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 現地時間AM10:27

 ローマ・フィウチミーノ国際空港 国際線出発ロビー


 ―――ダイスケへ

   今から日本へ向かいます。

   用事が出来たからですが、都合がよければ明日、会えませんか?日本での私の友人も、呼ぶので、できれば紹介したいのです。

   場所は、キョート駅の大きな階段。

   時間は分かったら連絡します。 

                      エリス―――


 小型ノートパソコンでメールを送信。

 エリスは、窓の外に目をやる。

 青白い空へ、飛行機が羽ばたいてゆく。

 既に獣人状態に戻っており、髪も耳が見えない程度にセッティングされていた。

 スーツ姿のエリスの相棒、ヤン・フォルモントが近づく。

 「向こうとは連絡が取れた」

 「ありがとう。

  アヤの方には、もう連絡を入れておいたわ。

  ミセス・リオの方は、もう日本に?」

 「いや、出発前に飛び込みの仕事が入ったらしい。

  昨日夕方出発のはずが、今日の早朝、つまりは俺たちと同じタイミングでの出発ってわけだ」

 「ラッシュが?」

 「いや、彼女曰く“ロードランナーとコヨーテ”だそうだ」

 「なるほど、コヨーテに呼び出されたって訳」

 「ところで、日本での合流は・・・」

 「いつものキョート駅。車で、本部に直接の方が良かったかしら?」

 エリスは、脇に置いておいたホットミルクのカップに、口をつける。

 「いや、日本の鉄道は安全で正確だ。

  第一、ストライキも起こさない。信頼に値するよ」

 「そうね」

 「それより、フライトはまだかよ。機体異常で、もう2時間も足止めだ」

 「別の機体で飛行するそうよ。まあ、直に・・・」

 フロア全体に、搭乗案内のアナウンスが流れた。

 「無事、再開した様ね。行きましょう、ヤン」

 「そうしよう」

 2人はゲートへと足を進めた。

 <それにしても、ミセス・リオは、何をしたのかしら?>

 エリスは、飲み干したカップをゴミ箱に放り、ふと思った。

  

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