救出
(なんで...こんなことに..)
俺の家だけでなく近所の家まで飲み込んで大きなダンジョンが出来ていた。その前に立ち尽くしていた俺に市役所の人が話しかけてきた。その人は、住人の生存確認や、避難誘導をしていたようだ。
(俺の両親の新城百合と新城宗一を知りませんか)
俺は、最後の希望をかけて聞いた。だが、期待していた答えは返って来なかった。
(新城百合さんは、このダンジョンが出来たとき家に居たようでおそらくこの中にいると思われます。新城宗一さんは、百合さんを探しにダンジョンに入ってしまいました..)
まだ、この中で生き残っているかも知れない。俺は諦めきれず、ダンジョンに入った。
ダンジョンの中は、薄暗く、魔物も外にいるものと比べるとレベルも高かった。隅々までよく確認しながら魔物を倒した。地下50階が最深部のようだ。最初は、本気を出さずに一撃で倒せるものばかりだったが、30階までくると、苦戦し始めた。45階では、水と雷を操る魔物「ウォーターウィザード」が出てきた。レベルは、50と相手の方が少し上。まだ勝てそうに見えるが、属性不利のせいでとても大変だった。相手に炎を消される前に水を蒸発させ、雷を平行世界に閉じ込める事で、溜めていた魔力を消費し過ぎたが、どうにかこうにか勝った。
そうして、レベルが55になったときに最後の部屋にたどり着いてしまった。この奥に2人がいることを期待しながら扉を開いた。