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 負傷者の搬送が終わり、事故現場から緊張が消えた。

 だが、事故車両の処理と渋滞解消の課題が残っている。

 こちらも・・・。

 四条通を逆走する形で、コンバーチブルタイプの青のホンダ S2000がやってきた。

 幌をつけ、サンバイザーに搭載されたLED蛍光灯―フラットビームを輝かせて。

 乗っていたのは、京都駅に現れた、あの女性。

 「あ、さっきの」

 S2000は、交差点に進入し、そこにいたあやめの傍に停車した。

 ウィンドウを開け、その女性は話しかけた。

 「お疲れ様。

  後は、こっちに任せて」

 「了解です、宮地先輩。

  とりあえず、ケースA4での護送と、取り調べを。

  ISPへの連絡は、容疑が固まった時点で行ってください」

 「分かったわ」

 「それと、この多重衝突事故もできれば調べて。

  何か、いいえ、完全に匂うわ。

  もしかしたら、リオさんの件に関係があるかも」

 「そうね。

  こんな交通事故、見たことない。

  その点は、隼警部に伝えておくわ」

 交差点手前、八坂方面に停車していた、ブルーに白い線が入った警察護送車が動き出した。

 「じゃ、お願いします」

  「OK!」

 そう言い、宮地は車をスタートさせた。

 S2000と護送車を見送ると、あやめは四条大橋へ向かい、大介たちと合流した。

 「一仕事、終わったわね」

 リオの言葉に頷いた彼女だったが、大介の方を見ると、委縮してしまった。

 「大介・・・。

  ごめんね、あんな姿を見せちゃって・・・。

  これでわかったでしょ?

  私は、人間じゃないの」

 「あやめ」

 「正直に言って。

  今、私のコト、どう思ってる?」

 深刻に問うあやめに、大介は笑顔で答えた。

 「かっこいい。クールだよ」

 「えっ?」

 「スゲーよ!

  ジャンプして、水を操って刀を生み出すとか、マジでカッコ良かった!」

 「大介・・・」

 その顔が、ゆるんだ。

 「君に対して、怖いとか気持ち悪いとか、そんな気持ちは一切ないよ。

  例え人間でなくても、空飛ぼうが、刀を作ろうが、俺にとってあやめは、あやめなんだから。

  それに・・・」

 「?」

 「うらやましいよ。

  敵に立ち向かって、人を助けられる、その勇気というか、正義感というか・・・」

 今度は、大介の表情に影が。

 「何言ってるのよ。

  その勇気は、大介直伝よ。

  子供の頃、私を守ってくれた大介のね」

 そう言うあやめに、大介は微笑むも、やはりそこには影が。

 が、それも一瞬で消え、話題を変えた。

 「ところで、さっきの人は?」

 「ああ、あのスポーツカーの?

  宮地みやじメイコ刑事。

  階級は警部補、トクハンに所属する私の先輩で、元ヤマネコ妖怪」

 「ふーん・・・へ?」

 あの美人がヤマネコ?

 「私が急用とかでいない時は、代理としてトクハンの前線部隊を指揮する立場にあるの」

 「トクハンのナンバー2って事か」

 「そう。

  今なんかがそうね。

  さっきのバーバヤーガを、トクハン本部に移送して事情聴取。

  容疑が固まったらISPに連絡して、身柄の引き渡し。

  ISP国際妖怪法廷で、その罪が裁かれるって仕組み」

 「トクハン本部って?」

 「それは大介でも言えないわ。

  他言無用だからね。

  まあ、リオさんとエリスは知ってるけど」

 捜査員だけか

 その時、大介を呼ぶ声が聞こえた。

 「おい、大介じゃねえか」

 「あ、童森どうもり!」

 

 

  

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