( 200 ) トゥーハンドレットノース
ノールたちの雄叫びが 洞窟にこだまする
ぐうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
棍棒を振りかざし、赤いマントをたなびかせて、犬並みの速さで、10体のゴーレムたちに襲い掛かる。
その数はおよそ200匹。
トゥーハンドレットノール!!
アドバンストゴーレムをはじめとするゴーレムたちは、
すかさず戦闘態勢に入り、突っ込んできたノールを、
自慢のゴーレムパンチで吹き飛ばしていくが・・・
徐々に数で押されるのである。
「手が空いてるゴーレムは 洞窟に集結し援護にはいりなさい! 」
私の命令で、各地で採掘してたゴーレムたちが動き出す。
しかし、ノールたちの攻撃は苛烈を極める。
必殺兵器の一つである棍棒攻撃の連打は、さすがのゴーレム装甲も削られていき
ついには粉砕されるのである。
倒れていくゴーレムは、最後の力を振り絞り叫ぶ。
『 俺のくず石を越えていけ 』
『 我がゴーレム人生に ひとかけらの石なし 』
そして、はかなく散っていくゴーレムたち・・・・・
「 みんな・・・・仇はうつわぁ 」
私はベッドで寝転がりながら、魔具端末に呟く。
残ったアドバンスゴーレムも、200匹のノールは対抗できず、ついにひっくりかえされた。
馬乗りになったノールたちは こん棒でアドバンスゴーレムに、どつきまくるが、
さすがオリハルコン装甲だ。 まったくへこみもしてない!
ふくろ叩きにあいながらもアドバンスゴーレムは、なにやら呪文を唱えると
ノールの頭上に魔法陣が形成された。
すると洞窟内の小石や砂が舞い上がりはじめ、次第に風が強くなっていき
ついには巨大な爆風が吹き荒れる。
ゴゴゴッゴゴゴゴゴゴ~~ゴゴゴゴッゴゴコゴ~~
風は渦を巻き、洞窟内を縦横無尽に荒れ狂う。
きゃ~~ん きゃ~ん
子犬のような鳴き声が 洞窟内をこだまする。
ノールたちは、なにが起こったのか理解できない!!
しかし、命の危機を迎えていることぐらいは分かっていた。
もう 半数のノールは吹き飛ばされ、血まみれになっていたのである
ノールの赤いマントが、帆のような働きをしたため、
ノールは首を捕まれるように 背中から吹き飛ばされ、
洞窟の壁面に激突して倒れていく。
動かないノール、痙攣しているノールが、洞窟一杯に散乱していた。
そこへ、私の命令で駆け付けた各地のゴーレムたちが、
壁に叩きつけられて倒れているノールたちに、
ゴーレムパンチのとどめをさすのであった。
ノールたちの体はずたずたに・・・・・
手が・・・ 頭が・・・・ お腹の中の・・・・
「ううう、ひどい 」
・・・・私はすぐに魔具端末の映像を消した。
R15の映像に12歳の私には耐えれなかった。
その後、魔具端末の音声から、
『 ノール200匹退治 』
『 オーク20匹退治 』
『 毒クモ30匹退治 』
あらっ!! ノール以外にも魔物がいたんだ!
それから、端末から ものすごい音と叫びがつづき
数分したあと、再び連絡が入った。
『 ドラゴン1匹退治 』
「・・・・へ!?」
なに?ドラゴン? どういうこと????
そんなのがいたの!!
よく倒せたわね!!
アドバンストゴーレムって・・・・最強なの!?
そして・・・・・
『 宝物確保 』
ドラゴンといえば、高価なアイテムを隠し持つことは、英雄物語の定番!!
「ふみゃゃ!?」
私のゴーレムたちは、洞窟でなにをしてるのだろうか!?
あまり、はでに戦いまくって、収拾がつかなくなると怖い。
「ゴーレム隊 帰還しなさい」
「それと アドバンスゴーレム1体と他10体は洞窟出入口の警備をしといて!!」
そして 私の従順な犬ではなく かわいいゴーレムたちが大量の捕獲品を手に入れ持ち帰ってきた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
私の黄色い悲鳴が響き渡る。
絶対に見たくないものを大量に運んできたゴーレム!!
映像で写すなら、全画面モザイクがはいるぐらいの モザイクアイテム!!!
R18一歩手前が目の前に一杯。
・・・・・・・・・死骸をこんなに持ってきてどうするのよ!!
臭い、汚い、病気になる!!
私は解体専用部屋を作り、解体用ゴーレムを作成して送りこんだ。
死体の解体と有用な素材の入手は解体専用ゴーレムが自動にしてくれるので助かるのだが
私は絶対に この解体部屋に寄り付かないことにしてる。
なんかいや! まだ12歳の私にR15は早すぎる。
でもでも、素材はありがたいです!!
この素材を利用してベッドや鏡を製造魔法で作れたので、
私はあらためて、露天風呂の横に私好みの私室を一つ作ることにした。
でも、死骸を利用してるのよね!! 原材料の正体は知りたくなかった!!
某モンスターの皮やクモの糸でつくった柔らかいベッド
椅子、
タンス
鏡・・・
初めて鏡をつくり自分の姿を初めて見た気がする。
顔は、うん! うん! いいんじゃないかな!
