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CROSS…  作者: ィィポン
13/18

『The Continuance Of Dream』

『3人で遊ぶのなんて久しぶりだね♪』…放課後に真っ先に声をかけてきたのは美咲さんだった。


美咲さんの発言通り、俺達3人で遊ぶのは受験日以来、今日が2回目である。と言うより、俺と美咲さんが遊ぶのが2回目だ…

学校や帰り道とかでは話したりもするのだが、お誘いの言葉が中々かけられず結局今日まで…今日も子豚のお誘いか…そう言えば受験の時も…


と、まぁ今日まで誘いたくても誘えないなんとも心苦しい状態が続いていた。俺はコレを機に是非美咲さんとの交友…いやいや、大恋愛を成就させるためにも絆を深めようと思う。


良し!ココは男らしくバッチリ決めてやるぜ!!

【おう!!言われてみれば久しぶりだな…でも、俺は久しぶりだ何て言われるまで気がつかなかったな…】←俺

【えッ???どうして!??学校で毎日の様に会ってるから???】←美咲さん

【ッチッチッチ!!確かに、それは無いとは言えない…けど俺にはもっと明確な理由があるんだよ。】←俺

【え???…】←美咲さん

【それはな…美咲さんが俺の心に居続けたからだよ。】←俺。(ココで美咲さんの胸に向かって手で作ったピストルをドキュン!!と言いながら打ち抜く仕草を取り入れる。)

【ポッ…高貴…君…】←美咲さん


俺に気持ちを打ち抜かれた美咲さんがヨロヨロと俺の方に来るのを優しく受け止める。。

**この美咲さんを受け止める時はポイントがある。左手を自分の胸の高さに優しく羽毛の様に、右手を自分の腰の高さに硬く筋肉を張り巡らせて…その状態で受け止める事によって、倒れ際にお姫様抱っこへと持ち込めるのである**


お姫様抱っこにメロリンラブな美咲さんは俺の潤んだ瞳に耐え切れず目を閉じる…そうなったらもうコンボ完成だ!!!そのまま自分の顔を美咲さんの方へと…


ぶちゅー!!!!ぐふふふ♪うしゃしゃしゃ♪そんな…そんな事なっちゃったら…あーもぉ俺…どぉしちゃおうかな♪…


ハッ!!!!!!!何を考えてるんだ俺は!!!!!冷静になれ冷静に…スーハーァァ。


『そ、そうだね。所で美咲さんはゲームとかやった事あるの!??』…んー。イマイチな気もするが、今の俺にはこの発言が限界だった。


『あんまり自慢になんないけど…結構得意だよ♪BBQとかFLとかもやった事あるしね。』…BBQとは決してばーべQの事ではない。ボスボーイズクエストと言うこっちの時代で人気のRPGだ。FLって言うのはファンダジーロードとか言うコレマタこっちの時代で大人気のRPGだ。

『へ〜。そうなんだ。もしかしてゲーム好きなの!?!?』…これは聞いても良い範囲だよな??


『うん。私、弟居るから一緒にやったりするの。女友達どうしでやったりはしないけど…好きだよッ。』……好きだよ…好きだよ…好きだよ…好きだよッ…不覚にもかなりドキッっとしてしまった(汗)。

『そっかぁ。よかったぁ。いやね、子豚と話しててさ、美咲さんが嫌だったら出来ないねって。』


え??っと不思議そうな顔をしている美咲さんをすばやく感知し、俺はこれから行うゲームの説明をオペレーターから聞いた事をなるべく詳しく話してあげた。



『…すごーぃ。。それってって事はゲームのキャラクターになるのは自分自身って事なの!?』…

『うんうん♪そゆこと!!面白そうでしょ!?俺と子豚は一回ゲーム内に入ってみたけど幻想的で綺麗な世界だったよ♪』


俺は、見たままを美咲さんに話した。鐘の様な電灯や、光道…まだゲームを実際に始めたわけではないからあんまりでしゃばって話せないのだが…

『うあぁ。いいなぁ♪本当に楽しみになってきた。子豚君からはそうゆう事聞いてなくて、RPGを一緒にやらない??ッって言われただけだったから。あのゲーム機でやるんだから結構凄いんだろうなって思ってたけど…そんなに凄いだなんて…』


『でしょ♪俺もびっくりしたよ。』…初めはガチガチに緊張していたが会話を弾ませるにつれて自然と話せるようになってくるのが感じられた。



『おまたせぇ。ごめんごめん。』と遅れて俺達の所に来たのは子豚だった。子豚は今日、当番らしく放課後に色々と授業のまとめやクラスの状況を先生に報告に行っていたのだ。


3人が揃ったと言う事で、俺達は子豚の家へと向かった。


この日もレンガ色の夕日がまぶしく、少々風があり、あの受験日のりプレイかと思った。


『((お邪魔します♪))』と美咲さんと二人で挨拶し、子豚の家へと上がらせてもらった。俺と美咲さんは子豚の部屋へと足を進め、子豚は俺達に出してくれる飲み物を入れにリビングへと向かった。


