S-Day 史上最少のオペレーション
ユスティネス公爵領の南方に広がる通称 紅茶海と呼ばれる海域を進む一隻の貿易船。
この船は 貿易船に偽装した軍艦であり、ユリティーナ姫が自ら乗り込んでいるのである。
「妹sたちが なにを企んでいるのか 彼の地へおもむき この目で確かめる。 そして・・・・」
ユリティーナ姫は決意を固め、帆船の帆先で仁王立ちするのであった。
「姫様、そんなとこで立たれると危険です! 某ロマン小説のまねごとはやめてください 」
副団長ラウリの声がユリティーナ姫の後方から聞こえる。
「すまない。女性なら無意識で、ついつい帆先に立ってしまう誘惑にとらわれてしまうのだ
いまもどるから~ 心配するではない!
でも・・ 妾は魔法を使っているので落ちることはないのだがな~」
一般の人間は波が荒く たえず揺れ続ける帆船の帆先に立つなんて不可能だが、
ユリティーナ姫の位置固定魔法により平気な顔で立ち続けることができるのであった。
そんなラウリとやり取りをしてる時、船員の大声が聞こえた。
「海賊船だ!!!」
「さっそくお出ましね!! 妹sの手下どもめ!!」
ユリティーナ姫は ミレイユたちと海賊が結託し、大規模襲撃を企んでいると思い込んでいるのである!!
「戦闘配置につけ!! ただし甲板から顔を出すな! この船はあくまでも貿易船だと思い込ませるのだ」
大男の副団長ラウリは叫び、騎士たちを甲板下、もしくは背を低くしてかがませるのであった。
しかし大男の副団長ラウリだけは その巨体ゆえに 海賊から丸見えであったことを本人は自覚してたのだろうか!?
海賊側も 貿易船に鎧を着た大男が乗り込んでいることで、かなりの警戒をしていたが、
その隣に金髪で白いドレスを着た美女( ユリティーナ姫 )を見て、海賊たちが興奮してしまい、
すっかり大男への警戒を緩ませてしまった。
海賊船は、獲物の船に対して、大砲による威嚇をしながら接近、
多数の水柱が上がるが、相手の船に命中弾を当てることはない。
拿捕して自分たちの船にするからである。
船足の速い海賊船が、獲物の船に徐々に近づいていく・・・
海賊たちは、接舷用渡り板、相手船を引き寄せる引っ掛け鉤などの準備を完了し、
いつでも戦闘開始できる状態である。
いよいよ獲物の船が目前にまで迫り、海賊船長の目に獲物船甲板上の様子が、見えてきた。
美女( ユリティーナ姫 )が大男に抱き着き怖がってる様子を確認。
大男も頭をかかえて震えてるようだ。
あれだけの鎧を着ながら、あの大男は まるで素人のような動き。
見せかけだけの大男だな!
( ユリティーナ姫、ラウリは、海賊側から見られていることを意識して演技をしたのである )
そして、船員は武器など持たず、右往左往して対処に苦慮してるようだ。
なかには、帆柱を抱え震えている船員もいる!!
(もちろん 船員たちも演技をしている)
「ふっ ド素人もいいとこだ! 海賊対策なんて なにもしてないようだな!」
海賊船長は、楽な襲撃になると考えニヤリと笑った。
海賊船は、そのままの猛スピードで貿易船の側面へ体当たりするぐらいの勢いで接舷した。
両船の側面が こすれ木材が飛び散り 船は大きく揺らぐ。
ズズズドドドドドドドドド
ここで美女役のユリティーナ姫は大きな悲鳴をあげる。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
その声を聴き、何人かの海賊たちは、大喜び!!
海賊船から獲物の船へと、引っ掛け鉤やら、縄ばしごが投げ込まれ、そして、渡り板が次々と掛けられていく。
いよいよ、総勢40名を数える海賊たちの正念場!!
