表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傍若無人なる至高の聖女  作者: 抹茶な紅茶
忘れられた地下牢の姫君
2/93

聖女の秘境! 湯けむり旅情


屋敷に帰ってきた私は、その男にそのまま地下室に連れていかれて、

暗い石畳の寒くて狭い部屋、すなわち牢屋に放り込まれた。


「ここ、臭い!」

私は思わず、手を鼻に当てた。


「魔力なしのおまえを 世間にさらすわけにはいかない!!

ここで、ずっと暮らすのだ!!」


「!! 魔力なし!?」

私は怪訝そうな顔して首を傾げた。


「なにか文句でもあるのか!!」

男の冷たい目線が私を睨みつけた。

怖い!!  私は震えずにはいられなかった。


「私、まりょ・・・くを・・・」

男は私の弱々しい言葉を最後まで聞かずにおもっきりドアを閉め鍵をかけた。


ガシャーーン


そして男は こんな臭いところは嫌だと言わんばかりに早足で去っていった。



「私、魔力がないの!?」

不思議に思った私は、明かりの魔法や水の魔法を使ってみたが、

普通に魔法が使えたのだった。



よくわかんない!? これ魔法じゃないのかな!?



私は周りをぐるりと見渡す。

ここは狭く、汚いベッドが一つだけある部屋だった。


とにかく、臭いので、風の魔法と清潔魔法で掃除を行い、

部屋を徹底的に洗浄し、薄暗い黒い壁を

白色にかえ、ベッドも私好みに作り替えた。


さすがに、多種多様な魔法を行使したため、

魔力が枯渇してしまい疲れてベッドで寝てしまったのである。




そして、目覚めてからやっと、

落ち着いてまわりの状況を把握しだした。



天井近くに小さい明り取りがあるだけの、

5m四方の小さな四角い部屋。


ミルヤがいない!!

誰もいない!!

毎日読んでいた書籍もない。

魔術の勉強ができない!


私は何がなんだが分からなかった。

 

「ミルヤ~~」

私は何度も叫んだが・・・なんの反応もなかった。

再び、小一時間叫び続けたが、やはり何の反応もない。

 


あきらめた私は空中浮遊魔法で、

小さい明り取りの窓付近に浮遊し、外を見たが、

庭が見えるだけで、誰もいなかった。

窓の鉄格子は固くて、出れそうにない。



私は床に座り込んで呆然とした。

こんな狭い部屋では、なにもすることがない!

ベッドでしばらくの間、涙を流し続けるのであった。


唯一することというのは、定期的に配膳してくれる食事を食べることぐらいかな。

牢屋のドアの下の方に、膳を出せるだけの小さいドアがあり、

メイドが無言で、そこから食事を出してきてくれる。



------------------------------------------------------




仕方がないので、いくつかの魔法の呪文を唱え、練習を繰り返したりした。

それも飽きると・・・・次に新しいことを始めたくなった。


呪文を言い換えることで、新しい魔法が生み出せないか?

呪文の言葉にどのような意味があるのかなど、いろいろためす毎日を繰り返した。


体内に宿る大量の魔力を無駄使いと思われるほど、魔法発動を繰り返し、数々の試行錯誤の結果、

いくつかの魔法を同時に発動する多重詠唱技を成功させたのである。


私の頭上に 20もの魔法陣を同時に生成され、そこから明かりの火玉・20個分を生み出した。


部屋は、目を開けられないほど光り輝き、とんでもない状態になってしまった。

「ううう~! 目が~目が~」

と叫びつつ、私は大喜びになったりした。






そんな魔法マニアの日々を過ごしてたある日

天井の明かりとりから、なつかしく弱々しいミルヤの声が聞こえた。


「お嬢さま・・・・ 」


「ミルヤなの!?  わたしはどうなったの」


「お嬢様、ごめんなさい、もう、私はここにいることができません」


「えっ 助けてよミルヤ」


「ここから逃げたすためにも、生きていくためにも

魔術をマスターしてください!!  お嬢様」


「え・・・・」


「これが、私の最後の餞別です」


ドスン!!

小さい明り取りの窓から、何かが落ちてきた。


「お嬢様、おわかれです ごめんなさい」


「ミルヤ~~~~~~~~~」


「ごめんなさい、 お嬢様、 ごめんなさい」

ミルヤの弱々しく悲し気な声が徐々に消えていった。


「ミルヤ~~~~~~~~~」


私はその場で 転がって数時間泣き続けた。

ミルヤには もう会えないという現実に耐え切れなかったのだ。




いつのまにか寝てしまい、目覚めると目の前にミルヤの落とした風呂敷が目に入った。



その風呂敷には、明かりを照らす魔具と、小さい巾着袋が入っていた。

私は魔具で明かりを照らし、巾着袋の中身を見ると、

袋の大きさとは、まったく合わない広大な空間が巾着袋の中に広がっていた。

人が20人は 入れるのではないか!?

拡張収納袋と呼ばれる魔具である。

その空間には、生活用品や素材、大量のさまざまな書物が入っていた。 もちろん、魔術書も入っている。


しかも、魔術書だけではなく、魔法道具、いわゆる魔具の制作書も入っていたのだ。

== ゴブリンでもわかる簡単魔法道具制作セット ==

「ゴブリン・・・・・・ww」


この本は今、王国で大人気の書物で、

なかなか手に入らないゴブリン簡単シリーズの一つである!!!

