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傍若無人なる至高の聖女  作者: 抹茶な紅茶
忘れられた地下牢の姫君
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ロード ドゥ ザ ダンジョン  聖女の帰還


どどどどどどどどどどど~~

私の頭上めがけて岩が落ちてくる!!!

「きゃゃゃゃゃ  なんで!  なんで!!」



落盤事故である!!


よりによって、私が採掘最深部にいるときに限って、どうして事故が・・・

採掘ゴーレムから、少し色が違う岩が露出してきたという報告がきたので、見に行ったらこの災難!





「うわ~~ ああああ~~」

ものすごい土砂や岩が私に襲ってくる!

ゴーレムが岩でつぶされると、ゴーレムから発する光が消え、周りは真っ暗!



私を守ってくれるはずのゴーレムたちが全滅した!!!

私は闇と不安で震えた。 恐怖で足が動かない。

しかし、ここでなにもしないと、確実に死ぬ!!



とにかく明かりの魔法を詠唱し、小さい火玉のようなものを作り出した。

火玉は辺り一帯を照らした。   


私は暗闇から解放されて、少しは心が落ち着いたようだ。


そして、明かりで照らされた付近一帯を確かめる。

出口方面の通路は完全にふさがり、帰れない。

私はわずかに開いた空間に閉じ込められているようだ。

 

ミシッミシッ!!!


かなり大きい音が頭上からしてきた。

頭上を見上げると天井部分の岩に亀裂が入りだしている。

私の助かったわずかな空間も、かなり危険のようだ。


私は、このわずかな空間を守るために魔法詠唱を行う。

防御幕魔法である。


そして 運が良いことに、防御幕が形成された直後に、岩の天井が崩壊した。

危機一髪である!!!


薄青い透明色したガラスのような防御幕が、私を頭上から押しつぶす砂や巨大な石を防いだが、

あまりの圧力で徐々に防御幕にも亀裂が入りだす。

そこで、私は連続で魔法詠唱をおこない、十数枚もの防御幕を多重に展開しまくった。

だが、いつまで防御幕が持つのか、分からない!!

酸素の量も気になる。



なんとか、これ以上の落盤崩壊を止めないと・・・・

岩と砂の圧力が防御幕へと圧し掛かり、ミシッ ミシッ と不気味な音を繰り返し、

ついには亀裂が防御幕全体に及んだところで、一番外側の防御幕が崩壊した。

まだ、まだ防御幕を十数枚もある! まだ心配するほどの事ではない!!

 はずだけど・・・怖い!!


ミシッ! ミシッ!  次の防御幕に 少しづつ亀裂が走りだす。


・・・ミシッ!  冬の頃、屋敷の池を眺めていた時、よく聞こえてた氷の割れる音と似てる。


・・・・・・・・

氷!??


んんんんん・・・・!!!


凍らす!?





私は氷結風魔法の詠唱をおこない、魔法陣から、とてつもない冷気が雪とともに吹き上げた。

ヒュルルルルルルル~~~

これがブリザードという現象か!!

目の前が真っ白になって、何も見えなくなった。


「さっ   寒すぎる!!」

私は、手のひらを口にかざして、寒さに耐える。


だが! 我慢するしかない! 天井と壁を凍らして、これ以上の落盤を食い止めるのだ。


崩落しそうな岩も、凄まじい冷気によって氷のように固まり、崩落は徐々におさまっていく。

亀裂も生じなくなり、とりあえずの安全は確保できたようだ。


寒いけど・・


あと・・・水生成の魔法で、岩壁に水をまき、より硬く補強しといた方がいいわよね・・・

・・・・寒くていやだけど

死にたくないし・・・・


私は震えながら、水生成と氷結風魔法を繰り返し 何度も発動していった。


この魔法により、天井から壁面にかけて岩が白く凍り付きツララまで生成された。

おそらく、これで落盤を心配しないぐらいの強度が出来上がっただろう。


とりあえずこれで、当分の危機は回避できた。  しかし・・・

寒すぎです!!

寒いよ~


ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

震えるわたし。  寒い・・・・・


「そうだ!! ちょっとぐらい、体を温める魔法を使っても、これだけ寒かったら問題ないだろ 」

そこで 軽い熱風魔法を生成し、自分自身に吹きつけるようにして、寒さ対策をすると、


今度は、氷で白くなった岩壁が溶けだし・・・・

ミシッという不気味な音が・・・・


あああああああああああああ~~

「帰る~   帰って風呂に入る~」



私はものすごい勢いで連続詠唱し 採掘ゴーレムを大量に生成した。



その間にも ミシッ ミシッの音がする。

まずい、さっさと脱出しないと死ぬ!!