『じゃぁ、先に準備でもしとこか。』

『そうだね♪』


俺達が準備をしていると、子豚もジュースを持って部屋に来た。『ありがと』を三人が綺麗にそろって言い、とうとうThe Continuance Of Dreamを開始した。



吸い込まれる様なこの感じが俺は結構好きだった。何と表現すれば分かりやすいだろうか…眠っている時にふわっと浮く様に感じる時がある…それに似た感じだ。


目を開けるとそこはもう別世界なのだから凄く不思議だ。第三者としてゲームをやっている人を見た事が無いだけに本当に実態が別世界に飛ばされている様に思える。


俺と子豚にとっては昨日今日で流石にあまり驚かなかったが、それでも『やっぱり綺麗だなぁ』とついつい声を漏らしてしまった。

美咲さんにいたっては、小さい子がショーウインドウ中のおもちゃに釘つげになっている様に目を丸くし口をポカンとあけて、360度満遍なく何度も見回していた。


『ほ…本当に綺麗…凄い…この世のものとは思えないね…』…と美咲さんが感動していると『そりゃこの世のものじゃないからね♪へへ』っと子豚が余計な事を言い美咲さんのムードをぶち壊した。

心なしかちょっと美咲さんがムッとしたような表情をしたことには驚いた…美咲さんも怒ったりするんだ…まぁ当たり前か…



俺と子豚が前を行き、それに続くような感じで美咲さんが俺達の後ろに付いてきた。



『ようこそThe Continuance Of Dreamの世界へ…お待ちしておりました。』…オペレーターだ。俺達が今日来る事が分かっていたかの様な口調だった。

『先日はどうも。』と俺も軽く挨拶した。NPCに向かって何やってるんだ…


『そちらのお嬢さんが最後のメンバーの一人ですね???』と聞くオペレーターに俺と子豚は『はいっ!』と応えた。


『新しい方も来てくださいましたので説明をもう一度最初から致します。』


…数分後…


『わかりました。おおよその事は高貴君に聞いていたので…』…美咲さんは俺の方を見てニッコリ笑った。


『それでは、コレよりThe Continuance Of Dreamの貴方達の最初の街【ウェルチ】へ転送いたします。宜しいでしょうか??』


『ちょっと質問してもいいですか??』と言ったのは美咲さんだった。


『はい。どうぞ。』


『ゲームの世界…The Continuance Of Dreamの世界で進む時間はどうなるのですか???』…『と言いますと???』


『この世界に一日居たら現実世界でも一日過ぎた事になるんですか???』…あぁ。そう言われてみれば確かに気になる点だな…と俺も気になった。


『このゲームに居る間の時は勿論現実世界でも流れます。しかし、ゲーム内での時の流れと、現実世界での時の流れでは流れるスピードが違います。簡単に言いますと、こっちの世界で一時間居たとしても現実世界では精々10秒って所でしょう。』


『そうなんですか』と美咲さんは少し安心したように胸を押さえて一息ついた。


『しかし、注意してもらいたい事がございます。こちらの世界に居る間は当然プレイヤーの皆様も時の流れは感じられます。こちらの世界でも24時と言う時間があり、それに基づいて朝・昼・晩・と構成されております。こちらに一年間ずっと居たとしても、現実世界では一日ちょっとしか経ってないこととなります。このゲームと現実世界でのラグタイムが大きく生じれば生じるほどに現実世界に戻った時の違和感は大きくなります。ですのであまりに長いプレイはオススメできません。』


『わ…分かりました。』…恐らく美咲さんも子豚も分かってないだろう。と思い、俺が正確に状況を把握する必要があった。


『その例えば、ゲームの世界で計10年居た場合。恐らく現実世界では11日くらいになると思うんですけど。その場合ってのは現実世界に戻った時に10年分の歳を取っていると思っていればいいですかね??』…美咲さんのした質問は以外に重要な事だと気づき俺だけでもしっかりと理解すべく質問をした。


『それは違います。その場合現実世界にもどっても11日しか経っておりません。精々極度の空腹状態になっていると思います。』


なるほどね…何となくだが理解できた気がした。


『そうですか。わかりました。結構危険なゲームですね。』と俺が言うとオペレーターは苦笑した。混乱する美咲さんと子豚にはあとでちゃんと説明してやるか…


少しオペレーターと会話し、俺達は『転送してください』と頼んだ。


『それではお気をつけて、The Continuance Of Dreamの世界を楽しんでください。…デュペル・イン・グリーブ!!!』…オペレーターが魔法のような言葉を発すると、俺達の体は足から頭にかけて粉の様にゆっくりと消えだした。


『(((え!!!?)))』…『何!?!?これ!?!?どうなってんの!?!?』


消えていく中、子豚は泣き喚き、美咲さんも声がでないほど驚いていた。そんな二人に冷静さを取り戻してもらうために『大丈夫!!大丈夫!!コレはゲームなんだから!!!』と声をかけ続けた。


寒いわけでもないのにカタカタと口が音を立てて危険信号を送ってきた。


正直、俺も泣き出したいほど怖く、『大丈夫』とかける声は振るえて逆に二人に恐怖感を与えてしまったかもしれない。…そしてとうとう俺達の体全てが消えた。


『…GAME…START…です…』

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