女神降臨してるらしいです!?
ヴィジャナル王国第三王子にあたるラファーエルは、
長い夢から ゆっくりと目覚めようとしていた。
あまり思考が動かないが、周りが明るいことに違和感を感じる。
日差しが顔に差し込み暖かい。
「ここは どこなんだろ!? あまり思い出せない」
どうやらベットに寝かされていたようだ。
少し体を起こし周りを見る。
太陽の光で輝く青い草原。 雲ひとつない青い空。
その青い空の向こうに 巨大な輪っかを持つ土星が微かに見える。
ベットの周りを なにか淡い羽のようなものが飛びかっている。 タンポポなのか!?
大平原にポツンとベットが二つならび、その一つのベットで私は寝かされていた。
気持ち良い風が草原に吹き、ラファーエル王子の肩まで伸びた髪がたなびく。
そこに白いドレスを着た黒髪の美女が歩み寄ってくる。
なにか 霧のようなものに包まれ幻想的な姿のようで よく見えない。
「お目覚めになりましたか!?」
少女は私に語りかけてきた。
・・・・・・私は直感的に感じた。 彼女は女神様だと!!
どうしても感じてしまうのだ!!
( サラの仕掛けた音声再生魔具によって 深層心理に女神様だと刻みこまれたりしてますww )
・・・ここはどこなんだろ!?
女神様がいるのなら ここは もしかして天国!?
ふと、横のベットを見ると ホールン伯が寝ていた。
気持ちよさそうに寝ている!!
青空の下、涼しい風に いだかれながら寝ている。
ホールン伯がなぜ、隣にいるのだ!? なぜ!?
ああ~思い出した。 執務室で敵の襲来で、吹きとばされ・・・
・・・・そこから記憶がない!!
ホールン伯よ!! おまえもここにいるということは・・・・おまえも・・・!!
・・・・・・一緒に死ぬのなら 美女のほうがよかった。 ちょっと残念!!
ラファーエル王子はなにかを達観するような気持ちで広々とした平原、
そして、白いドレスの女性・・・女神様を眺めた。
「・・・・・ここは!?」
「すこし 混乱してるようですね 」
女神様は、私に尋ねてきた。
「あ~ ここは天国??」
「いえ、 でも天国をイメージして作り上げたのですよ! 素敵でしょ」
女神様は周りの風景を見渡す。
なにか自慢げに顔を赤らめながら・・・
その可愛い女神様の仕草に見とれていたラファーエル王子。
そして 目覚めたホールン伯も見とれていた。
ホールン伯、 おまえもか!!!
「お隣さんも起きたのね おはようございます」
ホールン伯は女神様を見とれてしまい声もでない。
女神様の周りを、白い小鳥たちが集まり、あたかも女神様に羽が生えているように見える。
小鳥の気持ちよさそうな鳴き声。
それに合わすように 歌いだす女神様。
思わず聞きほれるラファーエル王子とホールン伯であった。
暖かい日差しの中、女神様の歌声と小鳥の鳴き声とあいまって、
徐々に二人の目が重くなり、夢うつつとなり なにか囁く声が聞こえた。
「あなた方は、地獄に落ちるところを助け再び命を授けたのです。 これ以上、罪を重ねないでください」
二人は かすかに女神様の笑顔を見ることができた。
警告されてるのか!?