「いけ~  ゴーレムたちよ、岩をどけて 地上に帰るのよ!! 帰る! 帰る!」

大泣きの私は叫んだ!!


どどどどどどどとどどどどとと~~


私の切羽詰まった叫びに呼応したか 十数体のゴーレムたちは凄い勢いでパンチを繰り出し、

坑道の復旧作業にはいりだした。



ゴーレムたちの復旧作業中も坑道の落盤を防ぐため、

私は氷結魔法と水生成魔法で、天井と壁を凍らせつつ、

自分の体を温めるための熱風魔法を繰り返した。


・・・・そして私は4時間後、震える体をゴーレムにお姫様だっこされたまま、

なんとか帰れたのであった。





------------------------------------------------



その日の夜、私は露天風呂で体を休めつつ、今日一日おこった恐怖に身震いした。

「もうすこしで死ぬとこだった・・・・」

なんとかしないと、また死にかけるかもしれない・・・・

・・・・危険なことは ゴーレムに任せるしかないね



バシャ~バシャ~バシャ~バシャ~

石造で作ったシーサーペントの口から流れる音が、いいリズムとなって私の耳にはいってくる。

熱すぎも冷たすぎもないお湯


「いい気持ち」


そして、私は気が緩み気持ちいい露天風呂で寝てしまうのであった。


ZZZZZzzzz






---------------------------------------------------



話は変わり、こちらはユスティネス公爵。

「なに! まだ娘が死んでないと!!」


「公爵様。 は、はいっ、 言いつけ通り薬を毎日、まぜてるのですが、

メイドの話ですと、 えっと・・・

・・毎日、出している食事をたいらげてるようで、

いつもとかわらないという話です」 

この屋敷の料理人は、しどろもどろになりながら話すのであった。


ユスティネス公爵は料理人を睨みつけ、

本当は薬をまぜてないのではないかという疑いをかけた。


そして、その日はメイドが非番の日であった。

公爵が自ら持参した強力な即効性のある毒

すなわち、ライオンフグから抽出したテトライオキシンを

自らの手で料理に混ぜ、自らの手で地下の牢屋に配膳したのである。


「こんな臭い地下牢に わしが自ら運ぶのだ。 間違いなく、あの娘は死ぬ!!」


この毒が即効で即死したのは、料理人に食べさせることによって確認済みだ。

この料理人は、この日以来、行方不明となった。



「・・・・しかし、この地下牢!? 雰囲気が違う!

以前、ここに来た時よりは臭くないというよりは、花の香り!? どうでもいいことだが・・」


公爵の言うあの娘の魔法により、牢屋内部で創造された大平原の香りがもれだしてたのだが、

公爵は、この時、あまり深く考えなかった。


料理を出す際、ついでに配膳ドアの隙間から、娘の姿を見ようという気さえないのである。


とにかく、公爵は、こんな娘はいなかったことにしたい一心で、

毒入り料理を配膳し、あの娘にさっさと死んでもらうことのみを考えていたのであった。







-----------------------------




私は露天風呂で寝てしまい、起きたのは、かなりの真夜中となっていた。


お腹が空いたね~

月光に照らされる露天風呂で、湯につかりながらの食事!

なかなか、おつなものじゃないかな!?


私はゴーレムに、配膳を露天風呂まで持ってくるように指示をした。


その命令に従い、ゴーレムは、配膳を持って露天風呂に入ってきて・・・・・・

その、すべりやすい風呂の床を、みごとにずっこけてくれた。


ゴーレムの足裏には滑り止めはなかったのだ!!

特に露天風呂の床は滑りやすい!!


ゴーレムが持っていた膳は、手から離れ露天風呂の虚空を飛んでいく。

皿に乗った料理類をばらまきながら・・・・


そして・・・落下する!

ベチャー―ン、 コロコロ


各種料理は そのまま水に流され排水口へと吸い込まれていくのを、

私は愕然としながら見つめていた。


「・・・・・・・・・・」

「わたし・・食事抜きなの・・・・」


『 我がゴーレム人生、一生の不覚  』

ゴーレムは切腹する仕草をするのであった。





その後、娘を殺害したと思い込み、

ユスティネス公爵は王都チャイアに赴任したため、

当分の危機は まぬがれそうである。





----  オペレーション ゴーレムおまかせ作戦  -----



100体のゴーレムを動員し、地下の採掘を全ておまかせにする作戦

私自身は地下に潜らず、荷運び専用ゴーレム係を任命し

珍しい鉱石類を私のとこに、運ぶことを命じることにした。


もう落盤事故にはあいたくない。

暗いとこ、狭いとこは、もういや!!!

