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1人
また会いたい。
あの時に戻りたい。
そう思うたびに胸が痛くなる。
電話の着信音が、ぴろろんと部屋に鳴り響く。
着信画面を見ると親戚からだった。
あぁ、そうだ、今日か、
俺は初めて「死にたい」と、心の底からそう思った。
そう、昨日俺は大切な家族を亡くした。
父さん、母さん、姉貴。
みんなで出かけていた時だった、前から大型トッラクがつっつこんで来た。
今でも忘れられない。
そして、俺だけが生き残ってしまった。
「はは、一人か。」
賑やかで煩くて、でも、なぜか温もりを感じていた。
そんな、温かかった家はとっくに冷め切っていた。
一人だとこんなに静かなんだ、
そして今後どうするべきなのか本気で考えた。だけど俺には、もう何も残っていない。
あぁ、どうすればいいんだ、このまま死んでしまおうか。
そう覚悟をしていた時だった。