜ。 無駄な抵抗はな(・・・・・・・)


「成程。この体の持ち主が、限界を超えて力を引き出そうとしただけはある様だな」


「今度はこっちが攻撃するぜ。歯を食いしばりな!」


そう宣言し、俺は魔神帝の腹に拳を叩き込む。


「がっ……」


え?

歯を食い縛れって言ってなかった?

うん、ただ言っただけ。

顔を殴るなんて言ってないぞ。


だいたい、女性の顔を殴る様な非情な真似、紳士の俺に出来る訳ないじゃないか。

HAHAHA!


「ぐぅぅぅぅ……」


「落ちな!」


腹部への一撃が相当効いたのか、魔神帝が苦痛に体を大きく屈める。

俺はその剥き出しになった奴の後頭部に、両手を握り合わせ、ハンマーの様に上から叩きつけてやった。


奴の体が、その衝撃で急落下していく。


「全裸で超上空はちょっと寒いからな。続きはもう少し低い所でやらして貰うぞ」


現在は雲の遥か上だ。

超絶健康優良児とは言え、流石に裸でずっとこの場所にいると風邪を引く恐れがある。

健康管理は大事だ。


「よっと」


奴を追って、俺も急降下する。


「上昇と違って、落下は何か気持ち悪いな」


何と言えばいいのか分からんが、とにかく、内臓的な気持ち悪さを感じる。

まあそれも直ぐに慣れたが。


「あいつ、地上まで行くつもりか?」


かなりのダメージを与えはしたが、気絶まではしていないだろう。

一応女王の体なので、やり過ぎない様少しは手加減したからな。


まあ死んだら死んだで、爺さんの時の様に即時蘇生でもいいんだが……


まあとにかくだ。

奴は気絶していない。


だから適当な所で踏ん張って、反撃して来るかと思っていた。

なのに奴は全く動きを見せない。


「流石に、死んだふりって事はないよな?」


偉そうに魔神帝とか名乗って、こっちの隙を突く作戦とかだったら余りにも格好悪すぎる。


「ま、いいけどな。落下地点は学園から少しずれてるし」


叩き落す際に少し角度を付けておいたので、落下地点は学園からずれている。

だから続きが地上戦になっても、他の生徒を巻き込む心配は無いだろう。


「ん?あれは……」


落下する魔神帝を追って下降していくと、下から上昇して来る人影に気付く。

それは見覚えのある姿だった。


「リリスか」


リリスと合流するかの様に、魔神帝の落下がぴたりと止まる。

どうやら奴は上昇して来た彼女に気付いて、落下し続けていた様だ。


まあ親子だしな。

父親のピンチに娘が駆け付けるのは、それ程おかしい事ではない。


「父親を助けに来たって訳か」


停止した魔神帝に追いつき、俺はその横にいるリリスに声をかけた。

まあ邪魔するなら、一緒にボコボコにするだけだ。

多少厄介ではあるが、力では俺が勝ってる訳だし行けるだろう。

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