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4 吸血鬼ということ

ザイアスside



村の酒場で食事をいただいていたところ、常連らしき四人組がやってきた。人当たりが良さそうな人たちで、俺たちも自然と会話をしていた。


話が弾んできた頃、常連のうちの一人が聞いてきた。


「ところで気になってたけど、みんな吸血鬼か?」


ノア、マリッサ、アメリアはどう返答するか悩んでいそうだった。かくいう俺も本当のことを言うべきか少し悩んだ。


失礼かもしれないが辺境の地であるペイシルで吸血鬼がどう思われているかわからない。もしかしたら忌み嫌っているかもしれない。だが、以前吸血鬼が住んでいたと聞いていため、本当のことを言っても大丈夫だろうと判断した。



「俺とノアが吸血鬼です」


少し場の空気が重くなったように感じる。判断を間違えたか。ノアが雰囲気を察してフォローをいれてくれた。


学園に通ってたときに、学食などで人とも話すことは合った。通っていた学園は、人と吸血鬼を明確に分けることはせず、講義の時間帯も夕方くらいから被っていた。

学食であった人に吸血鬼だと言うことを話したら離れていく人も怖がる人もいたことを思い出す。吸血鬼が通う夜間部に在籍していたことや、隠す必要もなかったため特に隠してはいなかった。


「いや昔、山にいた吸血鬼の兄ちゃんと雰囲気が似ててな」


場の空気が重くなったのは、どうやら違う理由だったらしい。山にいた吸血鬼はどうやら村に馴染んでいたと想像できる。おそらくこの酒場まで頻繁にきて、よく話していたのだろう。でなければ自身が吸血鬼であることを明かす機会がない。


そう考えながらワインを飲んでいると話がどんどん暗くなっていった。

話を聞いているとクロと呼ばれる吸血鬼はこの村の人たちにとてもよく思われていたんだろうと感じた。また、自分から吸血鬼と名乗るくらいには、この村の人たちを信頼していたんだろうとも。


もし、自分が学園に通ってたときに夜間部ではなかったらごまかしていたかもしれない。

それくらいには吸血鬼の存在が人間より少ない。


「兄ちゃんたち気分悪くさせてごめんな。今日は俺がおごるからさ」


そろそろいい時間になる頃に、話は終わりを迎えた。マリッサが断るが、結果的に甘えることにした。


気さくな人たちだった。アンネさんとハンナさんもだが。小さな村だからこそなのか。


常連たちが帰っていき、俺たちもそろそろ部屋に戻ることになった。

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