聖女はマスター・ゴーレム
朝、いつものように牢屋の小さい配膳用ドアから食事を出された。
地平線にまでつながる大平原の真ん中で、涼しいそよ風を感じながら、
いつものように朝食を食べている。
草の匂い、鳥の鳴き声、空にはUFO ・・・
そして 放牧をしてる牛が空中に浮きあがっていくキャトル・ミューティレーション!!
・・・・まさに大自然に包まれながら
幸せな気持ちになる。
( 映像投影魔具を使って牢屋内部を大平原の風景に見せかけてるだけの疑似体験です!! )
牢屋に届けられる食事のわりには、そんなに不味くないのである。
もしかして、この大平原の風景が、おいしい味にしてるのでしょうか!?
ぱくぱくぱくぱくぱくぱく
食事のあとは、大平原の真ん中にあるベッドで休憩です。
空には、太陽が昇り、明るく暖かい陽ざしが顔を照らす。
( 念のため! 映像投影魔具を使った疑似体験です!)
もはや、この大平原で、
食っちゃ寝~ 食っちゃ寝~ 食っちゃ寝~ したいぐらいです!!
でも・・・食っちゃ寝たけしてるわけではないです。 念のため!!
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公爵が密かに料理人に渡し、料理に混ぜた薬はエリクサ―である。
エリクサーとは、たいへん貴重であり、一般に流通していない高価な傷薬でもある。
この傷薬の効能は素晴らしく、どのような傷もたちまち治ると言われているが、
しかし、大変な危険性があった。
飲んだ本人の魔力を大量に吸い取ることにより、大怪我をも治すのだが、
魔力が少ない人が使用した場合、その人の魔力はたちまち枯渇し、そして体力をも失ってしまうのである。
公爵は娘に この薬を毎日、飲ますことで衰弱死させるつもりであった。
・・・・・・・・・・・・・・無理でした!!!!!
私の膨大な魔力量に勝負を挑むエリクサーごときなど、
暗峠の急勾配を自転車で登るようなものなのだ!!
(なにかローカル的な比喩表現!!)
私は、近頃、食事するたびに魔力が少々減る感じがするかわりに、
なぜか、細かい傷が治ったり
肌がつやつやして、白く透き通って美しくなる不思議な現象があったのである。
(世のご婦人方には夢のような話だが、エリクサーは高価すぎて手にはいらないのである)
なぜだろう!?
やはり! 大自然に包まれてるせいだろうか!?
(疑似体験の大自然なのだけど・・・)
本人には 気づいてなかったが、毎日エリクサーを飲み、
エリクサー級のヒール魔法を毎日繰り返し練習しているような効果が発生していた。
そのため、ヒール魔法能力を 無意識的に向上し普通では考えられないほどのヒーラー能力を得たのであった。
すでに、この歳で聖女と呼ばれるほどのヒール能力を持っている!!
止まった心臓さえも蘇生できるほどの能力に・・・・
本人には知らず知らずに、
至高の聖女の誕生であった!!!!
しかも、10歳の成長期にエリクサーヒールの繰り返しは、莫大な魔力向上をも伴い
ついには・・・・
至高の女魔王とも言える存在になったwwww
私は将来的に ここから脱走する時のことを色々考えてきた。
やはり、物語の定番である「わしは、冒険キングになる」「大陸英雄伝説」などを参考にすると、
外の世界は魔物や盗賊、魔王が うようよ徘徊するたいへん危険な所であり、
自分で自分を守るだけの能力が必要であると・・・
それゆえ 私は絶対に武器を保有することが必要だと考えたのである!!
あと、冒険者協会などで仕事をするにも、絶対に武器は必要であることは言うまでもない!!
最低限、魔法を付与した英雄級が持つような武器ぐらいはほしいものである。
( 彼女は 英雄や勇者にでもなるつもりなのでしょうかwwwww )
ということで・・・・・・
英雄たちが所持してたような武器を作ります!!
その制作には、鉄や魔法石が必要らしい。
それらを入手するには、山を採掘して入手できると書物に書いてあった。
ここは、山の中の屋敷です!
おそらく、この真下を掘っていくと、色々なものが採れるのじゃないかと予想しました。
さっそく採掘開始です。
でも自分で掘るのはいやなので、たよりになる助っ人を呼ぶ魔法を使います!!
私は呪文を詠唱すると、目前の地面に魔法陣が形成され光り輝きだした。
すると、地面の構成物質である岩が瞬く間に液状に変化、
うねりながら盛り上がっていき、人型のようなものが、
私の目の前に出現した!!
石でできたゴーレムが出現!!!!!
「ほ~~ ちょっとかっこよく 頼りがいありそう!? 」
身長 - 2M
武装 - パンチ、魔法
装甲 - 岩
動力 - 魔力モーター
知能 - 命令に忠実、岩に描き込む魔法陣によってプログラム可能。
操縦席 - そんなものは備えていない。
「んっん! 成功ね! あなたはさっそく、真下に穴を掘って頂戴」
『 はい 』
ゴーレム声?で返事してきた。
ごごごこっごごごごこ~~~~~ご
重低音の音のもと ゴーレムは穴を掘りだした。
「がんばれ~」
黄色い声をだして励ます程度はする私!!
