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傍若無人なる至高の聖女  作者: 抹茶な紅茶
忘れられた地下牢の姫君
7/93

時代は体感巨砲主義


馬のいななきと鉄のぶつかり合う音が山岳地帯の街道で聞こえてきた

煌びやかに全身を重装甲で装着している100名の騎士団による行進である。

ユスティネス領で跳梁跋扈するゴーレム集団の討伐を目的としており、

とくに隊長であるユリティーナ姫のやる気(恨み)がみなぎっている。


「絶対に破壊してやる!!」

騎士団の先頭をいく長い金髪を兜に隠した完全武装の女性騎士に、

恨みによる黒い瘴気なようなものを放出しており、

まわりの騎士は 少しいやがっている感じである。


「姫、すこし落ち着いて、瘴気の発散を止めてください!!

周り者が いやがってますぞ!!」

この騎士団の副団長であり、実質の指揮官であるラウリは通告した。


ユリティーナ姫は、その魔力により最大火力を放てる魔導士ではあるが、

軍の指揮など 執れるだけの経験もなく若いということから、

形式的な団長である。


「うぬぬぬぬぬ。 妾の恨みが外部に漏れていたのか!!!」

ユリティーナ姫は 兜の顔面を覆うバイザーを開け、

まわりの瘴気を口で吹き払うのであった。

ふ~ふ~ふ~ふ~


「姫・・・・・  ん!」

ラウリは、なにかを言おうとしたがやめた。


その後、すれちがう村人やら、旅人からゴーレム情報を聞き込み、

どうやら この辺りで怪しい連中が動き回っていることが判明した。


この山岳地帯を中心とした地域がゴーレムの巣に違いない!!

再び、ゴーレム討伐に意気があがるユリティーナ姫に

黒い瘴気が漂うのであった。


「姫! 影黒面エイコクメンに落ちかかってますよ 」

ラウリの指摘に 再びバイザーをあけて、

ふ~ふ~ふ~ふ~するユリティーナ姫であった。 





付近を警戒しつつ、街道を行く騎士団になにやら、叫び声や悲鳴が聞こえた!

「なに!!」


ユリティーナ姫はバイザーを閉め、いよいよ決戦かと決意!

急ぎ、騎士団は悲鳴の方向に急行するのであった。




そこには、今にも荷馬車隊を襲撃しようとしているゴーレム団!!

それに対して、荷馬車隊の商人親子の護衛と思われる冒険者たち4名が立ちふさがっていた。

数的にかなり不利で 冒険者たちが徐々に追い込まれている。




「よくも妾の顔を だいなしにしてくれたわね!! 100倍返しよ」

ちなみにユリティーナ姫の顔どころか、体全体も完全完治しており、

傷すらついてません!!


荷馬車隊を襲撃している最中の盗賊団20名の男たちが、女の声に振り向いた。

「げっ 騎士団だ!」


「え~~ ゴーレム団では ないじゃないの!!

なんて、紛らわしいの!!」


襲撃され防戦している荷馬車隊親子と護衛冒険者たちを真ん中にして

盗賊団と騎士団が対峙する。




「魔弾雷雨!」

ユリティーナ姫の素早い詠唱により、盗賊団の頭上に魔法陣が形成、

彼らが頭上を見て、避けようとしたときには遅かった。


どどどどどどどど~  ばしゃーーーーーん


強力な放電現象が盗賊団たちを襲い、鋭い光が辺り一帯を照らし目を眩ませた。

ちょっとした弱い雷のようなものである。


盗賊団は またたくまに吹き飛ばされ、地面に倒れ伏し、痙攣をおこしている。

敵は全滅である!!


あっというまの出来事だった。  


騎士団も唖然!!

商人親子と冒険者たちも唖然!

ユリティーナ姫は どや顔!!



「姫! いや、いいのですが!」

ラウリは、騎士団の団員に戦わせて、

実戦経験を積ませたかったのだが・・・

しかしながら、荷馬車隊にいる一般人の安全性を図るには、

姫の魔術で、一撃で決めるのも正しいやり方!!


その後、騎士団によって、盗賊たちは捕縛された。


姫は嬉しそうに 片手をあげて勝利宣言!!

「 ゴーレムじゃなかったけど、八つ当たりできてよかった! 」


「 姫! ここは、もうちょっと威厳のある発言をすべきかと 」

ユリティーナ姫はラウリと目があう。


「・・・・・・・」

「 通りすがりの名もない騎士団だ。ちょっと趣味で盗賊を倒してるだけよ! 」

なにかヒーローものぽいことを言おうとしたらしい。


「姫 なにか突っ込みを、お望みで!?」

「いや、 聞き流してくれていいよ」

顔をあちら方向にむける姫だった。


-------------------------------------------


それから、荷馬車隊の親子と冒険者から、お礼を言われ感謝された。

「あれが 噂の姫様なんですね」

「なんて、お強い!」

「まるで聖女だ!!」


なにかと悪評と重税を課す父親のユスティネス公爵と違い、

娘のユリティーナ姫は評判が良かった。





その後、ゴーレムを追跡する合間に 次々と盗賊団を撃破し、

悪代官を処罰し、領民の要望を聞きつつ騎士団を率いて、

公爵領を回り続けるのであった。


「ユリティーナ姫、 ばんざーい」

「聖女様、 ばんざーい」





ついに・・・本物の聖女が主人公に立ちふさがるのか!?