ミルヤは、かなり無理して手に入れたと思われる。


とにかく、多くの書物があり、

・・・・私のわくわく感が止まらない感じになった。


私はそれから、書物を読み漁った。もちろん、魔術勉強もした。


私が今まで使っていた初級魔法だけではなく、

数多くの中級、上級の魔法書も、袋に入っていたのだ。


さすがに、上級魔法書に書かれている呪文は 難しすぎてうまく発動しなかったのだが

この魔法書には、映像魔具が仕込んでおり、

音と映像が再生できるため、魔具から聞こえる詠唱を

何度も聞き、練習を繰り返すことによって、

うまく詠唱ができるようになった。



時間はいくらでもありますから、ゆっくり勉強ができます!!








--------------------------------------------------------------------------

-----------------------------------------------------------------------------




子供のころから、魔法に接し練習を繰りかえしてたため、

魔力に適した身体構造に変化しており

10歳にして一流の魔術師なみの魔力量を持つにいたった。



その上、ミルヤから貰った書物で、様々な魔具の制作もできるようになったのである。

==== ゴブリン簡単シリーズ!! ゴブリンでもわかる簡単魔法道具制作セット ====



この魔具制作には、製作者の魔力量や、適正なども関係して、一般の魔導士には、

簡単な魔具しか制作できないのだが、

私ぐらいの魔力量と魔力適正を持つと かなり驚異的な魔具類を制作できるようになる。



たとえば・・・・・

空気清浄魔具である。

これを牢屋の片隅に設置すると、臭くて汚い牢屋も、

快適な温度と空調、心地よい風が吹き快適に生活できるようになる。


これは かなり高度な魔具であり、王侯貴族でも なかなか手にはいらない魔具を、

手軽に作ってしまったのである。



そして、その上に疑似体験が可能な画期的機能をもつ映像投影魔具と合わせて設置すると、

あたかも大平原の真ん中にいるような錯覚になってしまう広々とした牢屋に変わった。


実際には部屋は広がってはいないが、目には広々とした平原のように見えるのである。

遠くでは、ヤギが鳴き、空にはUFO?が飛んでいる。

そんな平原にポツンとベッドが置いてあり、そこで私が寝転んでいる。

・・・・  これはなんてシュールな!!




まだまだ、私の快適エンジョイライフはつづく・・・



牢屋を拡張するため、牢屋の真下に土木魔術で

穴を掘り、居住空間を地下へと広げた。

そこに、とてつもなく広い露天風呂を作った。


露天!?


はい!、壁と天井に夜空を描き入れ、まるで

野外と同じ雰囲気を感じれるようにしました。

石で作ったシーサーペントの口から、お湯が出てきて、

風呂のお湯を満たす。

シャワー、冷水も完備


書物には、露天風呂は 温泉という観光地にあるものと書かれていたので、再現してみました。

文字だけの書物では想像できないのだが、映像魔具が組み込まれているため、

露天風呂とはどのようなものかを、映像からじっくり観察し、制作しました。




-------- ここからの映像は、R18を避けるためモザイクが入ります!!!! --------


チョロチョロ~~♪

シーサーペントの口からお湯が流れ落ちる音です。


カポ~~~ン♪

温泉情緒に必要不可欠な音です。


バシャ~ン♪

私が露天風呂に入った音である。


ホワ~ンホワ~ン♪

煙で前が見えないときの音。



カポ~~~ン♪

「ああ~ いい気持ち」


チョロチョロ~~♪

「あ~~ん 温泉って いいよね~」



ブクブクブクブクブクブク♪

私がお湯に沈んでいく音です。


キャ~~~~~~♪

逆さまになって、風呂から二本の足を出したときの音です。


「 げほっ げほっ げほっ げほっ お湯を飲んじゃった!! 」





--------------------------------------------------------------------





そろそろ ここから脱走してもよいころだと考えたが、やめることにした。

ここまで生活を快適にすると、出ていきたくなくなるよね!!!

エンジョイライフ!!


屋敷のメイドが食事を定期的にだされるということ。

まだミルヤの残した書籍をマスターしてないという理由もあった。



ミルヤのいなくなったこの屋敷では、かなりの使用人が減ってたらしく、

2名ほどのメイドと料理人で切り盛りしているようだ。

それゆえか、地下牢が とんでもないことになってることに 気づく者はいなかった。

食事を出す際、小さい窓から食事を出されるため、

メイドたちは、牢屋の中を見ることはなかったのである。



---------------------------------------------------



ある日のことである。 

あの男、すなわち、ユスティネス公爵が、

馬車にも乗らずにひそかに、この屋敷にやってきた。

それも屋敷の表から入らず、使用人の使う裏ドアから入ってきたのである。

人に知られずに・・・・・・


そして、この屋敷の とある部屋で料理人に囁くのであった。


「この薬を毎日、少しづつ料理にまぜて あの娘に出すようになぁ。 もちろん秘密にな!! 」

公爵は薬とともに、チャラチャラと鳴る何かが詰まった袋を、

料理人に渡すのであった。







--------------------  To Be Continued \(・ω・\) 聖女は生き残ることができるのか!?

危機迫る聖女。 

温泉と殺人事件は定番中の定番です。

色気で釣るのです! ・・・・・と思っていた時期がありました。


現在主人公の年齢は10歳でした。

すっかり設定を忘れてました。  色気でつれる年齢ではなかった!!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