表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【詩集】射してくる夜明けの光

【詩】むぼうびなきせつ

作者: につき

人びとのほおは

上気していて、

足もとの石だたみも

火照っている。


たのしげに、

わがままに、

えがおを

もち歩いている。


はっとするほどの

ととった顔だちに、

すこしばかりの

おさなさが光る

ひとがいる。


どうどうとした

体くのうえに、

人なつっこい

かおをのせている

ひともいる。


汗ばんでほほえむ

やさしいひとの

いそがしさは、

しあわせに

つながっていて、


いつのまにか

さむさを忘れてしまった

こうさてんの信号も、

夜のあいだじゅう

あおいろで

照らしていたいと

思っている。


ふしぎなことに

はるになっているから、

凍えていたはずの

ばしょからも

ちいさい花が咲いている。


あたらしいみどりに

うもれてしまう

その花は、

つまようじの

せなかほどのおおきさで、

いろだって

はっきりとしていない。


それでも

あまねく陽はてるように、

ひとしく雨はふるように、

すべてに春はきているから、

このちっぽけな花にも

よろこびのたましいが

ゆるされていて、

ゆるみ、

そだち、

ひらき、

むきだしになって、

むぼうびのままで、

春をのみこんでいる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] これから入学を迎える、希望の絵を描いている人たちの表情が浮かんできました。 温かい気持ちになれました!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