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ハーレム学園に勇者として召喚されたけど、Eランク判定で見事にボッチです~なんか色々絡まれるけど、揉め事は全てバイオレンスで解決~  作者: まんじ(榊与一)
ハーレム学園編

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第16話 責任

「理事長に用があって来たんだけど」


理事長室前。

警備の人間が二人立っているので、俺は用件を伝える。


流石にこいつらを無視して勝手に中に入ったりはしない。

理事長相手に気を使う必要は全くないが、来客の対応をしている可能性もあるからな。


「勇者墓地だな。理事長から貴方が来たら、無条件で中に通せと言われれている」


警備の兵士が、胡散臭い物を見る様な視線を俺に向ける。

理事長はなぜこんな奴を特別扱いするのか?

とか考えてそうだ。


ま、一言でいうなら人徳って奴である。

なにせ殺されても文句の言えない状況下で、命を取らずに済ませてやった訳だからな。

もう足を向けて眠れないレベルに、理事長は俺に感謝している事だろう。


「そ、じゃあ入るぜ」


扉を開けて中に入る。

相変わらず理事長室は無駄に広い。


「こ、こここここれは墓地様ではありませんか!?今日は一体どういった御用件で!?」


入って来たのが俺だと気づいた理事長は、慌てて席から立ち上がり、俺の方に駆け寄って来た。


「俺の噂って知ってるか?」


「それは……その、あの何と言いましょうか……人の口に戸は立てられぬと言いますか……」


俺の言葉に、理事長は答えにくそうに言葉を濁す。

どうやら知っている様だ。

そしてその事で、俺が怒っているとでも思ったのだろう。


「暴力野郎って噂は事実だし。それ自体は気にしてないぞ。だから、別にその事で文句を言いに来た訳じゃないから安心しろ」


「そ、そうですか。ではいったい何用でお越しになられたのですか?」


「どうも、俺をここから追い出すための署名を女生徒達が集めてるらしい」


「なんと!?それは流石にあれですな!そういった行為は控える様、学園側から働きかけを致し――」


「いや、止めなくていい。代わりに署名が提出されたら、載ってる名前の馬鹿共全員を集めてくれ」


「は?あ、あの……質問なのですが、集めてどうされるのでしょうか?」


「ん?そんなの決まってるだろ?全員ボコボコにする」


分かり切ってる事を聞く奴だ。

人を呼び出すのなんか、相手を攻撃する時以外ないだろうに。

理事長だって、俺を呼び出して言いがかりを付けてきた訳だしな。


「ま、待ってください!生徒達は墓地様の噂を恐れているだけなのです。署名もきっとそのせいでしょうから、どうか寛大なお心でお許しいただきたい」


理事長の言葉にちょっとびっくりした。

自分の命が飛ぶかもしれない状況で、生徒達を庇おうとした事に。


「屑だとばかり思っていたけど、生徒の事を思いやる気持ちは持ち合わせているんだな」


「わ、私はこの学園の理事長ですので――ぎゃぁぁっっ!?」


腹が立ったので、理事長の右肘を完全に粉砕する。


何に腹が立ったのかだって?

俺の事は排除しようとしていた癖に、他の生徒だけは守るとか面と向かって堂々と言ってくる糞マインドにだ。


ざっけんな。


因みに、室内に入った瞬間結界を張っているので、外には理事長の悲鳴は聞こえていない。


「無責任に俺の事を召喚したのは誰だ?」


「それは……くぅ……私達です」


肘を粉砕された理事長は、苦痛に脂汗を垂らしながら俺の言葉に返事を返す。


「だよな?何の許可も取らず、しかも帰せないってのにお前らは俺を召喚したんだ。勝手に」


そんなふざけた真似をしている以上、彼らには俺の面倒を見る責任がある。

にも拘らず、こいつらは俺を排除しようとした。

そのあまりにも理不尽過ぎる行動から、俺は理事長達に呪いをかけた訳だ。


――2度とそんなふざけた真似をさせないために。


「俺も相手が只の学生なら、署名程度で殴ったりはしないさ。でもあいつらは違う。自分達の意志でこの特殊な学園に入学してるんだろ?」


「はぃ……その通りです」


この学園は、勇者にハーレムを構築させるための場だ。

そして話を聞く限り、女生徒は強制されてこの学園に来ている訳ではない。


――つまり彼女達は、勇者召喚から何らかのメリットを享受するためにこの学園へと入学しているのだ。


「それってつまり、勇者召喚には賛成してるって事だよな?」


もし反対してる様なら、この学園に入学したりはしないだろう。


「……そ、そうなります」


「理不尽な一方通行の勇者召喚に賛成して、利益を得る立場にある以上、そいつらにも呼び出された勇者に対する責任がある。違うか?」


自分達はただ学生として通っているだけ。

そんなふざけた言い分は、当然俺には通らない。


「確かに……その通りです」


「なら、その責任を取るべき相手を――」


俺は理事長の胸ぐらを掴む。

苦しそうにしているが知った事ではない。


「――怖いから追い出すなんてふざけた真似を、俺が笑って許す訳ない事ぐらい分かるよな?」


そもそも、俺が怖いってんなら自分達が出て行けばいいだけの話である。


利益のために学園には残りたいから、俺に出て行けだ?

ふざけるにも程があるぜ。


全員ぶちのめす。


「わ……分かりました。御指示の通り……署名に協力した者全員を集めます。ですので、どうか……」


「分かればいい」


用件は伝えた。

俺は結界を解除し、理事長室を後にする。

拙作を読んで頂きありがとうございます><


「気に入った。悪くない。面白そう」


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― 新着の感想 ―
[良い点] 筋が通ってる。主人公の言動に全て共感する。 [一言] 主人公が間違っていた(彼基準の中で)場合にキチンと筋を通せるのか?ってとこがあるとなお面白そう。
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