「大禍津日神《オホマガツヒノカミ》」(2)
少女が泣いている内に俺は図書館の中を「蓮ノ華」を使い、浄化した。少女は落ち着くと自分の事を話した。その少女の名は朱梨といい、スキルを得た時から、発動を止められなかったそうだ。そして人間さえも腐らせる事を理解し、人が比較的少なかったここに閉じこもっていた。
「俺のスキルで打ち消せたが、ずっとこの状態じゃだめだ。自分で制御出来るまでは手伝いはしてやるけど」
制御するためにはスキルを理解しなければならない。「全知全能」で調べて見ると、金属を錆びさせたり、物を腐らせたり出来る。さらに腐らせるだけでなく、毒も使えるらしい。また、「腐蝕植物召喚」でラフレシアを周りに咲かせられ、「腐蝕神降」でヒドラを出せる。
「なあ、このヒドラってどういうのか知ってる?」
「「「知らない」」」
ここにいる全員がヒドラについて何もしらず、図書館の本で必死に調べたのだった。
「大禍津日神」について調べ終わると、図書館を出て新たな場所に向かう算段を四人で立てた。今回の戦いで俺は2つの力を手に入れた。
「蓮ノ華」 物を浄化する
「覇王花」 物を腐蝕させる
話し合いをしていると朱梨から新たな情報を手に入れた。ある集落が政府を支配しようと、戦争を始めようとしているのだった。
「じゃあ政府を助けに行こう!」
「「「おー!!」」」
同時刻、東京某所。今回の戦争の立役者、斎藤隆二は政府を確実に倒せる作戦を部下の進藤宗一と共に考えていた。
「斎藤さま。こちらの兵士は3000、あちらは周囲の力を借りても500を越すか怪しいところです。つまり、正面から戦っても勝てるのではないでしょうか?」
「これからでかい国を造るんだぞ。人数は出来るだけ減らさないように戦うんだ。しかも今の戦争は人数なんてそこまで関係しない。勝敗を分けるのはスキルだ。」
「あなた様のスキルがあれば簡単でしょう。『獣神』が。しかも、こちらには聖騎士も何人か居ます。楽勝でしょう」
「それもそうだな…じゃあ、行くぞ。目指すは国会!そこにあいつ等はいる。開戦だ!!」




