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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

悪役令嬢はヒロインを椅子にする

作者: ryo-k

「サラ・シェラザード!貴様との婚約を破棄する!」


 ……一体何を言っているのかしら、殿下は。何という場違いな発言を。今日は学園の卒業記念パーティーだというのに。これが王族のやることかしら?

 私には欠片も理解できません。


「貴様のような人間に、王太子たる僕の婚約者はふさわしくない!」


 別に私も貴方と婚約なんてしたくありませんでしたわ。公爵であるお父様と国王陛下が、勝手に決めた話ですし。そもそも第一王子殿下でなく、第二王子である貴方が何故王太子なのかも理解していないのかしら。

 まぁ、理解していないからこんな奇行に走ったのでしょうね……


 それよりも婚約破棄ですか……ふふっ。


「私は一向にかまいませんわ。婚約破棄の申し出、喜んでお受けいたしましょう」


 婚約破棄はこちらとしても、願ってもいないことです。今日はなんて素敵な日なのかしら。


「それだけじゃない!すぐにマリアを解放しろ!」


 殿下の戯言が未だ収まる気配がありません。……いったい何を仰っているのかしら?

 殿下のいう「マリア」というのは、マリア・ミュレーズ子爵令嬢であってるのかしら?

 学園内にマリアという方は彼女しかいませんから、多分そうなのよね……?


「解放?……一体何のことかしら」


 私はマリアをそれはそれは大切に可愛がっているというのに、それを解放しろ!とかわけの分からないことを仰って……殿下の頭は本当に大丈夫かしら?

 きっと立ちっぱなしでお疲れなのですわ。騎士の訓練もサボっていた殿下ですもの。


 私のように、椅子に腰かけて休憩すればいいのに……


「とぼけるな!今貴様がマリアに行っている非道に決まっているだろ!」


「私、貴方に非道なことしてるかしら?こんなにも可愛がっているというのに……ねぇ。マリア」



 私が休憩できるように、四つん這いで椅子になってくれているだけですのに。

 これのどこが非道なのかしら……






 ――話は少しさかのぼる。

 王立学園の卒業記念パーティーが開始してしばらくしたころ。

 

 マリアは、学園でも食べたことのない王宮の料理人が作った料理の数々を堪能していた。

 マリアの現在の立場は子爵令嬢であるが、亡くなった彼女の母が子爵家の元メイドであり、その時に子爵が手を出した。その時に身籠ったのがマリアだ。

 そのため、子爵家の庶子ということもあり、子爵家での彼女の扱いは決してよいものとは言えず、学園に通っているのも、伯爵以上の家の令息を捕まえてつながりを得ようという子爵の思惑によってだ。


 もっとも、今のマリアにはそんなこと関係ないと言わんばかりに料理に夢中であるのだが。

 それに伯爵以上とのつながりを得るという意味では、目的は実は達成していたりする。子爵が予想していない方向でだが……


「……うーん!おいしい!……次はあっちのお菓子にしようかなぁ……それとも、あっちもいいかも……」


 そんな料理を味わうマリアの姿を一人の男性が目にした。

 その男性はマリアのもとまで歩いていき……


「随分おいしいそうに食べるね……」


「……あっ。大変申し訳ありません。お見苦しい姿をお見せしてしまって……」


「そんなことないさ。僕はそれくらい明るくて元気な子が好きだからね」


「ありがとうございます」


「知ってるかもしれないけど、僕はレオン・ザッカ―ド。お名前を伺っても」


「初めまして、レオン殿下。私はマリア・ミュレーズと申します」


 そう言うとレオンに若干ぎこちないながらも、奇麗なカーテシーを披露するマリア。


「ミュレーズ……君があのミュレーズ子爵の。とても元平民には見えないな」


「ありがとうございます。ですが、まだまだ至らぬ点ばかりで……殿下にお見苦しいお姿を……」


「そんなことないさ。君には他の令嬢にない可愛らしさがある。どうだい?この後僕と一緒に――」


「マリア」


 レオンが最後まで言葉を発する前に、マリアを呼ぶ声が聞こえる。レオンは普段から聞いているその忌々しい声に、反射的に振り向く。

 声が  した途端、その周囲がしんっと静まり返り……


 カツン……カツン……


 とヒールの音が響き渡っている程。


「楽しんでる?」


「はい!サラ様!」


 声の主であるサラの普段以上の美しさに、周囲の令息令嬢は皆魅了されて、目を離せないでいる。


「そう、それはよかったわ。私の方は、先ほどまでご老人方とお話ばかりで、少し疲れましたわ」


「サラ様。何か飲まれますか?」


 そう言うとマリアは、サラにワインの入ったグラスを差し出す。


「ありがとう。先程まで立ち話でしたから、少し一休みしたいわね……マリア」


「……かしこまりました!」


 そう言うと、マリアは手に持っていた料理を机に置くと、マリアの前に四つん這いになる。

 その光景を見て騒然となるレオン。


「ま、マリア?一体何を……」


 サラはレオンに見向きもせず、ごく自然に四つん這いになっているマリアの背中に座り、ワインに口をつける。

 

「言い座り心地だわ……。いい子ね、マリア……」


 そう言うとマリアの頭を撫でるサラ。マリアもその行為に悦んでいるように見える……






 ――全く。ろうが……ご老公方の相手が終わった矢先に、なんで殿下の相手までしなければいけないのかしら。


「マリアは私の物ですわ。殿下にとやかく言われる筋合いはありません」


「うるさい!マリアは人間だ!そのような非道。この僕が許さない!」


「別に殿下の許しはいりませんわ」


「黙れ!」


 本当に殿下とは話になりません。昔から人の話は全く聞かないのは、困ったものです。これが時期国王とは、下手したら王国滅ぶんじゃないかしら?

