最深部
その部屋にいたのは、ドラゴンだけであった。それを見た瞬間に両親は、もうこの世にいないことを察した。そして、憎しみのままに戦い始めたのだった。
相手のレベルは、80。勝てそうにないが、そんなことは考えていなかった。ただ、こいつを殺したい。それだけだった。すべてのスキルをフル活用し、この戦いは、二十時間を超えていた。そんなに戦えていたには、理由があった。俺は、だいたいの攻撃を「平行世界」を使い無効化し、ドラゴンは、体力がとても多かったのだ。だが、俺は身体強化の発動時間の限界をとうに超えていた。
(このまま戦っていたら、負ける…)
そう感じ、最後の賭にでた。平行世界を使い、腕を無理やり千切り、身体強化のついた拳にプラズマをまとわせ殴りつけた。ドラゴンは倒せたが「鬼神」使いすぎでふらふらだった。ドラゴンの死体からフラッグを見つけ、それを拾って、そのダンジョンを後にした。外に出ると夜になっていた。もう戦えなさそうだったため、フラッグを立てて、魔物が入ってこない事を祈りながら眠りについた。
顔にあたる日の光で、目覚めた。確認するとダンジョンに入ってから5日もたっていた。そして自分の隣で何の注意もせず。寝ている存在に気づいた。それは、中学時代のクラスメートだった「恵」だと理解した。だが、視界の端にあった鏡に映る真っ白で長い髪で男だったら美少年、女だったら美少女のような顔した存在が誰かわからず鏡に近づくとその存在は、自分だと理解したのであった。