ちなみに ユリティーナ姫率いる偽装貿易船には騎士団30名ほか 一般船員30名が乗り込んでいる。
「野郎ども! いけー」
海賊船長の掛け声が合図となり、
喜び勇んで、獲物の船へと飛び移ろうとした海賊たちが見たものは!!!
・・・・・完全武装の騎士たちの集団!!!
貿易船の甲板上の物陰から、甲板ハッチから、次々と完全武装の騎士たちが現われたのであった。
「しまった! 罠か!」
海賊船長が叫んだ瞬間、意識が刈り取られたのであった。
海賊船の頭上に魔方陣が形成され、そこから鋭い光が海賊船全体を覆った。
魔弾雷雨と呼ばれる魔術である。
放電現象により、海賊たちは感電したあげく床で倒れて泡をふいている。
身体がピクピク動き 陸に跳ね上げられた魚のようだ。
もちろんユリティーナ姫の仕業である。
ほぼ一撃で海賊は全滅した。
勢いよく甲板に上がってきた騎士団たちは・・・・唖然としていた。
やることがない!!!
これから壮絶な戦いになると覚悟を決めていたはずなのに・・・・
「・・・・・・ もう戦いが終わってる!!」
「腕の見せ所だと思ったのに・・・・」
なにか、複雑な思いが蔓延しているが・・・
・・・・気を取り直した騎士団たちは、
倒れてアワを吹いている海賊たちを、
縄でグルグル巻きにして、船底の檻に放り込むのであった。
「とりあえず・・・・海賊船ゲット! 」
うれしそうなユリティーナ姫である。
「姫様・・・」
副団長ラウリは何か言いたかったがやめにした。
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その後、ユリティーナ姫は 船底の檻に放り込まれている40名の海賊たちから、
妹sのことを聞き出そうとしたが誰も答えなかった。
ミレイユとの関係なんて もとから海賊との間になにもないのだから 答えれるわけがない!!
「仕方がないわね! こんなことはしたくないが・・・・」
檻から出された海賊たち40名は 両足に鉄の鎖で繋がれ、
そして、逆さずりの姿で並べられている。
「ふっふふ いい眺めよ!!」
鞭のしなる音が響く。
なにか焼ける匂い。
うぎぁぁぁぁぁ やぁぁぁ
船底の薄暗い中で 海賊たちの悲鳴があがる!!
しかし、40名の海賊たちに拷問するのだから大変である。
ユリティーナ姫は魔術の火球弾でこんがりと海賊たちを焼きつつ、
適当に鞭を振る。
「やっやめてくれ! 本当だ 知らないものは知らない! 」
「妾の目が節穴だと思っているの!!」
なにか引き裂かれる音が響き渡った。
ユリティーナ姫の白いドレスが海賊たちの鮮血で赤く染まる!
うぎぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
40名もいる海賊を、ユリティーナ姫は長剣で死なない程度で切っていく。
丁寧に手加減しながら斬るとめんどくさいので、
かなり雑に斬りまくってしまったら
返り血を浴びてしまいドレスは真っ赤になってしまった。
「ゆ・ゆるちて~ うっう~ ママゆるちて~」
海賊たちの一部には幼児退行現象をおこす者も現れだした。
その後も引き続き・・・
むち打ち、火あぶり、水攻め・・・あらゆる拷問。
そして 拷問の後、ユリティーナ姫のヒール魔法で、
体の傷は治療されるため命に危険はないが心の傷が増えていく・・・
「ふ~ふ~ 気持ちがいいでしょ! あなたたち! 」
片手に鞭を持ったユリティーナ姫はニヤリと笑う。
海賊たちは 顔を真っ青にして、目の焦点が合わず、なにかうわ言をつぶやいている。
楽しくて楽しくて仕方がないユリティーナ姫!!
そして 娯楽の道具にされボロボロとなる海賊たち。
「あっ やばい! やりすぎた。 妾としたことが!!」
ちょっと楽しくなって 拷問をやり過ぎてしまった!
・・・・というか 当初の目的である妹sのことを聞かずに、何をしてたんだろ!?