ゴーレムで出来ることはすべてはゴーレムに・・・

こうしてダメ人間は製造されていく・・・


言い訳タイム!  ---- ミルヤからもらった書籍とかを読むことが、なによりも重要。



そして・・・・・・・・時が進み

1年後には・・・・


落盤事故100件

事故により破壊されたゴーレム1000体  しかたがないので1000体分を再製造。

 

ゴーレムの血と涙の結晶により・・・・    生命体じゃないけど!!!



採掘できた鉱石

アダマンタイト  1トン

オリハルコン   1トン

鉄鉱石      100トン

石灰

石炭

シビラ鉱石・・ 魔法を帯びた珍しい鉱石。


よ~し、なんてうれしいの!!   わくわくしちゃう!

これで、私は10年は生活できる!!

      なんか妙なフラグがついたかも!!!!



まず、私は露天風呂の横に溶鉱炉室を作り、採掘した鉱石をどんどん精錬していく。

始めは私が魔法により、精錬していったが、

ある程度の資源を手に入れたところで、

その資源を組み合わせ、精錬専用ゴーレムを作った。



これで 精錬も自動化ができる。

私は、たいへん怠け者なんです!

書物を読みたいしなぁ!!

 

とりあえず 精錬した鉱石もそろってきた!!



これで以前より計画していたものをつくる。

よりパワーアップしたゴーレム、

すなわち、アドバンスゴーレムである。


シビラ鉱石で魔力のパワーアップ

オリハルコンでゴーレムの装甲が恐ろしく硬くできる。 

また、ゴーレムに組み込んだシビラ鉱石の上に薄く石灰をぬり、

魔法陣を描き込むことによって、

このアドバンスゴーレムから見える映像を

私が作った手のひらサイズの小型魔具端末で

リアルタイムライブ中継でみることができ、なおかつ細かい指示もできる。



これでより採掘の効率化が図れる!!


次に、アドバンストゴーレムの大量生産


・・・・・ 無理でした。


材料の問題で無理でした。

数体を作り、ゴーレム隊の隊長ポジションにしました。




私はベッドで 寝転がりながら魔具端末で採掘の映像と進捗状況を見ていた。

いつもと変わらないね!

そういう時は 書物を読んだり魔法の練習である。



溶鉱炉室では、精錬ゴーレムが、採掘から運ばれた鉱石を精錬している。

自動で便利である。




そんな日々が続くそんな時だった。


魔具端末に警告が出た。

どうやら、地下深くに存在する洞窟まで、坑道がぶち抜いたようである。

アドバンスゴーレムほか 10体ほどのゴーレムが洞窟の中に入りこんだ。


この洞窟は、書物に書かれていた魔物が多く生息するというダンジョンなるものかもしれない!!!



「周囲を警戒せよ」

ベットに寝ころがりながら、魔具端末から私は命じる。

ゴーレムは命?がけだけど 私はベッドの上で のんきなものである。



その命令により アドバンスゴーレムは周りを ぐるっと洞窟を見回した。

天井は高く、水の雫がときおり落ちてくる。 

どうやら広々とした空間のようで、あたかも大広間という感じだ。


岩がごつごつとして人が入った形跡はなさそうだ。

遠くに、いくつかの光が薄暗い中、多数が動いている。


「・・・・・・・なんだろ」



なにやら、遠吠えが聞こえる。

うっうううううう

唸り声も・・・・


「生き物??」



アドバンスゴーレムが、その方向へ小さい石を投げると・・・


多数の光が一斉に、天井方向に飛び上がり、

ゴーレムたちの頭上斜め方向から向かってきた。



私は、アドバンスゴーレムから映し出される映像を、

魔具端末から眺めていた。


「なにこれ!? え!!!」



ハイエナのような顔に、長い二本の牙が見える。

二足歩行人間型モンスターでありノールとよばれる魔物である。


彼らノールは、赤いマントに、こん棒のようなものを持って一斉にゴーレムを襲ってきた。


ぐうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ


ノールたちの雄叫びが 洞窟にこだまする。







--------------------  To Be Continued \(・ω・\) ゴーレムたちの危機!! でも生命体でないので危機感なし!!

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