地獄に落とされたくない。 私はずっと女神様の笑顔を見続けたい。
「もう、悪いことはしません」
「あなた方の言葉を信じましょう! さぁ、 地上にお戻りください。
きっと わたくしに仕えている聖女がむかえにきています」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
二人が眠りに入ったことを確認したあと、ディスプレイのスイッチを切り、
平原の疑似体験映像を終了した。
サラは手を叩き部屋に入ってくる。
パチパチパチパチ
「私が女神役をするとは 思わなかったわぁ」
白いドレスを着たミレイユが苦笑した。
「これで 次に目覚めたとき、おねーさまを女神の化身と思うはず」
「そこまでする!?」
「ヴィジャナル王国の王子の忠誠はいろいろと役に立つのよ」
「なんか 悪い事してるようで・・・・・・・ なんだか、おもしろそう!!」
ミレイユも 割とこういうイタズラっぽいのが好きである。
その後 眠っている二人をベットに寝かせたまま、
ピラミッド宮殿内の神殿へと運び込んだ。
あわてて急造した神殿内部の設計、デザインはサラである。
ミレイユに任して、四角形や三角形だらけにしたくなかったのです。
とりあえず標準程度の出来に仕上がってると思うサラであった。
神殿内部はドーム状となっており、天井に設置された魔具が 明るい光をドーム全体を照らしている。
白亜の神殿壁には 神々の銅像がずらりと並ぶ。
基本的にセルーカ王国は多神教である。
そして ドーム中央には立派な土台の上に巨大な女神像が設置されていた。
この女神像はセルーカ王国の守り神である女神フレイエミア。
このフレイエミアの女神像・・・
・・・・・誰かに似てるのだが・・・
「おねーさまに 似せて作りました。
ちなみに女神フレイエミア像の足元に設置している従属神の女神アエミア像は僕の姿を参考に造りました」
「よく エルノスティ国王が許可しましたね!! 自国の女神の姿を勝手に変えられると いやがるでしょう!! 」
ミレイユは疑問に思った。
「あ~ この国の守り女神がフレイエミアということは あまり知られていないので 気楽に許可されましたよ」
「え!!」
「少数の宗教関係者や 歴史マニアぐらいしか知らないマイナーな女神様らしいので、
ここで活用させてもらいました」
「この国の守り神の名前を忘れ去られていたなんて・・・ ひどい扱いを受けてたのね」
「だから・・・ 天罰として滅亡寸前にされたのかも」
サラは小さい声で囁いた。
「・・・・というか フレイエミア像の足元に設置しているアエミア像が、主神よりかわいく・・
・・・・っていうか猫耳がついてるよ!!」
「アエミア像だけは 入念に何度も試行錯誤して、よりかわいく造りました!!! えへ!!!」
「サラちゃん・・・・ らしいよね! 」
「あっはは フレイエミア像もあとで 可愛く作り変えますので 安心して・・」
「あっ たのしみにしてるよ!!」
その後・・ フレイエミア像に猫耳カチューシャを取り付けられ、猫耳神として生まれ変わることになる。
そして、その可愛い猫耳女神として ある種の趣味を持つ、男の子たちに大人気となるのであった。
もちろん、女神を模したフィギュアや演劇、薄い本まで作られるのである。
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ラファーエル王子とホールン伯が眠っているベットを
神殿ホール内の女神フレイエミア像の目前へと移動させたのであった。
ちなみに ベットの移動には メアたちに協力してもらったのである。
彼ら二人が目覚めた時、女神フレイエミア像が彼らを見下ろす感じになるという演出も施している。
* * * *
準備完了後、いよいよ演劇第二幕の開始である。
「 ラファーエル王子!! 、 ラファーエル王子!! 」
誰かに自分の名前を呼ばれたような気がして、ゆっくりと目を覚ます。
目の前には、・・・夢うつつの中で見た女神とそっくりの銅像が立っていた。
女神様がいる!!
いや、 あれは銅像だ!!
ここはどこなんだ!?
「お目覚めになりましたか!?」
誰かの声がする。
・・・・振り向くと
そこに白いドレスを着た黒髪の美女が歩み寄ってくる。
霧のようなものに包まれよく見えない。
なにか 夢の中で見たのと同じような状況だ。
「あなたは 女神様ですか?」
ラファーエル王子は 思わず聞いてしまった。
少女はニコリとした顔で答えた。
「うれしいですわぁ 女神様と間違われるなんて・・」
すると横にいる 猫耳をしたピンク色のメイド服を着た少女が 何かを言っている。
よく耳をすまして聞いてみると・・・
「聖女であらせられるミレイユ様ですよ!」
「聖女!!」
ラファーエル王子は思い出した。
夢の中で女神の言った言葉を・・・
=== 地上にお戻りください。 きっと わたくしに仕える聖女がむかえにきてますよ ====
ラファーエル王子は 聖女と言われた少女の顔を見て、
ハッとする。
あの女神に似ていると・・・・・
そして、王子は顔を赤らめる!!!
