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CROSS…  作者: ィィポン
14/18

『ミリアの失態』

【暗い…ココは…どこだ…??】

【…ウェルチとか言う街に送られるはずじゃなかったのか???】

【かこの真っ暗な空間がオペレーターが言ってたウェルチとか言う街なのか???…】

【そういえば、子豚や美咲さんも居ないな…まさか3人で旅をするとか言っていたけど…RPGならではの仲間を探しながら旅をするのか???…】

【要するに…最初は一人???…】


気がつくと俺の足は地に付いておらず、フワフワとどこかの空間を彷徨っているようにも思えた。

何も見えない中頭がボーっとし、なにやら変な声が聞こえてきた…

【ん??…子供…か??…】



ゲームだからと言ってあまりなめてかからない方がいいよ…

ゲームの世界と言うのはゲームの世界での現実…つまりその世界に入り込んだ君にとってはもう一つの現実世界なんだから…

ビックバンと言う宇宙規模の大爆発によって作られた地球と言う名の星…神によって生み出された人間…

プログラムによって生成された、The Continuance Of Dreamという世界、プログラマーによって生み出されたゲームの人々…ゲームの人々にとっては僕達からみた只の人間は…神同然。創造者なのだから…

僕はとんでもない事に気がついてしまったの…かもしれないんだ…

君達が何気なく過している日常…

そこには色々な疑問点があるんだ…

思っていても中々行動に移せない事。例えばダイエットなどをしようとして、今日から毎日走るぞ!!!と思い硬く決意するが3日と続かないように…

その逆で、そんな事思ってもいないのに気持ちとは反対の行動をとってしまう事。気持ちではムカつくと思っていてもその場は空気や状況、今後の付き合いを想定し、笑って過ごしてしまうように…

君にも僕が言いたい事が分かるだろ???…

この現実世界には君達にとっての現実と言う世界がある…さっきも言ったように当然ゲームの世界にはゲームの世界の中の人達にとっての現実世界が存在する…

僕達はゲームをする時にそれを操って遊んだりしている…僕達がゲームを止め、操る事をやめたらゲームの世界の人たちは自由になる…

これって僕達にとっても言えることなのではないかな???…思いもよらぬ行動…決意したのに中々行動に移せない…その自分の意思で動く事の出来ない時は僕が思うに操られている時間だと思うんだ…

俺達がゲームなどでそのキャラクターを操作するように、俺達自身も操作されているのかもしれないんだよ…

君は何故こんな未来に来ているんだい???…君の意思??…違うだろ???…恐らく君を操作する何者かがバグを発生させたか、何かやらかした…

僕の思考だとそうなる…反論できないだろ???…何故かを説明できないからね…

全てはループしてるんだよ…僕達がゲーム機という物を利用し操る人々の世界。恐らくそのゲームの中にも僕達には分からない手段を用いて誰かを操っていると思うんだ…さらにその先もずっと…

何十…何百…何千…と言うそれぞれの世界が綺麗に輪になるように操りあっていると僕は思うんだ…とてつもなく大きな輪となってね…

…そ…そ…それ…それじゃ…君がそのゲームに入った事で君を操作する事になった…オペミリ…とでも言っておこうかな…

アハハハ…変な事言っちゃって混乱させちゃッたかな…コレは悪魔でも僕の思考だから深く考えないで…じゃぁ宜しくね…



『う゛ぁぁぁぁ゛!!!!!』

『大丈夫です!?!?高貴君!!しっかりしてください!!』…子豚…??

『高貴君!!私だよ!!分かる???美咲だよ!!いきなりどうしたの??』…美咲…さん…

『あ…あれ…ココは???』

『ゲームの中だと思いますよ。』

『でも変だよ、街に送ってもらえるはずだったのに何処にも街何て無いし。』


周りは大草原だった。…360度何処をどうみても地平線…さっきの暗い場所はいったい…それとあの子供は…何を言っていたんだ…???


『そんな事より、大丈夫??僕と美咲さんが気がついたら高貴君、白目むいて凄いうなされてるんですもん…焦りませたよ…』

『うんうん…本当にびっくりしたよ…』

『ごめん…その…』…あれはじゃぁ…夢だったのか…


聞こえてきた声があまりにリアルで俺にはとてもあれが夢だとは思えなかった。

ゲームの仕様で3人のうち誰か一人にあぁゆう悪趣味なイベントがあるのか???と…一番自分自身の納得できる理由を付けて早いとこ忘れよう思った。

【それにしても…凄いうなされていたんだな…】…手は汗と砂でべったりとしていた。


二人に「ちょっと変な夢を見ていた」と告げ、心拍数が正常に戻るまで少し座って休ませて貰う事にした。


『無事…到着されたようですね。』…『(((え!!!!!!!))))』…突然の声に3人とも周りを見回した。…が見えるのは爽快に空を走る鳥達だけだった。

声の出元に一番最初に気がついたのは美咲さんだった。


『声…こ…これからじゃない???』…と美咲さんの視線は俺の腕に付いているリングだった。

『な…なんじゃこりゃぁぁ!!!?』…決してボケたわけではない。俺は石原裕次郎の真似などしていない。とまぁ例えボケたとしてもこの二人にこのネタが通じるはずもない…それに今はボケられる状況ではない。

