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村人の成り上がり英雄譚  作者: ポテサラ
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刹那

リクは温もりを感じながら、目を覚ました。リクの目の前には知らない少女の顔があった。刹那がリクに抱きついて寝ていたのだ。リクはこの状況は何なのか考えた。考えても考えても訳が分からなかった。すると、刹那が眠そうに目をこすりながら起きた。

「リク、おはよう。体はどんな感じ?」

刹那はリクの体が心配だった。

「体?違和感はないし力もちゃんと入る問題ないと思うぞ。」

リクがそう答えると刹那は安心したように笑顔になり、リクの胸に頭をこすりつけてきた。

「リク、久しぶり。六年ぶりかな。」

刹那は上目遣いでリクを見る。リクは一瞬なんのことか分からなかったが、頭に懐かしい少女の姿が浮かんだ。その少女と前にいる刹那は全く変わらない姿だった。

「刹那?」

「そう、刹那。私はリクのモノであり、リクは私のモノ。覚えてくれててよかった。」

刹那は嬉しそうによりいっそうリクに強く抱きついた。

「刹那苦しい。でも、刹那は全く変わらないな。あの時はお姉さんだと思ってたけど、今じゃあ同じぐらいだな。」

リクは昔の刹那を思い出しながら言った。

「当たり前、私は聖剣。精霊の類。年齢はない。リクが私と同じぐらいなのは、リクの成長が遅いから。でも、私の予想よりは早かった。よくやった。」

刹那はそういうと、リクの頭を撫でた。

「俺の成長が遅かったから、刹那が現れるのがこのタイミングになったのか?」

「そう、リクは私の契約者。だから、私とリクは一心同体。私とリクの力は共有されてる。だから、私が現れたらリクの身体、精神に負担がかかる。だから、リクがある一定以上成長するまで、リクの中で寝てた。でも、リクの中が心地よくて六年寝ちゃった。」

リクは、刹那の話を聞きながら昔のことを思い出した。刹那と出会い、刹那と契約し刹那が自分の中に消えるまでを思い出した。

「そうか、でもまた会えて嬉しいよ。これからは常にこの姿でいるんだろ?」

「うん、戦闘の時は呼ばれたら剣になるけど、それ以外は基本この姿。」

リクと刹那が抱き合いながら話していると、アリサとシイがジト目でこちらを見ていた。

「リク君、起きたんなら行ってよ。心配したんだから。」

「お兄ちゃん、羨ましいです。今度は私とも寝てください。」

アリサとシイが違うことを口にしていた。

「させない。子供はお呼びじゃない。リクと寝たいなら私を倒してからにして。」

アリサの心配を無視して、シイと刹那は言い合っていた。

「アリサ、心配かけたな。俺はどれぐらい寝てたんだ?」

言い合う二人をよそにリクはアリサと話した。

「正確にはわからないけど、半日ぐらいは寝てたと思うわよ。」

「そうか、その間見張りしててくれたんだな。ありがとう。」

「当然よ。」

リクがお礼を言うと、顔を赤くしながら呟いた。

「それよりも、いつまで抱き合ってるの?」

アリサは言い合うシイを止めて、刹那に言った。

「あなたに関係ない。私とリクには時間なんて関係ない。」

刹那が言った。

「刹那少し離してくれると助かるんだけど。」

リクがそういうと、刹那は衝撃的な言葉を聞いたようにリクから離れて落ち込んでいた。リクはベッドから降りると、アリサとシイに刹那を紹介した。刹那にも二人のことを説明しようとしたが、リクの記憶から読み取ったからいいと言った。

「刹那ちゃんこれからよろしくね。」

アリサが刹那に手を差し出すと、刹那はそっぽを向き、リクに抱きついた。

「アリサさん、刹那さんドンマイです。」

シイがそういうと、アリサはさらに落ち込んでしまった。

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