ゴーレムパンチ一発で 地面を10cmほど削れていく。
私は わくわくしながら地下へと掘り進むゴーレムを眺めるのであった。
・・・・・でも時間が掛かる。
10cmづつだもんなぁぁぁ
私が掘ったら早いけど、魔力を使うし、めんどくさい!!
「・・・・・・・・・」
よし!!!!
1体のゴーレムじゃ、時間が掛かりすぎる。
私は、ゴーレムを大量製造し 人海戦術ならぬ、
ゴーレム海戦術で、どんどん掘り進めていくことにした。
私は多重詠唱をおこない、一斉に多数の魔法陣が 私の目の前に浮かび上がると
周辺の岩が動き出しゴーレムへと変化していく。
また1体、また1体と私の目の前へと整列していき
そして、100体のゴーレムがずらりと、私を取り囲む。
『 我々は姫様のために生まれてまいりました 』
ゴーレム声で私に敬礼してくる。
「よろしくたのみますよ」
『 我らゴーレム軍団は1体は100体のために 100体は1体のために 団結して姫様をお守りします 』
『 姫君万歳! 姫君万歳! 姫君万歳! 』
私も思わず片手を上げた。
『彼らゴーレム軍団! 大胆に行動し、繊細に作業を行う、姫様のために! 姫様のために!
忠誠をつらぬく真の軍団! 目を開けろ! 耳をすませ! 迫る敵を撃破せよ!
そして、つぶやく! われらゴーレム軍団こそ世界最強だと!! 』
( このナレーションに合いそうなBGMを脳内再生してください )
ちょっとはずかしいよ~ このノリは何とかしないと・・・
「 ・・・・・・ちょっと中二病がはいってるよ みなさん! 普通に話してくださ~い 」
『 は~~い!! 普通モードに切り替えます 』
ゴーレムたちは 急に整列をやめ だらけはじめるのだった。
なかには、座り込んだり、横になるゴーレムも・・・・・
・・・・・・大丈夫なのか? ゴーレムさんたち!!
「普通と中二病の中間あたりのモードがいいんだけど・・・・」
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ちなみに一流の魔導士といえども、ゴーレム召喚は難しく扱えるのはごく少数であり
なおかつ その少数の魔導士さえ 召喚数は3体ぐらいが限界なのです。
私は10歳で、すでに普通では考えられないほどの魔術能力を持っていたのであった。
さてと! いよいよ採掘を始めます。
ずらりと並ぶゴーレムたちに私は命じます。
「 みなさ~ん どんどん、掘っちゃって~ 色々な鉱石を見つけましょう!!」
『 はい! 』
ゴゴゴゴゴゴッ
ゴゴッゴゴゴゴッゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
重低音の音が、地下牢に響く。
ゴーレムたちの採掘の日々が続くある日。
UFO?が飛び交う大平原のど真ん中で、
私はベッドで寝転がりながら魔法書を読んでいると・・・
(映像投影魔具により、牢屋があたかも大平原のように見せかけてます!!)
一体のゴーレムが、コロコロ転がってやってきた。
「なにかあったの?」
『 報告があります 』
ゴーレム声?で話してきた。
採掘最深部で、今までとは色合いが違う岩が、露出してきたという報告であった。
「ふ~~む なにかの鉱石を見つけたかな?」
興味を持った私は、さっそくとばかり採掘現場に見に行くことにした。
私は頭を坑道から出っ張る岩とかに、ぶつけないよう気をつけて・・・
実際、ぶつけて痛かったです!!!
あまりにも岩を頭にぶつけたので 私の周りを数体のゴーレムで、囲んでもらい、
出っ張った岩を破壊してもらいながら進むのだった。
けっこう過保護な主人である。
ゴーレムの持つ魔力によって光を発してるため、暗い坑道でも平気で、歩けます。
そして、報告のあった坑道最深部に到着した時!!
「んっ 地震!?」
どどどどどどとっどど どどどどどどどどどど~
すごい衝撃を感じた。
私は真上を見る!!
坑道の天井に亀裂がはいり、またたくまに天井全体が崩れだした。
あまりのことで、私は判断がつかない!
どうしたらいいの!!
岩が私の頭上を襲ってくる。
忠実なゴーレムが私を押し倒し、身を挺して守ってくれた。
でも、そのゴーレムも岩に押しつぶされて機能を停止してしまう。
「あっあああああ~」
生き埋め・・・・私は思わず、そんな単語が頭をよぎった!!
「いや~~~~~~~~ たすけて~~~~~~~ー」
少女の叫びが坑道に鳴り響く!!!
-------------------- To Be Continued \(・ω・\) 聖女は化石となって発掘されるのか!?