ユリティーナ姫は壁に片手をつけて ちょっとだけ反省するのであった。 壁ドン!!
「あ~う~」
海賊たちは 遥かに悲惨で極限をさまよっていた。
薄笑う金髪美女の鞭 長剣で切り刻まれ、失神するほどの痛み、
そして 優しく心に染み入るユリティーナ姫のヒール魔法。
拷問、ヒールの繰り返しを長時間続けていき ついに海賊たちの心が・・・・
・・・・・ブチッ!!
そんな精神が壊れる音がしたのである。
その瞬間 彼ら海賊たちは、より高みのステージにレベルアップしたのであった。
それは、精神的奴隷化!! すなわち、海賊たちがM化したのである。
拷問の後、檻の中に戻された海賊たちは恍惚とした目で、どこか遠くの世界にいるように、
幸せな顔をしていたのであった。
「姫様万歳 姫様万歳 これから姫様のため、どこまでもついていきやす」
海賊たちが連呼して叫び続ける。
あまりのことで おもっきり戸惑うユリティーナ姫。
「いったいなにがおこったの!? まさか・・・拷問のしすぎて・・精神がいってしまったのか!?」
付近にいる騎士たちも、あまりのことでユリティーナ姫を見る。
「ちょっと・・・みんな! 変な目で見ないでよ」
「こ・・・ これは失礼しました」
そして、結局・・・・
海賊たちは新たなる主人・・ユリティーナ姫に忠誠を誓うのだった!
「我らはユリティーナ姫の僕となり、地獄のそこまで、ついてまいります」
「地獄って・・・・ 妾の地獄行きは確定なのか!?」
これが・・・心を折りまくり 新しい価値観を植え付け洗脳化した海賊たちの成れの果ての姿であった。
そして、ユリティーナ姫配下のM化した海賊集団が設立した瞬間でもあった。
でも・・・・妹sの情報は聞けなかったのである。
とりあえず、拿捕した海賊船に元海賊たちを配置することにより、ユリティーナ姫配下の船は二隻!!
これが・・・ユリティーナ艦隊の誕生となった。
「姫様・・・海賊を配下にするのは、世間的に・・・」
この異常事態にラウリも困惑。
「・・・・妾は・・そう! 彼らは正義の海賊として活躍してもらう
・・・・・ということにしておこう」
「正義の海賊と・・・・ それはもはや海賊とは言わない気がします」
「警備賊という名称にでも・・しますかね~」
「賊の名称はつけるのですなぁ」
「もうちょっと 身なりがよくなったら警備族に格上げしてあげます。
その後 世間に認められたら警備隊」
こうして 新たなる仲間を手に入れたユリティーナ姫は偽装貿易船と海賊船を従え、
一路、妹sのいる海域へと向かうのであった。
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円盤型(元マナヰタ)飛空船から出発して、
その次の日の朝方には、ブルジュの町が見える付近にまで近づいた水陸両用戦車レオティガー。
この機体を人に目撃されるのは、あまり好ましくないことから、海岸線には近づかない。
近づかずに上陸するのだ。
どうするのか!?
答えは人間大砲である。
レオティガーの主砲である電磁砲にメアの一人が入り、海岸までの距離20kmを電磁力で吹き飛ばす。
実に簡単で画期的な方法である。
⇒良い子はマネをしてはいけません!!
この日の朝、5発の爆音が海岸で鳴り響いたという。
青空を背景に白い飛行機雲をたなびかせながら マッハ2で空を駆け抜けるメアたち5人は
一般の人間には まったく真似のできないような受け身をとることにより、
なにも問題なく海岸の浜辺に降り立つことができたのであった。
確かに、メアたち自身は無事だったのだが・・・とんでもないことになっていた!!
彼女たちの着陸衝撃波は、凄まじく、轟音とともに半径50m、深さ10mのクレーターを作り上げ
海岸線の地形を大きくえぐったのである。
それだけではない!、
浜辺の砂は空に舞い上がり、
海岸線付近は20分にもわたって、砂の霧につつまれた。
まったく視界が効かない状態となり、
あたかも真夜中でいるかのように真っ暗な闇が海岸線を覆った。
そして、海岸線地形を破壊つくした5人の影が立ち上がる。
まわりに人がいないことをあらためて確認した。
もし、人がいたら・・・・衝撃波で・・・・・死!!