------------------------------------後半につづく!!!







私室で最後の書物を読み終えた。

「そろそろ準備かな・・・・」


私は17歳だ。ミルヤから貰った書物も読み切り、魔法書もだいたいマスターした。

ここから脱走する時期かもしれない。


盗賊や魔物が徘徊する世界に飛び込むのだから、

それなりの武器が必要だね!!

物語に出てきた勇者が持つような武器!!


いよいよ、有り余るほどの鉱石を使い武器を作るのだ!!

でもでも、私は剣術を知らないので、手軽につかえる小刀がいいよね。

そのかわり、魔法系の要素を徹底的に叩き込み魔法武器とすることにした。



小刀を製造するために特別にあつらえた鍛冶場専用部屋を、

この時のために作っておいた。


私は、いくつかの原材料をためして、いろいろ実験を繰り返した。

実際に作業をするのはゴーレムさんたちなので、

私は原材料の配合を指示するだけなんだけどね。


出来上がった刃を、岩にぶつけたり、魔力を込めたりと

様々に試行錯誤を繰り返したのであった。



そして、究極の小刀製造に適した配合比率を見つけ出すことに成功した。

この結論にもとづき いよいよ完成品の制作にとりかかることになる。



アダマンタイトとオリハルコン、シビラをまぜた合金に、

強力なゴーレムによって 何度も折り返し鍛錬する。

何度も 何度も・・・・・

その期間は1ヶ月間。


カーン カーン カーン カーン カーン カーン

刀の刃が赤く輝いてくる。


カーン カーン カーン カーン カーン カーン

刀全体に魔力が帯びだした。


鍛冶場は大変暑いので、私は近づきませんでした。

なんたって、鍛冶場の温度でゴーレムの岩が溶けだしてるぐらいだものね。

というか、人が入れる温度じゃないと思う。


そして ゴーレムは完成した刀を片手で持ち上げて、

あたかも勝利宣言をするかのように私の前に現れた。


パチパチパチパチパチパチパチパチパチ


おもわず拍手する私。


----- 刀身の完成 -------



それから、最終仕上げとして、

以前に、ゴーレムさんたちによって手に入れたドラゴンの牙を使用する。


このドラゴンの牙を加工し小刀の柄として取り付け、余った牙で鞘も作った。


この牙には、ドラゴンの持つ強力な魔力が帯びており、

小刀の魔法力を大幅アップさせる特性を持つ。

実に、期待大のアイテムである。


ついに 真の完成品としての魔法の小刀が完成した!!!



私の体型に合うしっくりした作りだ。

重さも手ごろで、使いまわしも良い。


腰に鞘をさして、歩きやすさも確かめた!

いいね! いいね!


いよいよ、小刀にまとわりつけた魔法実験!!

私は小刀に念を込める。

小刀に魔力がたまっていく! たまっていく!

どこまでたまるのかな!?

10分後・・・

こんなものかな!


小刀に熱がこもっている。

なにやら 強力な兵器なような気がする。これは気をつけないと!

慎重に地下室内の20M先の壁に向かって、

念をこめて・・・・

・・・・小刀を振ると、振ると・・・・


ズドドーーーーーーーーーーーーーーーーン


私の目の前に巨大な炎が広がり、私は・・・・・・・・

「ぎゃゃゃゃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

おもっきり、足を滑らせ、尻を地面にぶつけてしまった。

 

巨大な爆発が 地下室全体を動かし、突風も吹き荒れた。

強烈な熱により地下室の壁や床が溶岩状となりドロドロとなった。

熱風が肌にあたり熱い。



なんてことなの・・・・

20m先の岩壁を吹き飛ばし、あたらしい広大な部屋が一つ作れてしまった!!!

とんでもない破壊力だ!!


これは、間違っても人に向けれるものじゃないよね・・・

大量破壊兵器だよ。  これ・・・・


小刀というより46cm砲だ!!   

大艦巨砲主義だ!! いや体感巨砲ロマンだ!!




外の世界で魔物がおそってきたら とりあえず小刀砲で薙ぎ払う!

よし これで外にでても安心だ!!


・・・・・・・・とおもう。 不安だけど






--------------------  To Be Continued \(・ω・\) 46cm砲、それは体感巨砲ロマン。


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