実に血行のいい肌色をしている。
エリクサーを知らず知らずに飲まされていた影響で、
美しいほどの肌になっていた。
しかし、黒髪が腰まで長いが ぐちゃぐちゃだ!
何とかしないと!!
櫛、ハサミなどの小道具を製造し
見た目を小奇麗にした。
うんうん よしよし、こんなものかと、私は満足した。
ここから外に出たときのためにも、はずかしくない恰好はしたいものだ。
クモの糸の素材で、清潔な洋服も作った。
素材から石鹸もつくり、
露天風呂で、石鹸泡風呂で体を癒した。
う~~ん
自分で自分の肌を匂って・・・・ いい匂い!!
ひさしぶりに清潔な体になり、
新しく作ったベッドで転がりまわる私だった。
アドバンスゴーレムの報告では、
ドラゴンを倒した後、手に入れた宝箱・・・・
今まで読んできた英雄物語的な展開を考えると、かなりいいものが入ってるはずだが・・・
ちょっと わくわく!!
・・・・宝箱というよりは 手のひらサイズの小物入れ!?
四つ足がついててアンティーク風、
ちょっと部屋にかざるのも良い気もするが・・・・
私は この小物入れから異様な魔力を感じた。
なんだろ、なにか黒いなにかを感じる。
・・・・まさかね!!
・・・・・・でも 以前読んだ ダンジョン物語では最後主人公が・・・・
私は ためしにゴーレムを一体を呼び、その小物入れを持たせた。
そして 採掘トンネルの最深部に行ってもらい、ゴーレムに小物入れを開けるように指示したのである。
どか~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!!
小物入れに爆発の罠を仕掛けていたようだ!
「あ~やっぱしね あの物語の主人公のようになるところだった・・・
あの物語では、姫君のキスで蘇生するが、私は誰にもキスをしてもらえない・・・」
うううっうう 悲しい!!!
ゴーレムは小物入れとともにふっとんだのであった。
「ゴーレム君。 君の勇気に感謝するよ キスをしてあげたいけど、
ばらばらで岩しか残ってないみたい!!」
「・・・・・・・」
・・・・・やっぱし 悪い気がしたので、
バラバラ死体?のゴーレムの岩残骸を集めて、再召喚!!!
アドバンストゴーレムとして復活させました!!
復活したアドパンストゴーレムの顔が赤くなって、私をちらちらみるのは気のせいだろうか!?
そんなことが あったものの・・・
その後、土で埋まって破壊されていた小物入れを回収した。
破壊された小物入れの中には・・・・・
指環かな?
宝石類はついてない、実にシンプルな紅い色の指環である。
なにか魔力を感じる。
なにか・・通常の3倍のなにかを感じる・・・
ためしに指に着けてみると、何やら体に熱が・・
あ~~~~ん うふ~~ん!!
魔力が 通常の3倍ほどアップするレア中のレア指環である。
現状でも、人並をはるかに超えた魔力を保有しているはずなのに、
その3倍に増えたことによって、いよいよ魔王化していくのであった。
私はすっかり ここの快適ライフにひたりきり、ここから脱走することをすっかり忘れていた。
この屋敷の人たちは、私と顔を合わすことなく、配膳用のドアから食事を出すだけ。
ここの地下がとんでもないことになってることなど、まったく知らない。
まさか魔物が住まうダンジョンと通じてるなんて知らないよね。
16歳のころ、ついに食事を出されなくなった。
がーーーーーーーーーーーーーん
いずれは、食事を出されなくなるのではないかと予想してたが・・・・
父親にあたるユスティネス公爵が、
赴任先であった王都チャイアから、領地に戻ってきた際、
領地全体の人事を大きく変更させた。
それにともない、この屋敷の人事も交代させたらしく
地下室の姫君に関する引き継ぎはうまくいってなかったようだ。
それに、ユスティネス公爵は
ライオンフグから抽出したテトライオキシンを食事に混ぜた時点で、
娘を殺害してると思い込んでいるという理由もあるかもしれない。
それ以来、食事が出ない!
これは困った!!!
なにか対策を立てないと・・・・
私は 特戦隊としてゴーレムを5体選んだ。
選りすぐりのエリートたちである!?
「君たちは 栄えある食料確保特別任務隊だ!!
そして我らの最後の希望でもある!!
いかなる手段を使っても構わない! よりおいしい食料を確保せよ!」
『 イエスマム!! 』
・・・・・・・ 戦記物の本を読んで、おもわず中二病を発病した私だった!
「えへ!!」
5体のゴーレムは、地下に潜り洞窟内へ突入していった。
5体のうちわけ
隊長アドバンスゴーレム 1体
実行ゴーレム部隊 2体
偵察ゴーレム 1体
荷物運びゴーレム 1体
今! ゴーレム最精鋭部隊による極秘作戦が始まった。
食料危機を救うために・・・・
彼らゴーレムたちの壮絶な戦いの幕があける!!
-------------------- To Be Continued \(・ω・\) 食い物! 食い物! ゴーレムたちの叫びを、君は聞くことができるのか!!
ついに主人公が16歳に突入!!!
聖女の予定なのだが、徐々に魔王化してるのは気のせいか!?