『高貴君、こんなの着けてましたっけ???』…子豚が不思議そうに頭をかしげた。

『着けてねぇよ…こんなもん!!!』…

『皆さん、驚かせて申し訳ありません。私です。ミリアです。貴方達のオペレーターの…』…そう言われてみると聞き覚えのある声だった。


どうやら彼女が説明し忘れたようで、プレイヤーの案内役として担当のオペレーターとの通信機であるリーディングリングと言うリングを3人のうちの誰かにつけるはずだったらしい…そうゆう大切な事を忘れるなよ…


『転送中に高貴さんにお付けしたので、高貴さんだけ変な空間へと飛ばされ…悪夢を見る形に…すいません…』…お前の仕業だったのか…絶対に許さん…


『それでは要点を言います。私は貴方達がゲームをリタイア、もしくはクリアするまで一緒に旅をする事になっております。要は貴方達の最後を見届ける役と言うわけです。』

『このリングで僕達の行動を把握するの??』


『そうと言えばそうですし、違うと言えば違います。』…ミリアは謎めいた事を言い出した。


『どうゆうことです??』…すかさず美咲さんが聞くとミリアは…

『私は本来貴方達と共に行動するはずなのです、しかしそれはプレイヤーの方の判断に委ねられております。貴方達が私に出てきてほしくない。お前はリングに入って見学していろ…と鬼の様な事をおっしゃった場合にこのリングに封印され、このリングとして一緒に旅をする事になっております。しかし、貴方達が当然の様にリングから出てきて一緒に旅をしよう!!と言ってくれれば私は貴方達と共に旅をする事ができるのです。』


はぁ…なんとまぁしゃぁしゃぁと…お前の話方だと俺達が出してやらねば鬼扱い、出すのが当然。早く出しなさい。と言っているように聞こえてならん。


『そうなんですか…』


『で、出してくれます???』…実際に見なくても彼女が上目使いで最大限に可愛さをアピールしているのははっきりと分かった。…勿論俺の応えは決まっていた。


『だーめだー!!!』・『是非!!!♪』


何と!!…見事に俺一人の意見と美咲さんと子豚の二人の意見が真っ二つに割れたでは無いか…この場合完全に浮いているのは俺である…

二人から…氷の様に冷たい目が俺に向けられ、…さらに、本来感じるはずの無いリングの中からはもっと恐ろしい視線が…今にも視殺されそうな勢いだった。


『前言撤回いたします。』…と言わざるを得ない状況だった。


チャリッ!!っと言う音をだし、リングは割れ地面に落ちた。


黒と紫のいかにも怪しい煙がモワモワと渦を巻いてリングから沸き出来てた。


『それでは…改めまして。ミリアと申します♪宜しくね!!』


俺はてっきり、最初のオペレーター案内室で見たあの女性が出てくるのかと思った。…子豚たちの表情から見ても二人とも俺と同じ気持ちを抱いているだろうに違いない。…な…何だこいつは…って言うか、誰だお前!!!…まさにコレだ。

声はさっきとなんら変わりなかったが、姿かたちがまるで違った。

背丈は30〜40センチくらい…顔や服装は女性だったが、背中からは背丈程の白と黒の羽が生えており、空を飛んでいた。

そう、ゲームや漫画に出てくる小悪魔みたいななりをしていた…耳がネコ耳なのは少々俺を萌えさせた。すまん、忘れてくれ。

男からだけでなく女から見ても超キュートな姿で登場し、俺達に自己紹介をしだした。


『本名はナチャ・ミリア。デーモン種の年齢19歳。性別は女性。血液型はB-3A型。』…19歳!?!?俺より年上かよ…B-3Aって何だよ…それにデーモン種ってやっぱりお前悪魔じゃねーか。…

『短い付き合いになるか、長い付き合いになるかは貴方達次第です♪』

『ミリアさん、私より年上なんだぁ♪こちらこそ宜しくね♪』


宜しくね♪って美咲さぁん…俺は今すぐ付き合いを終わらせていただきたい。さぁ、良い子だからリングへとお戻り。

俺の考えを見透かしたかのようにミリアの方に来て耳打ちした。

『てめぇの考えてる事は分かってんだよ!!!調子こいてるとくっちまうぞ餓鬼が!!!!』…す…すいません。生まれて初めて失禁(シッキン)してしまうかとおもった。


『あたしが一番年上だけど、あんまり気にしなくて良いよ♪それとミリアって呼んで♪皆で楽しい旅にしようねッ♪』…なんだこいつ…さっきの口調とまるで違う…


『(((はぁい)))』…子豚と美咲さんは嬉しそうに返事をした。


ミリアは返事をしていない俺に『楽しい旅にしようネ゛!!!!』とネコを怒らせた様な目つきで俺をみて応答を待っていた…『ウイ…』…俺には選択の余地が無かった…

結局俺は不本意的にオペレーターのミリアと一緒に旅をする事になったのだった。


『それではぁぁぁ、始まりの街【ウェルチ】へ向かってぇぇぇぇぇいざ出発!!!』

『((おぉ♪))』…『ぉぅ…』

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