 まあ、私と婚約破棄して、果たして王太子でいられるかしら?


 サラはレオンの発言が鬱陶しくなったため、仕方なく椅子になっているマリアからその場に立ち上がる。


「立ちなさい。マリア」


「……かしこまりました」


 マリアは、少し不満のこもった声でサラの横に立ち上がる。


「……ふふっ。後でもっと可愛がってあげるわよ?」


「!……ありがとう、ございます……」


 そうマリアの耳元でささやくと、マリアは私の吐息にビクッと反応している。その反応を見てたらゾクゾクしてきたわね……ああ、早く可愛がってあげたいわ。


「マリア。君はその女に脅されているんだろう?」


「いいえ。決してそのような事はありません」


 脅して従わせる……そう言えば、私の周りに最近隣国からのスパイの子がいたわね。今度その子で試してみようかしら……


「大丈夫。僕が君のことを守るから。一目見たときから、君に恋してしまった」


 陳腐なセリフね。それで女性が口説けると思っているのならお笑いものだわ。

 それにしても殿下は、マリアと何時知り合ったのかしら?

 私が学園内でマリアと一緒にいないのは、授業の時位ですけど、殿下もクラスは違いますし……。


「だから私と結婚しよう?」


「私では、殿下と身分が違います。それに、殿下とは先程初めてお話ししたばかりですので、いきなりそのようなことを言われても……」


 ……つい先ほどの話?今一目惚れしたから、結婚しようって……

 

 それは…………はっきり言って気持ち悪いわね。


「それもその女に脅されて言わされているんだろう?大丈夫だから、私を信じてほしい」

 

 駄目だ。全く話が通じていません。


 その時です。会場の入口の扉が開かれ、会場内に誰か入場いたしました。

 それに合わせて、私含め殿下以外の方全員、臣下の令をとります。会場にいらっしゃったのが、国王陛下であらせられる為です。

 王宮の一室ですし、公務を終えられてからこちらにいらしたのでしょう。


「レオン。この騒ぎはどういうことだ?」


 当然陛下の耳にも、ここでの出来事が届いているわけで……


「父上。この女は私の婚約者にふさわしくありません。ですので、婚約を破棄しました!」


 その言葉を殿下の口から聞いた国王陛下は、酷く飽きれた様子で思わずため息をついておられます。


「そうか……レオン。お前の王太子位を剥奪する」


 まぁ、そうなりますわよね。


「な、何故なんですか!」


「お前がサラ嬢との婚約を破棄したからだ」


 そう言うことです。

 元々婚約は王家から打診された事です。私は死ぬほど嫌でしたが、流石に陛下に逆らう愚か者ではありません。

 言われた通りに受けるのも癪だったので、いろいろ条件はつけさせていただきましたが……


「しかしこの女が、王妃にふさわしくないのは事実です!この女は僕のマリアに日常的に暴力を振るって、彼女を辱めています!僕がこの目で見ました!この女がマリアを床に這いつくばらせて、椅子のように扱っているのを!」


 マリアは私の物ですわ。何時から殿下のものになったと?


「それがどうした?」


「それがどうした……え?……何を仰っているのですか父上?」


「お前が言っていることは、サラ嬢とマリア嬢のかわした契約の範囲内の事だ」


「!け、契約……ですか?」


 本当に何も理解していなかったのですね、殿下は。

 私はマリアと契約をかわしたうえで行っておりますの。


 つまり――()()()()()()()()()()()()()()()()ですわ。


 私がマリアの事を最初に知ったのは、成績上位者にマリアの名前が掲載されたときです。

 お茶会の時に聞いたことがない名前でしたから。

 その後は、確かマリアが他の令嬢に言い寄られている時ですわね。その時の彼女の表情が、怯えているというよりはむしろ、物足りなそうにしていましたの。


 その場に行き、彼女と目を合わせたとき、確信しましたわ……彼女は私と同じだと。

 実際その場でマリアを蹴とばして足蹴にしたとき、マリアはとても悦んでいました。


「あなた、私の玩具になりなさい」


 それを聞いたときのマリアの恍惚とした表情は……思い出しただけでゾクゾクしますわ。



「契約は私も両者に自白剤を用いて確認した上で、許可を出している。契約書にはお前も目を通しているはずだが?」


「わ、私はそんな書類知らない……」


 やっぱりね。殿下は碌に書類の内容も確認せずに判を押していましたから。いつも注意していたのに全く改善されませんでしたね。

 陛下も分かっていたようで、殿下のところに回る書類の中に、重要な書類はありませんでした。





 ――その後殿下は、陛下の命により大事な祝いの席の邪魔をしたとして、会場から追い出されました。

 しばらく謹慎処分の上、王子教育を一からやり直すとのことです。

 廃嫡にならないだけ陛下も甘い処置ですね。

 まぁ、私には関係ありませんが。



 その後も何事もなかったかのようにパーティーは再開された。

 私も少し疲れましたので、マリアの上で一休みしています。



 やっぱりマリアは言い座り心地ですわね。

 そう言えばつい先日、家の庭に新しい薔薇園が完成したと連絡がありましたわね。今度マリアと一緒に見てみようかしら。




 そうだわっ!……イイこと思いついた♪




 ――早速首輪とリードを手に入れないと。




 想像するだけで……今から愉しみだわ。



 


 ――私の可愛い玩具(マリア)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 私はこのような幸せな相互BDSM百合を見るのが好きです。 マリアさんが椅子になりたいのなら、彼女に任せてください! 見た目がおかしいとしても、二人とも幸せです。 愚かな王子が追い払われたの…
[良い点] 悪役令嬢が受け入れた、と言うか歯車が噛み合ったルートか
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