おはよう
「おはよう」
たった4つの言葉に、俺の足はそこから動かなくなってしまった。
ハッキリ言おう、俺「羽鳥 三春は喧嘩バカだ」
………おい、今俺の名前笑ったやつ覚えとけ
そんな俺が、こ、恋をしました。はい、スミマセン
相手の名前「松前 健児」……クラスのパシり要員だ(T-T)オワタ、恋のスタートダッシュも何もスタートでゲームオーバーだよ!バカ!
今ほど自分の素行の悪さを呪ったことはない。
松前は俺と目を合わせただけで、肩を強ばらせ震える。
涙とまんねーよ、俺。
しかし、いつまでもこのままでは辛抱堪らん(バカ)勇気を振り絞り、いざ松前の元へ
松前は、驚きながらも小さな声で問う
「な・何買ってくればいいかな?」
もうさ、俺心の中滝涙だからねっ?
愛しの健児(心の中では、すでに呼びつけ)に、使いっパシりなんてさせるわけがないし。むしろ、俺をこきつかってくれ!
ぐるんぐるん中身のない頭がフル稼働、そして出た言葉が
「お前!お前が欲しい‼」
ぎゃわあーーーーーーーーーーーーーーーー
…おかーさーん!!お腹の中からやり直しプリーズーー!
羽鳥 三春人生最大のバカをやらかしましたぁ
なんか、変なクスリが決まっちゃっような俺の行動を、松前はじっと見つめている。
グハ止めろ!そんな可愛い上目遣いされたら救心じゃ効かないー。
一人奇行をする俺に松前が
「そ・それって俺と付き合うって事?」
と、直球を投げてきた。
俺はバカだから、開き直りが早い。だから、腹くくったよ
「そ、まぁ一目惚れ?ってヤツ。拒否んなよ?」
くあー顔が猛烈に熱い~今なら顔で茶がわく、ぜってーに……あれ?ヘソか?
俺はそれ以上、松前の可愛い顔を直視できず、自分の席に戻った。ふふふ、ちゃんと帰り一緒の約束も取り付けた。天才 俺
ホクホクして自分の世界に入っていた俺は忘れていた。
このホモな告白現場が教室の最前列で、行われていたことなんて
さて、かったるい授業を終えた俺。
なんでヤンキーが授業に?てか?そんなん決まってんだろ、愛しの健児を見つめる為だよ!
まぁ、いい健児と帰宅だ~
一緒に下校とか、おかずに飯3杯は軽いな
健児は準備が終わったらしく、黙って席に座ってる。
声をかけて並んで歩いた時、ようやく気がついた
[健児めちゃ身長高い]
俺の頭1つ分は高い
ちょい悔しいけど、健児……カッコいい
でも、チューする時俺爪先だち?カッコつかないじゃん
ブチブチ独りごちていたら、急に腕と腰を引かれた。
「ん…んん むんん…」
くちゅくちゅと唾液が入り交じる音が、耳に響く
次第に腰の力も抜けて健児に全身を預ける
朦朧とした意識の中で聞こえたのは
「羽鳥ってホント可愛い。あ、もう「俺の三春」だね」
え…何が起きてるんだ?
あのプルプル小動物の健児は?
上目遣い可愛いあの子は、、、何処?
「あは、三春全部声に出てるよ」
健児に手を引かれ、錯乱中の俺に
「今夜、両親居ないから泊まっていくよね?三春」
もしかしなくても、俺食われちゃうよね。処女卒業だわよ
健児、明日赤飯炊いてくれっかなぁ
そんな逝っちゃった発想になった、三春クンの明日はどっちだ。
<出逢い・完>