町娘風の衣装についた砂を軽く払いのけ、朝日に照らされる金髪を風にたなびかせながら、
五人衆は、なにごともなかったように、破壊つくされた海岸線をあとに、
かつての王都ブルジュに向かって歩みだすのであった。
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メアから見た映像を、艦橋・艦長席のディスプレイで見てたミレイユは、
あまりの無茶ぶりの上陸作戦に唖然としていた。
「おねーさま どうです! 僕の画期的な上陸方法は!? おねーさまも一回、大砲で飛んでみますか!?」
サラは、ニヤリと笑いミレイユに手を振る。
「ぜった~~いに いや!! というか 普通、あんなことをしたら死ねます!!」
そして、同じく
艦長席の後方、畳の上のちゃぶ台でミカンを向きながら唖然とする二人。
エレオノーラ王女と侍女のパウネリアである。
「陛下の配下には、あのようなすごい人たちがそろっているのですね!」
「以前にも言ったけど・・ 二人とも 陛下の呼称で呼ばなくてもいいよ! なにか、はずかしい!
ミレイユとでも呼んでくれたらいい 」
「え~ はい! ミレイユ様!! 」
二人とも ハモったように返事した。
「ミレイユちゃんと呼んでもいいよ~ 」
「さすがにそこまでは・・」
そこに、メイドが 四人分のケーキセットを運んできたのでティータイムとなりました。
ちゃぶ台を囲み4人でティータイム。 イチゴケーキとコーヒーまたは紅茶である。
「そういえば、料理人からケーキの材料が不足気味といってたので、今回の買い出しに買ってきてくれないとこまりますね!」
イチゴを口にいれながらサラが一言。
「サラちゃん、イチゴのことね! 今回の・・・・偵察の任務が主で、ついでに買い出しなのだけどね。
でも私も色々と買ってきてほしいものがあるんだけど・・・・・」
「王都ブルジュは ヴィジャナル王国の占領下なので、はたして商店が開いているのかどうか!?」
侍女のパウネリアが心配そうにサラに言う。
「うぬぬぬ。 いっそう ヴィジャナル王国本土で略奪するか!?」
「また やるの!?」
ミレイユの発言に エレオノーラ王女と侍女のパウネリアの目線が集中する。
「略奪したのですか!?」
ハッとして おもっきり首をふるミレイユ。 あやしげ満点である。
「安心して! 海賊とかしてないから ちょっとヴィジャナル王国と、もめただけだから」
サラのフォローである。 でも略奪したことは確定したような発言でもある。
「・・・・・・・」
侍女のパウネリアが思い出したように話す。
「ヴィジャナル王国の王都王宮に襲撃し宝物庫で略奪した事件が・・・・伝わってますが・・・」
ごくり!!!
おもっきり 目をそらすミレイユとサラ!
「すごいです!! ミレイユ様!! あの大国、あの厳重な王宮を襲撃して宝物を略奪できるなんて!
妾はずっと ミレイユ様についていきます」
目をきらきら光らせて語るエレオノーラ王女であった。
完全に尊敬の目でミレイユを見つめているのだった。
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「きゃほ~~」
「ねーちゃんたち ここでなにしてるだ~」
「きゃほ~ 」
「命がほしけりゃ おとなしくしなぁ」
王都ブルジュにつづく街道が森の中に入り込んだところで、怪しげな集団に、
町娘風の姿をしたメア五人衆が囲まれた。
ヴィジャナル王国のマークがついた鎧を着てる10人ほどの集団である。
じつに素行の悪そうな兵士たちなのである
危機迫る五人衆!? 運命は・・・・というか兵士たちの運命はどうなる!?
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ) がんばれ! かませ犬役の兵士たち!