なんとも言えない気持ち。 これは・・・・恋!
違う。 彼女は神に等しい存在なのだ!!
「私は・・間違ったことを・・・・・・聖女様・・・」
涙を浮かべるラファーエル王子。
隣のホールン伯は・・・相変わらず寝ていた。
この神殿内は空調が行き届き、睡眠には快適・・・・おもっきり寝まくるホールン伯である。
気持ちよく寝るホールン伯に眼鏡をかけると 前世でよく見たあの青い猫の相棒に似てる気がするサラであった。
うまく体が動かすことができず、何とか手を持ち上げ、ミレイユこと聖女に触ろうとするラファーエル王子。
「私は・・・ 聖女様に永遠の忠誠を・・・ 聖女さま」
はたから見ると ラファーエル王子がなんとかミレイユの乳に触ろうと もがいている風にしか見えない!!
乳に忠誠を誓うって意味じゃないよね!!
サラは笑いながら見てるだけであった。
ミレイユ危うし!!! 乳に触られる!!
ミレイユは、ラファーエル王子の手を両手でつかみ、半分ひきつった笑顔で答える。
「あなたの忠誠は分かりましたが、 私ではなく女神フレイエミア様に忠誠を誓って下さい。
そして、この国の平和のために尽力してください!!」
「女神フレイエミア様に忠誠を誓います。 このような侵略は女神の御心に反していたことを反省します」
「あ~ きっと女神フレイエミア様もきっと喜ばれているでしょう」
「さっそく、国に帰り、このセルーカ王国からの撤兵を進言せねば・・・」
「あっ! まだ体が完全に回復してません しばらく、休養してからがいいでしょう 」
「はっはい」
元気よく答えるラファーエル王子。 ついでに隣に寝ているはずのホールン伯も元気よく答えていた。
ホールン伯、おまえもか!!!
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神殿隣の待合室に入ってきた、ピンク色メイド服の猫耳少女サラは片手をあげて、勝利をアピール。
「よっしゃー 王子の完全洗脳完了!!」
ぱちぱちぱちぱちぱち
エルノスティ国王など、いつもの面々が集まり拍手をしたのであった。
彼らは、ここで、お茶会のようなものをしつつ、
神殿でのラファーエル王子の動向を マジックミラー越しに観察してたのである。
ペルシャ猫風の猫のぬいぐるみをなでながら
ソファで足を組みワイングラスを片手で軽くふる。
悪の女幹部のような振舞いをするエルノスティ国王( 見た目が女性ですから! )
「よろしい! すばらしい洗脳だ。」
ちょっと、中二病がはいったあの演技をするのであった。
ちなみに、エルノスティ国王の背後の壁には世界地図が張られ悪の組織的雰囲気をだしている。
その演技かかったエルノスティ国王に見惚れるルナーリア王妃(仮)。
「 おっほほほほほ~ ほっほほほ~ 僕は洗脳が好きだ! 僕は洗脳が大好きだ! 」
中二病的な高笑いするサラ。
「 はっはははははは 」
エルノスティ国王も サラにあわせて高笑い。
「 おっほほほほほ 」
「 はっはははははは 」
「 おっほほほほほ 」
意気投合をするエルノスティ国王とサラ!!
ちょっと嫉妬気味にサラを見るルナーリア王妃(仮)
だが、これは意気投合している友人関係的なもので 間違っても令愛などに発展しない!!
見た目はあれだけどちゃんとした男のエルノスティ国王と
前世が男の子らしい(本人の自己申告)サラは 男同士ということで仲が良いのだろうか!?
そんなバカ騒ぎをテーブルでイチゴケーキを食べつつ、眺めるエレオノーラ王女とパウネリア侍女大臣。
ちょっと引き気味・・・いや! かなり引き気味である。
「 弟とサラ様が調子に乗りすぎてる。 」
「 似た者同士・・・ 」
「 怖い事言わないで パウネリア! 」
エルノスティ国王とサラ、二人の高笑いは当分の間、 待合室に響き渡るのであった。
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ) 新たなる聖女伝説が始まる!!




